全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスは12日、国営ベトナム航空に出資し提携することで基本合意したと正式発表した。今夏に同社の第三者割当増資を引き受け、発行済み株式の8.8%を約130億円で取得する。ANAは10月にも相互に座席を供給する共同運航を始め、両国間の路線や便数を拡充して増大するアジアの旅客需要を取り込む。
ベトナム航空は同国最大の航空会社で、日本とベトナム間の国際線で5割前後の旅客シェアを持つ。95%の株式を持つベトナム政府は国営企業改革の目玉として同社の戦略的提携相手の選定を進めていた。旅客サービスに定評があるANAと組むことで、課題だったサービス品質の改善が進むと判断した。
ベトナム航空はこれまで日本航空と共同運航を実施してきたが、ANAの出資に伴い提携を解消する方針。ANAとベトナム航空は共同運航と同時にマイレージ制度の相互連携を始めるほか、空港での旅客チェックイン業務を相互に受委託するなどコスト削減でも協力する。
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