サムスン電子の増益基調が5四半期ぶりに途絶えた。スマートフォンの不振が続く中、業績に貢献していた半導体まで低迷し、足を引っ張った。
同社が7日発表した決算短信によると、昨年第4四半期(10-12月)の営業利益は前期比17%減の6兆1000億ウォン(約5900億円)で、2014年第3四半期を底に回復を続けてきた業績は再び後退に転じた。ただ、売上高は53兆ウォンで、通期では200兆3400億ウォン(約19兆3900億円)となり、4年連続で年商200兆ウォンを達成した。
市場関係者は、当初6兆ウォン台半ばの営業利益を予想していたが、決算発表を控え、予想値が相次いで下方修正されていたため、市場への衝撃は少なかった。株価にも既に織り込み済みで、同社株価は8日の取引開始から上昇し、結局前日比8000ウォン高の117万1000ウォンで引けた。
第4四半期はクリスマスと米国の大規模セール「ブラックフライデー」の時期に当たり、電子業界にとっては需要期だが、サムスン電子の中核事業である半導体、スマートフォンはいずれも不振だった。
サムスン電子が世界シェア首位を占めるDRAMの価格が続落したほか、半導体が使われるパソコン、スマートフォン、タブレット端末の需要も伸び悩んだ。サムスン電子は事業部門別の業績をまだ公表していないが、証券業界は半導体部門の営業利益が前期比約20%減の3兆ウォン程度になると予想している。
問題は半導体市場の先行きが今後も暗いことだ。半導体は好不況のサイクルが繰り返される商品だが、最近2-3年の半導体市場は好況だったため、今年は業績後退が予想される。電子業界の伝統的な非需要期である今年第1四半期について、証券業界は営業利益をが5兆ウォン台となり、減益が続くと予想した。
スマートフォン事業も依然として先行き不透明だ。サムスン電子はギャラクシーS、ギャラクシーノートなどのプレミアム商品を中心に成長してきたが、市場は新興国で生産される中低価格機種中心へと急速に変化した。サムスン電子の昨年第3四半期の携帯電話端末販売単価も平均180ドルで、前期(220ドル)を18%下回った。華為(ファーウェイ)など中国メーカーが低価格機種で市場を攻略し、一時は32%に達したサムスン電子のシェアは20%前後まで落ち込んだ。
サムスン電子関係者は「テレビ、スマートフォン、フレンチドア式冷蔵庫など主力分野でトップシェアを守っているが、市場が飽和し、販売量は減少が続いている。今年も市場を楽観視する要因は見つからない状況だ」と指摘した。