中国の王毅外相は8日、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部(省に相当)長官と電話会談し、北朝鮮による4回目の核実験への対応策を話し合い、『缺一不可』という新しい表現を使った。何か一つが欠けてもならないという意味で、▲韓半島(朝鮮半島)の非核化実現▲韓半島の平和と安定を守る▲対話を通じた問題解決――という北朝鮮核問題をめぐる中国政府の3大原則を強調し、そこに加えられた表現だ。中国が北朝鮮核問題をめぐり、そうした表現を使うのは初めてだ。
王外相の発言は北朝鮮の非核化も重要だが、そのために韓半島の平和と安定、対話を通じた問題解決を放棄することができないと強調したものだ。中国が以前とは異なる強硬な対北朝鮮制裁を強調する韓米日の要求には振り回されず、これまで同様に北朝鮮との対話ルートを閉ざさないことを表明したとも言える。
慶熙大のチュ・ジェウ教授は「中国が考える韓半島の平和と安定は金正恩(キム・ジョンウン)政権の安定を意味する。国連安保理レベルの対北朝鮮制裁にはある程度誠意を示すが、金正恩政権を危うくする強硬な制裁は今回も期待しないでもらいたいという中国の姿勢に変化がないことを示している」と分析した。
国際社会の期待に反する中国の姿勢は韓中電話会談の実現過程からも予見されていた。今月6日、北朝鮮による4回目の核実験直後、尹長官は米国、日本、英国、フランスなど主要国の外相と当日のうちに電話会談したが、王外相との電話会談は中国側が先送りを求め、核実験から57時間半後に実現した。両国は電話会談の内容を会談終了から3時間余り後になってようやく発表した。