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 イラクの首都バグダッド周辺4カ所で11日、自爆テロとみられる事件が相次ぎ、少なくとも51人が死亡した。ロイター通信が地元警察や医療関係者の情報として報じた。いずれもイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。うち3件はイスラム教シーア派の住民が多い地区で、宗派対立をあおる狙いがあるとみられる。

 バグダッド東部のショッピングモール前では、自動車が爆発。前後して男4人が店内で発砲し、自爆した。銃撃や爆発で18人が死亡、40人がけがをした。

 さらに、バグダッド北東ディヤラ州のカジノ付近でも爆発があり、23人が死亡。1度目の爆発で集まった人たちの近くで、車に積んだ爆弾が爆発したとみられる。ISは声明で「シーア派民兵を狙った」としている。おなじディヤラ州の別の町でも同日、レストラン前で車が爆発し、3人が死亡していた。

 一方、バグダッド南東部のスンニ派地区では同日、自動車爆弾により7人が死亡、15人がけがをした。

 イラクでは、シーア派主導の政権に反発する形でISなどの過激派組織が台頭。ISはモスルなど北西部を拠点に支配を強めているほか、宗派が混在する首都でも自爆テロ攻撃を繰り返している。(ドバイ=渡辺淳基)