珈琲屋だから皆さんへ伝えられる事ってあると思うのです。
実際に店頭に来られるお客さんの質問を幾つかまとめたり
意外と分かってなかった事をお伝えしたいな?と。
特にcoffeeには大きな制約がないので、好きに飲んで頂くのが一番ですが
もっと美味しく飲むための条件みたいなものもあるんです。
それを幾つか教えたいと思います。
『焙煎度の浅いものから飲もう』
たまにお店でフレンチローストのcoffeeを頼んだ後に
お代わりでハイローストやシティローストのcoffeeを頼む人がいます。
そうすると舌の上にある苦味を感じる部分が馬鹿になってしまうので
繊細な風味を感じることが出来ないんですね。
例えが悪いですが、激辛ラーメンを食べた後に
すっきり系の鶏ガラスープのラーメンを食べるようなものなので
焙煎の度合いに応じて飲んで行くと違いや風味が分かります。
大抵のお客さんは、こうした順序の違いを「美味しくなかった」と表現しますが
次に来た時には「淹れ方変えた?」や「豆を変えた?」と聞きます。
変わったのはお客さんの舌ですね。
『珈琲豆は毎年風味が変わるもの』
よく「うん、このcoffeeはいつもと同じ!」と言ってる人がいますが
もうそれは思い込みでしかないんですね。
そういうblogもたまに散見してますが、正直言えば珈琲屋からは失笑もの。
また、珈琲屋からは「毎年同じ、いつもと変わらない」とは言えません。
紅茶にもファーストフラッシュとセカンドフラッシュがあります。
まず、coffeeはcoffee cherryから出来てるので農作物です。
ですから毎年豊作とは限りませんし、不作の年の方が多いくらいです。
この場合、日照時間や降水量の変化でデキが違ってくるのです。
尤も、毎年同じような風味にする場合は採れた珈琲豆ではなく
焙煎を毎年同じようにしてしまう事が挙げられます。
寧ろ、coffeeの個性は無視ししてしまう結果になってますね。
ここはワインと一緒で、毎年の違いを楽しむものなので
「去年と一緒!いつもと一緒!」と言う人の舌を疑うしかないのです。
『カフェインの含有率が少ないのはespresso』
皆さんもcoffeeのカフェインを気にする人は多いと思いますが
カフェインが大量に出る淹れ方は、粉がお湯に浸ってる時間が長いものが
カフェインを大量に摂取してしまう原因になるのです。
ですから、カフェインが少ないcoffeeはespressoなんですね。
Dripが3分くらいで、フレンチプレスが3~4分。
espressoは僅か30秒程度なので、カフェインが溶け出し始める前に
抽出が終ってしまうんですね。
尤も、全くカフェインがないワケではなく〝少ない〟だけですから
ここら辺を見極める事も肝心になってきます。
チェーン等では、デカフェ(カフェインレス)が用意されているので
デカフェでespressoをしてもらうと、更にカフェインの含有率は下がります。
妊活や既にお腹に赤ちゃんのいるご家庭では、そうした楽しみ方もあります。
こういうのもコーヒーマイスターの仕事なので、お店で聞いてみて下さい。
『coffeeにミルクを入れないのは正解か?』
まず
まず、珈琲屋の立場から言わせると…
coffeeにミルクやフレッシュを付ける事が前提となってます。
これはタンニンがあるcoffeeを少しでも優しく中和する目的もありますが
〝toasted〟←焦げたような香りを楽しむものでもあるんですね。
ナンセンスな話で恐縮ですが、ビールをキンキンに冷す人や
ワインを室温以下の冷蔵にしたり、またはウイスキーをロックなのか?
