「空撮ドローンではなくカメラの進化形」をうたう空撮ドローン Lilyが、昨年以来3400万ドル分の予約注文を獲得したことを明らかにしました。

一方、ソフトウェアおよびハードウェア改良のため、出荷を当初予定の2月からこの夏に延期することも発表しています。

Lily カメラ

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8 枚

米国のスタートアップ Lily Roboticsが開発する Lily は、4つのローターで空を飛び写真や動画を撮影する「カメラ」。



いわゆる空撮用クアッドコプターやドローンと呼ばれる製品そのものですが、開発者は飛ばすことが主のドローンではなく、手軽に自分撮りができるカメラの進化形だと表現しています。



特徴は小さなメダルのような「トラッカー」がセットになっていて、身に着けたユーザーを全自動で追跡して動画や写真を撮ってくれること。コントローラで操作する必要はなく、空中に放り投げるだけであとは勝手に浮遊しつつ撮影してくれます。

トラッカーはマイクを兼ねており、空撮動画にローターの風切り音でなく被写体の喋りや周囲の音を入れられます。トラッカーには撮影モード変更ボタンがあり、押すと追跡から定点撮影に切り替わる仕組みです。


主な仕様は、カメラ部が12MP静止画、1080p 60fpsまたは720p 120fpsスローモーション動画。動画画角94度。飛行能力は高度1.75mから15m、追尾速度最大40km/時、ユーザーからの最大距離30m、最小距離1.75m。

バッテリーは内蔵リチウムイオンで約20分連続飛行、付属充電器で約2時間充電。 アルミとポリカーボネート製の本体はIP67の防水防塵で、水に落ちても浮いて回収しやすくなっています。


価格は昨年5月の予約受付開始から約1か月は先行価格499ドル、現在は予約価格799ドル、以降は999ドルになる予定。

リンク先 Forbes の開発者インタビューによると、予約受注台数は6万台 3400万ドル、本国米国からの予約注文は約45%。またアンケートではほとんどの予約者がこれまでドローンを購入したことがないと回答しており、いわゆるドローンというよりも簡単に空撮自撮りができるロボットカメラという導入は成功したようです。

出荷時期の遅れについては、自律飛行のためのソフトウェアで課題があったこと、あわせて軽量化などハードウェアの改良を挙げています。現在はプロトタイプを200台製造済み。中国で元DropCamの開発者5人を雇い、この夏の出荷に向けて生産ラインの確保に努めているとのこと。現在も799ドルで予約は可能ですが、思い立ってすぐ届くようになるまではしばらく掛かりそうです。



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