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 外務省はパリでの同時多発テロを受け、海外に滞在する日本人の安否を携帯電話やスマートフォンで確認し、救助活動などに活用するサービスを広げる。全世界での運用をめざし、来年度予算に経費を盛り込む。

 サービスを利用するには、渡航情報を書き込むネットサービス「たびレジ」(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/別ウインドウで開きます)で登録。テロや大災害が発生したら、携帯電話などのショートメール(SMS)を使って「無事」「要救助」といった安否情報を報告し、外務省が要救助者を集計する。SMSは災害などで通信環境が悪くなっても、送受信しやすい特徴があるという。

 これまでは現地の大使館が日本人会などと連携し、安否を1人ずつ確認していた。新サービスでより早く確認できれば、大使館員がけが人や行方不明者の救助、捜索などに対応しやすくなるという。

 外務省は今春、米国や中国など在留邦人が多い10カ国・1地域を対象に、緊急時にSMSで一斉に注意を呼びかけるサービスを開始。うちオーストラリアなど6カ国と台湾については、受信者との双方向のやりとりが可能になった。運用例はまだないが、さらに対象国を拡大する方針だ。(安倍龍太郎)