この子が持っている金貨は全て奪われてしまった。
自分が持っている金貨もいずれ奪われるだろう。
可愛い顔をした子たちは権力に寄り添って、楽しく生きている。
お互いひどい姿をしているから、どうにもならないし、権力が膨張する前から惨めだった。
ただ、今はもっと惨めだ。
奪われたこの子はずっと泣いている。
泣いても、誰も同情しないし、金貨が有っただけ幸せだったと皆は言うだろう。
権力は可愛い顔の子たちは守る。
しかも、可愛い顔をした子に権力が何かをしたら、皆は酷く怒る。
可愛い顔をした子たちも、皆も何も考えていなかった。
それでも可愛い顔をした子たちは楽しく生きている。
結局どこまでも可愛い顔をした子たちの特権が分かるだけである。
「どこへ行こうか」
「何処かへ行ったら殺されちゃうよ」
二人が優しくされる場所を考えるて、泣くしかない。
