安山=東岡徹
2016年1月12日23時52分
韓国珍島(チンド)沖で2014年4月に起きた旅客船セウォル号沈没事故で、修学旅行中に事故に巻き込まれた高校で12日、卒業式があった。事故では当時高校2年だった生徒250人、教員11人が死亡、行方不明になった。この日は救助された生徒ら86人が犠牲になった友人を思いつつ、巣立っていった。
卒業式があったのはソウル近郊の京畿道安山(キョンギドアンサン)市の檀園(タンウォン)高。救助された生徒らは事故から2カ月あまりたった14年6月に登校を再開した。クラスの中で生存者が一人だけといったケースもあり、事故のショックから心身の不調を訴える生徒も少なくなかった。
学校関係者によると、式では救助された生徒が答辞を読み上げた。生徒は事故後の病院生活や、精神的につらかったことなどに触れ、「とても言い表せない人生の苦難と逆境を経験し、それを乗り越え、成長する方法を学んだ」と語ったという。
事故で救助され、卒業を迎えた女子生徒は取材に対し、「卒業するのはうれしいけど、私たちだけ卒業することになって申し訳ない。友だちに会いたい」と話し、涙を流した。
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朝日新聞国際報道部
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