水割りなのか?で考えるようなものだと例えれば分かり易いのかな?と。
ウイスキー辺りを「ストレートで飲むのが本物だ」と言う人がいますが
飲み方は正直言って自由なんですよ。
勿論、ストレートの方がハッキリと風味が伝わる事は皆さんも御承知です。
ミルクを入れる入れないの論争は、今でも続いているのですが
飲み方の押し付けや他人の飲み方にケチを付けるのはナンセンス。
Tanzania(タンザニア)やKenya(ケニア)やGuatemala(グァテマラ)等
寧ろ、Roastが深いものはミルクを入れた方が美味しくなる場合もあります。
アジア圏ではMandheling(マンデリン)を初めはストレートで
冷めて来た頃にミルクを入れると風味が変わる事もあるので
通の間ではそういう飲み方を楽しんでいる事も。
ですから、後からミルクやフレッシュを入れる概念も育てたいですね。
ストレート=フルーティー
ミルク入り=toastedやチョコレートフレーバーでしょうか。
それから、世界基準では〝ブラックコーヒー〟とは言いません(笑)
現在では、それを〝ストレートコーヒー〟と呼んでます。
『イタリアにはイタリアンローストはない!』
これね、espressoを淹れる人は解る「あるある」なんですけど
イタリアンローストの豆を買ってきて
グラインダーで挽き立てを使ったにも関わらず
クレマが出なかった経験があると思うんですよ。
実際のイタリアは、espressoに使う豆の焙煎具合はシティやフルシティレベルです。
通販や量販店のイタリアンローストの豆を使って
espressoを淹れてる人の悩みの殆どが「クレマが出ない」なんですね。
クレマを出すには幾つかの条件が重なります。
・焙煎度合いがあまり深くないもの
・なるべく鮮度が高い豆を使う事
・家庭用espresso machineでも9気圧があるか?
・挽き立ての方がクレマが出る(粉末を使うと酸化して出ない事が多い)
まあ、この主旨の殆どがespresso machineを使った場合になります。
尤も、イタリアの各家庭ではmacchinetta(マキネッタ)を使うので
クレマなんか出してないんですよね(笑)
「クレマがない!」と言っている人はespresso machineだけしか知らない人。
ただ、イタリアには店舗でespressoを提供する場合には
9気圧のmachineで出すと規約があるんです。
これはナポリのPizzaにも厳格な規約があるように
9気圧のmachineで淹れたものを〝espresso:急行〟と呼びます。
この辺が整理できてると、イタリアンローストが何であるか?
そろそろお分かりだと思います。
昔、普通に焙煎しても飲めなかった欠点豆を深く煎った豆を使ってるんですね。
今は普通の豆を深く煎っている場合が多いですが、これは裏事情になるので
なるべくだったらシティやフルシティの豆でespressoをして下さい。
尤も、espressoにはクレマが必要なのか?と云う論議もあります。
お抹茶の泡と一緒で、あれば確かに風味は柔らかくなりますが
一部では無用だと言われている声も出ています。
『本当に伝えたい意味とは?』
僕は一昨年、コーヒーマイスターの資格を獲りました。
だからと云って、それが特別なものとは限らないんですね。
皆さんがcoffeeを飲む、豆を購入する際のアドバイザー的なもの。
スタンスとしては〝ただのcoffee好き〟なのです。
既にはてなの中では、coffeeの淹れ方…または焙煎の仕方を伝えました。
実際に僕のblogから起業した方も数名いらっしゃいますし
既に成功された方も数名いらっしゃいます。
僕がしたかった事は、間違ったcoffeeへの認識を是正したかった事や
更に裾野を広げんが為のblogだったと言う事です。
ですから、もう淹れ方や焙煎の仕方はblogではやりません。
ここからは商売になってしまうので、それはまた別のお話…
これからはちょっとしたcoffeeの知識や雑学なども含めた
『親しみのあるcoffee』をお伝えできればと思ってます。
既にweb媒体では、実名でcoffee記事を書いているので
先月で15万アクセス、今月で23万アクセスは人が来ています。
当時の60万アクセスになるまでには時間が掛からないかも知れません。
これは僕の収入なので、こういった場所では公開しませんし
プライベートになるので秘していますが、blogはあくまでも趣味なので
はてなでは、こうした場所で皆さんと交わって行きたいと思ってます。
何が言いたいかと云うと・・・
「一緒にcoffeeを楽しみましょう」と云う事なのです。
正解のないcoffeeの世界ですから、楽しめる余白は充分にあると・・・
皆さんに合ったcoffeeの飲み方や淹れ方…
そういうものを提供できれば・・・と、思ってます。
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