ミサト:そう。辛かったら逃げてもいいのよ。
レイ:本当に嫌だったら、逃げ出してもいいの。
シンジ:でも嫌だ!逃げるのはもう嫌なんだよ!
シンジ:そう、逃げちゃだめなんだ!
ミサト:それは、ただ逃げるほうがもっと辛いと感じているからよ。
アスカ:逃げ出した辛さを知ったから。
レイ:だから逃げるのが嫌なのね。
シンジ:だって、逃げ出したら誰も相手にしてくれないんだ!
シンジ:僕を捨てないで。お願いだから、僕を捨てないで!
リツコ:人の言うことにはおとなしく素直に従う。それがあの子の処世術じゃなの?
シンジ:そうだよ、そうしないとまた捨てられちゃうんだ。
アスカ:自分が傷つくのが恐いんでしょう。
ミサト:そう思い込んでいるだけでしょ?
ケンスケ:傷ついているのは、シンジ一人だけじゃないよ。
トウジ:難儀なんは、おまえ一人やないでぇ。
ヒカリ:そう考えると楽だから、そう思っているだけね。
シンジ:うるさい!そんなの関係ないよ!僕のことなんか、どうでもいいんだ!
ミサト:そうやって、すぐに自分の価値を放り出す。
レイ:私には、何もないもの。
アスカ:まぁた、価値がないんだ、と思い込む!
ミサト:そう思って何もしなければ、傷つくこともないもの。
アスカ:人に誉められることで、自分を維持しているのよ。
シンジ:誰も僕を受け入れてくれないんだ。
ミサト:そう思い込んでいるだけでしょ?
つまり少なくともTV版のエヴァってのは「逃げること」から逃げず、
自分の価値を信じて「逃げてでも生きろ」ってことなんだ。
