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「青函トンネル抜け出る瞬間はきっと格別」

新幹線の免許証や教本を前に、当時の思い出を語る鈴木隆夫さん=北海道今金町で、遠藤修平撮影

17日、開業まで100日

 北海道新幹線は17日、開業まで100日となる。1972年の基本計画決定から43年。出身地を走る新幹線の運転を夢見た元鉄道員(ぽっぽや)の鈴木隆夫さん(68)=北海道今金町=は「ようやく新幹線がやってくる。青函トンネルを抜け出る瞬間は、きっと格別だろう」と開業当日を沿線で見守るつもりだ。

     今金町出身の鈴木さんは66年、地元高校を卒業し、旧国鉄長万部機関区に入った。蒸気機関車(SL)の機関助士として勤務。当時の職場は汽笛の音から「ぽっぽや」と呼ばれ、新幹線はおろか電車も縁遠い時代だった。75年に東京に異動し、82年から東北新幹線の運転士になった。

     上越、長野両新幹線も担当し、6種類の新幹線車両を運転。「いつかは北海道で運転したい」と思い続けたが、着工はずれ込んだ。鈴木さんは58歳だった2005年に早期退職し、夢は後輩に託すことにした。今は地元に戻り、土日・祝日のみ営業するジャズ喫茶を経営する。

     JR北海道は近年、運行トラブルなどが相次ぎ、新幹線の安全運行を懸念する声も少なくない。鈴木さんは「運転士になった当時、ダイヤが45秒ずれるだけで『事故扱い』になった。安全で安定した運行が何よりも大事。新幹線の信頼を損なうことがないよう頑張ってほしい」と後輩運転士にエールを送る。【遠藤修平】

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