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「特区民泊」基準づくり足踏み 政府内で見解分かれ
慢性化しつつあるホテル不足などを解消するため、マンションの空き部屋などに観光客を有料で宿泊させる「特区民泊」を、全国に先駆けて導入する予定の東京都大田区で、今月中旬を目指していた民泊業者の認定審査基準づくりがストップしている。マンションが定めている管理規約を変更する必要があるかどうかで、政府内で見解が分かれているためだ。大田区は「早く見解を統一してほしい」と焦りを隠せないでいる。
大田区は国家戦略特区法に基づいて、昨年12月に特区民泊を認める条例を可決した。今月中旬に民泊業者を認定するために審査基準を公表し、29日に審査受付を始め、2月中旬には第1号を認定する予定だった。
問題となっているのは、マンションの規約を変える必要があるかどうかだ。
一般的なマンション管理規約には「専有部分を専(もっぱ)ら住宅として使用する」という趣旨の条項がある。国交省が模範として示している「標準管理規約」では「生活の本拠がある」「必要な平穏さを有することを要する」ことが、専ら住宅として使用しているか否かの基準とされている。
国交省は当初、民泊を運営することは「住宅使用」に当たらないと判断し、使用するマンションには規約に「特区民泊の認定事業のための使用はこの限りでない」とする除外規定を設ける必要があるとして、管理規約を改定することを推奨する通達を昨年12月に全国自治体に出す予定だった。