森治文
2016年1月12日23時41分
宮城県は12日、国勢調査の速報値(昨年10月1日現在)を発表した。県全体では東日本大震災が起きる前の前回調査(2010年)から1万3950人(0・6%)の微減だったが、仙台市や周辺部は復興事業などで増加した。一方で、津波で1万2千人近い犠牲者を出した県内の沿岸部は大幅に減った。
県全体の人口は233万4215人。県の推計では、5年間で転入者数が転出者数を約2万4千人上回った。復興事業や工事、ボランティアなど震災関連を中心に人が流入したためで、自然減や震災の死者・不明者に加え、津波で家を失うなどした県外避難者がなお6千人いるにもかかわらず、微減にとどまった。
都市部を中心に増加した。仙台市は市内5区のうち二つの区が津波被害を受けたが、5年前より市全体で3万6199人(3・5%)増えたほか、仙台市の通勤圏で、隣接する名取市も4・9%増となった。
逆に、津波の被害を受けた県北部の三陸沿岸の自治体は減少が著しい。東京電力福島第一原発事故で避難指示が出た自治体を除くと、女川町が被災3県で最も減少率が高く37・0%。南三陸町も29・0%の減少だった。(森治文)
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