おれが5年間ため込んだボロボロの標識画像フォルダが火を吹くぜ
ボロボロの標識が美しい。そんなこといったら君はぼくをバカにするだろうか。
都市の中で少しずつすり減り、ゆがみ、曲がってしまう標識。それは海底で時間をかけて育まれるサンゴや、洞窟の中で伸びる鍾乳石と同じくらいの価値がある。つまり時間が形を得たものだ。
ぼくはここ5年ほどボロボロの標識を写真に撮って集めてきた。今日はみなさんにもこの宝石箱をいっしょにのぞいてもらいたい。
読みかけの本の1ページのような標識
端だけきれいに折れている標識。まるで読みかけの本のページに目印をつけているみたいに気軽!
これが金属ということをわすれてしまいそうである。
(埼玉県川口市、西川口税務署の向かいにある公園のところ)
軟体生物のように宙に漂う標識
まるで海にいる軟体生物のようにぐにゃぐにゃの標識。三角の形からイカっぽいなと思った。ボロボロの標識は、生きて動いている。
なお、この標識は1か月後には撤去されて新しいものに変わっていた。体制側に気づかれる前に見つけなくてはいけない。鑑賞する側はつねにレジスタンスの心を持っていてほしい。
クリオネみたいにかわい~~~~
見えないという声が多数と感じられるが、ボロボロじゃない標識にくらべればまだクリオネに近いはずだ。
(東京都板橋区ときわ台駅周辺)
青春のボロボロ面は空を見上げる
(東京都板橋区の環七沿い)
45度はあるぞ
これはそんなにボロボロでもないように見えるけど、
角度にして45度くらいはありそう。油断は禁物である。いや、しててもいいんだけどさ。
(埼玉県和光市のイトーヨーカドーの近く。今行けばまだ見られるはず)
レア物件、ゆがんだ丸い標識
なぜ標識が曲がるのか誰も知らない
なぜ標識は折れ曲がってしまうのだろう。最初ぼくは「大型車が通った時にかすっているのかな」などと考えていた。
しかし違うのだ。これは車道と逆の方向にある角が折れ曲がっている。何が起こっているのかわからない。
(栃木県塩谷郡塩谷町)
曲がった標識を見つけて強くなれる
これは標識を支える柱だけが根本から大きく曲がってしまった例。写真の水平が狂っているように見えるかもしれないけど、ちゃんと水平です。ガードレールとくらべてみると曲がりっぷりがよくわかると思う。
キックのポーズをすると、まるで自分の蹴りの威力で鉄柱を曲げているように見えてお得!
何が何に対して得なのかはよくわからないけど、確実にお得!
(東京都板橋区成増4丁目あたり)
ボロいものは美しい
ここまで読んでくれたみんなはもうわかってくれたと思う。新しいものよりボロい物の方が希少だしおもしろいだろう。そして、いずれは交換されてしまうまでのタイミングに、自分が居合わせることができたという事実に感じ入ってしまう。その出会いの瞬間を残しておけるのは美しいことだ。
週末に世田谷ボロ市が開催されますよ
さて、話はここで大きく変わるのだが、1月15日と16日に「世田谷ボロ市」が開催されるのをみなさんご存じだろうか。ボボロ市は今から430年前、戦国時代のころから続いているフリーマーケットだ。
フリーマーケットといっても、訪れる人の数は20万人以上という大規模なもの。このために東急世田谷線は臨時ダイヤを運行する。ボロ市が行われる500メートルほどの道路には「ボロ市通り」という名称がついているほどだ。
ボロの巨大な集合体が社会を動かしていることに興奮してほしい。じつはボロはぼくが啓蒙するまでもなくすでに市民権を得ているのだ。週末はボロ市にGOだ。なんで最後に流れが急展開になったかというと、当サイトg2g.jpがお出かけ情報メディアだからである。
詳細
イベント名 | 世田谷ボロ市 https://www.tokyo-cci.or.jp/setagaya/boroichi/ |
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開始日 | 2016-01-15(Fri) |
終了日 | 2016-01-16(Sat) |
開始時間 | 午前9時 |
終了時間 | 午後8時 |
住所 | 世田谷区ボロ市通り |
電話番号 | 世田谷ボロ市保存会 電話03-3429-1829 (当日のみ) |
アクセス | 東急世田谷線世田谷・上町駅下車 東急・小田急バス上町停留所下車 |