5歳の息子と嫁からは期待の目が向けられている。
僕は必死さをさとられないようにすぐに答えることができた。
我ながら上出来だった。
得意気になった僕は更に続けた。
「とは言え漢字の問題は子供にはむずかしいよね。最近のテレビはこういうところがちょっとね。」
5歳の息子はなんことやらわからない顔をしている。
しょうがないからメモとペンを用意して図解してやることにした。
もちろん、”旧”なんて漢字を説明したところでわかるはずもないが。
そうしてCMが明けテレビから流れてきた答えは、一言「歳」だった。
確かに歳はとれば増えるものだ。
息子と嫁から感嘆がこぼれる。
息子のキラキラと輝く瞳がまぶしすぎてふと顔をそらすと、暗がりを背負ったガラスに冴えない男が写った。
取れば取るほど増えていく歳が痛いほどに身にしみた夜だった。