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ぐるりみち。

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【2016年版】確定申告をするフリーランスが読んでおきたい5冊の本

フリーランス 読書

 まだ1月も中旬ですが、そろそろもって忍び寄る「確定申告」の影。領収書の山と格闘するフリーランスのみなさんの姿も、一部のTwitter上では風物詩となっている様子。つらい。

 僕自身も、2年前には「中途退職した無職」として初めての確定申告に四苦八苦し、昨年は「未開業のフリーランス」として2度目の白色申告で税務署へ赴いた身でございます。そして今年は「個人事業主」としていよいよ青色申告に挑戦するということで……そろそろ準備せねば。

 

 何はともあれ「まずは形から入るべし!」ということで、確定申告に関する本を早々に読み返しておりました。さらに今回は初の青色申告ということで、過去に読んだ既刊に加えて、今年度の確定申告用の解説書も改めて何冊か手に取ってみた形です。

 いずれも書店に行けば真っ先に目に入る本ではありますが、実際に読んで比較してみると、それぞれ参考としているソフトや、基本的な解説部分の書き口が異なっておりました。そこで本記事では、自分なりに各書籍の差異を簡単にまとめつつ、「どのような考え方でもって確定申告をするか」という視点から「おすすめ本」をご紹介させていただきます。

  

 

① 確定申告を簡単に自動化してラクする本

 「MFクラウド確定申告」の公式ガイドブックを謳う一冊……ではありますが、その内容のわかりやすさと、最低限は知っておくべき基礎知識の網羅性から見て、「初めて確定申告をする人」にぜひおすすめしたい本。全ページフルカラーで、敷居も低い。

 後半の50ページほどは「MFクラウド確定申告」の使い方に説明があてられているのですが、それに至るまでの約70ページは「そもそも確定申告とは何ぞや?」から始まる、とてもやさしい入門書となっております。Kindle版もあり、お値段も1,000円ぽっきりと手が出しやすいので、「今年がはじめて!」 という方の最初の一冊にどうぞ。

 

② 個人事業主・フリーランスのための青色申告

 主に「やよいの青色申告オンライン」を使う人向けの説明本。540円という安さが魅力で、僕も昨年はこちらの白色申告版を購入して参考にしました。作業としての「確定申告」を早急に終わらせようとするだけなら、おそらくはこの本だけでも事足りるのではないかと。

 しかし一方で「初めて確定申告をする」という人の場合は、ちょっと情報量が少なく読めて不安に感じる面もあるかもしれません。確定申告の基礎・メリットを説明する項目もありますが、全く会計知識がない人には少々、心もとない説明であるようにも読めました。わからない部分はネットで検索しながら使うか、あるいは他の関連本と合わせて読めば安心です。

 

③ ひと月3分、ムダ0確定申告

 「freee」の使い方と合わせて、日頃の入出金管理から実際の確定申告まで、個人事業主の「税金」にまつわる話題をほぼほぼ網羅した解説本。freeeユーザーであれば他の本は一切必要なく、この一冊で完結できるほどの内容&ボリュームです。

 会計に関わる基礎知識や、どこまでを経費として取り扱うかといった部分まで、具体例とともに記述されているわかりやすい構成も魅力。個人的にはfreeeの解説部分よりも、そういった細かな豆知識が勉強になりました。サービス紹介だけに終始しているというわけでもなく、冒頭では「こういう人にはおすすめできない」と別の選択肢を紹介している点も好印象です。

 

④ フリーランスの教科書

 読んで字のごとく、フリーランスの「教科書」。筆者と税理士さんとの会話を挟みつつ、「フリーって何?どんなことが必要になるの?」を説明していく構成の新書。200ページ程度というボリューム感も程よく、読みやすさは抜群です。

 ここまで挙げてきた本と比べると、「確定申告」に特化した内容とは言えません。ですが、右も左もわからずフリーになり、これから確定申告と付き合っていこうという人にはおすすめ。「事業所得?課税所得?控除?なにそれたべれるの?」状態のアンポンタンだった僕が最初に読んで、基礎知識を身につけるのに一役も二役も買ってくれた本なので。税理士さんが監修しているという点でも安心です。

 

⑤ フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

 とある界隈では「フリーランス必読の書」とも言われているらしい、「申告」と「節税」のお話。先ほどの『教科書』と合わせて読みましたが、こちらのほうが「お金」と「税金」に関しては踏み込んで解説されており、もう一方は「フリーランス」全般を俯瞰した内容という点で差別化できると思います。

 第1章で「税金ってなんぞや?」という初歩中の初歩から説明が始まるため、これまでお金に関心を持ってこなかった人でも大丈夫。こちらも税理士さんと著者さんの会話形式で説明が進行しており、たまに“黒く”なる税理士さんのキャラとぶっちゃけ話も手伝って楽しく読めます。保険、記帳、そして申告の話題に加えて、消費税に法人化、税務調査についても説明されており、非常に濃密な一冊です。

 

――で、どれを買って読めばいいのん?

 以上5冊の本をご紹介しましたが、ぶっちゃけ「どれを読んだらいいんじゃい!」という方もいらっしゃるかと思います。というか、2年前の自分が読んだら間違いなくそう言ってた。とりあえずは、次のように考えてみてはいかがでしょうか。

 

 「とにかく『確定申告』の作業をスムーズかつ速攻で終わらたい! 勉強の機会はとりあえずまた今度で!」 ――という人は、自分が使うサービスに合わせて、、いずれかの解説本を。
 「どうせ来年も申告することになるだろうし、そもそも会計知識が皆無で不安すぎる! 基本的な部分を学びつつ、一緒に確定申告の作業も進めたい!」 ――という人は、のいずれかで学びつつ、必要に応じてソフトの解説本も。

 

 もともと気になっている、利用している確定申告ソフトがある場合には、その解説本をなぞりつつ、副読本として後半2冊のいずれかを読めば確実かと。どちらも個人事業主として独立する人、あるいは社会に出る前の大学生にも勧められる本だと思っています。

 また、各々のスタイルに合った本&サービスを選びたい、ということでしたら……個人的な印象になってしまいますが、次のような区分・考え方でもって選んでみるのもいいかもしれません。

 

最低限の知識を学びつつ、確実に確定申告を済ませたい
 → 『確定申告を簡単に自動化してラクする本』&「MFクラウド確定申告
時間が最優先、安価でちゃちゃっと確定申告を終わらせてしまいたい
 → 『個人事業主・フリーランスのための青色申告』&「やよいの青色申告オンライン
効率性重視、確定申告もこなしつつ、次年度の会計作業も見据えて勉強したい
 → 『ひと月3分、ムダ0確定申告』&「freee

 

 ――こんな感じでしょうか。あくまで個人的な印象としての「おすすめ」ですので、全く見当違いのことを書いていたら申し訳ありません。参考になりましたら幸いです。

 

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