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 豪華寝台列車「クルーズトレイン」が2017年春、JR東日本と西日本でお目見えする。ブームの火付け役となったJR九州の「ななつ星in九州」は、運行開始から3年目を迎えても抽選倍率が26倍の人気ぶり。ターゲットは裕福な退職者層や外国人客だ。

 「ボトルを持つには両手で」「手はひじから上げて」。100年の歴史がある東京ステーションホテル内にあるバー「オーク」。開店前、JR東が導入する「トランスイート四季島(しきしま)」のクルー(乗員)候補1期生が、カクテルづくりの研修に励んでいた。先生役のバーテンダー大野琢治さん(35)の厳しい指示に、シェーカーを振る手つきは緊張気味だ。

 研修ではバーやレストランのサービスだけではなく、ベッドメイキングも学ぶ。サービス介助士の資格や英中韓国語も身につけ、17年春の運行開始を迎える。日本航空の客室乗務員から転じた宗平礼美(ひろみ)さん(40)は「航空機よりお客様の数が少ない分、サービスの密度は濃くなる。至れり尽くせりをめざす」と話す。

 「全室スイートルーム」をうたう四季島は客室17室で定員34人。最上級の「デラックススイート」は1両に2部屋(定員各2人)だけで、このうちメゾネットタイプは1階にベッド、2階に車窓を楽しめる座敷を備える。50億円を超える車両製造費は、1両あたりでみると最新型新幹線の1・5倍以上となる計算だ。

 JR西の「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」は16室で定員30人程度。最上級の客室は1両に1室だけで、プライベートバルコニーやバスタブを備える。