さようなら、憂鬱な木曜日

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サラリーマンの投資ログなど

画像の引用は法的にオッケーなのか?著作権法におけるルールとは

生活

近頃、ブログの記事執筆で調べ物をすることが多くなってきた。自分の思ったことを感情的にばーっと書くよりも数倍労力がかかるが、ひとつひとつの記事のクオリティを上げていくためには、そういった労力を惜しんではいけない。数記事に1記事は気合の入れたものを書くというのが、最近のこのブログの運営方針である。

さて、そうして調べ物をするうちに、ネット上でとてもわかりやすくまとまってる図やグラフなんかがあって、私は軽い気持ちで「引用ならオッケーだろう」とそのまま画像を掲載させてもらっているケースがあって、ふとした瞬間に「これって本当に法的には問題ないのか?」と疑問に思った。どうも気持ち悪いので、その疑念を解消するためにこの「画像の引用はオッケーなのか?」について調べてみた。

 

結論「引用の要件を満たしていればオッケー」

まずは条文から当たってみたい。著作権法第三十二条にはこう書いてある。

(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

なるほど、公表された著作物は、特に文章や画像の指定なく、引用ならば利用してもいいということらしい。
そこで、問題となってくるのが、正しい引用の仕方である。引用の要件について確認してみよう。文化庁の著作権なるほど質問箱では引用の要件について、下記の7点を挙げている。

①引用する資料等は既に公表されているものであること
②「公正な慣行」に合致すること
③報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること
④引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
⑤カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
⑥引用を行う必然性があること
⑦出所の明示が必要なこと
(出典:著作権なるほど質問箱

以上の要件を満たせば、著作権者の許可なしにその著作物を引用できるされている。
ここで、②の「公正な慣行」と③の「正当な範囲内」とは具体的にどのようなものか見ておこう。
これについては、昭和55年最高裁写真パロディ事件等で判事されており、引用する側とされる側の双方は、質的量的に主従の関係であること(主従関係)、両者が明確に区分されていること(明瞭区分性)、なぜ、それを引用しなければならないのか(必然性)が該当する。
なんだか、他の要件とかぶっていてややこしい気もするが、画像だけでなく文章においても同様だ。

この要件で一番大事なところは「主従関係」であろう。結局のところ、自分の文章がメインになっていなければならず、引用はそのメインを補強するものでなければならないということ。だから、言ってみれば2chまとめサイトなんかは、全然引用になっていないわけである。あれは転載だ。あそこまでいかなくても、引用文をババーっとコピーして、最後に「私も同意見です」なんて付け足すだけでは駄目ということである。

⑦の出典の明示については、インターネット上で完結するものであれば、引用元のリンク先を明示しておけば問題無いだろうと考えられる。

 

芸能人の画像は?

芸能人や著名人の画像は、結論から言うとNGである。
これはいくら引用の要件を満たしていても駄目だ。なぜなら、著作権の問題だけではなく、肖像権やパブリシティ権の侵害行為になるからだ。
タレントやアーティストの写真は、それ肖像自体が商品価値を持ち、企業や商品などの宣伝広告に用いられることにより、顧客を吸引し、商品価値を高めるなど、さまざまな経済的価値を生み出すことから、これを無断で利用することは許されていないのである。

Twitterの画像は?

ツイッターは画像投稿機能があり、画像投稿されたツイートを、公式機能を使って自分のブログ等に貼り付けた場合はどうなるのか。
これは、結論から言うと、両手を上げてOKとは言えない。
ツイッターに投稿された画像は、Twitter社に対して留保することになる(Twitter社に帰属するとは言ってない)。しかし、その画像の著作権者が、自分の権利が侵害されているとしてTwitter社に通報した場合、Twitter社がその内容を精査して、独断で削除等をすることができる旨をガイドラインに記載している。(参考:Terms of Service | Twitter

つまり、要約すると「ツイッターの公式埋め込み機能でブログに張るのはいいけど、それが著作権フリーの画像になったということではない」というところだろうか。
同様の理論で、Amazonの商品画像もオッケーという見解が強い。

まとめ

恥ずかしながら、今まで引用をたくさんしてきたにも関わらず、正しい引用の仕方を頭のなかで整理できていなかった。今回は画像に焦点を当てた文章を書いたが、文章でも同じことである
私自身の利用においても言えることだが、現在のネットでは、法的にグレーな引用例が多く見受けられるように思う。今後は正しい引用の仕方を意識して、気をつけて使っていきたい。

 

※本記事は法律の専門家でもない一般人が、ざっと調べた結果書いた記事です。あくまで参考としてご認識ください。