何度叱っても、病院の待合室で騒いだリ、お友達を叩いたりと、周りに対して迷惑行為をする子どもがいます。そんな子を持つママは肩身の狭い思いをしながら日々、しんどい子育てをしていることと思います。
ですが、その問題行動には必ず“原因”があり、原因に応じた対処法があります。
そこで、今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が“問題行動の多い子どもの原因と育て方”についてお話します。
■「厳しすぎる対応」は事態を悪化させるだけ
子どもに言うことを聞かせようとして厳しくすればするほど、事態は悪化するだけです。
親が大声を出して叱ったり、叩いたりすれば、子どもはまだ弱い存在ですので“叩かれると痛いから”“ママが怖いから”言うことを聞いて従います。
けれども、親が暴力、暴言により子どもをコントロールしている姿を通して、子どもは“相手を自分の思い通りに動かすには親の真似をすればいいんだ”と学習してしまうのです。
そして、ママがいないところで小動物や小さい子どもを苛めたりする行為に走ることもあります。更に思春期を迎え、親の背丈を越したとき、親が子どもに殴られることに発展するリスクもでてきます。
■問題行動が多い子の理由3つ
問題行動の理由は3つあります。
(1)しつけがされてなくて、「やっていいこと」「悪いこと」を分かっていない
「小さいからまだ言ってもわからないだろう」「子どもだから皆さん許してね」などの考えで、子どもが3歳くらいになるまでテーブルの上に乗っても、レストランで走り回っても、まったく注意しない親がいます。
これでは子どもは「自分は子どもだから何でも許される」と学習してしまいます。
ところが、それが悪化し外に連れていけなくなった頃に「もう、3歳なんだから静かにしていなさい」と急にしつけを開始したりします。でも、子どもにとっては3年間で染みついた習慣はそう簡単には改善しないものです。
すると、親は大声を出したり、時には手を出さざるを得なくなってしまうのです。これは、親が最初からしつけをしていなかったことがそもそもの原因ですね。
1歳でも2歳であってもテーブルに乗ったら「降りようね」と即座に下ろしたり、子どもが走り回ったら「病院は具合の悪い人がいるから静かにしようね」と外に言い連れ出すことをしていると、頭の中で“やっていいこと・悪いこと”をちゃんと理解していくようになるのです。
(2)「自分に関心を寄せよう」として周りを困らせている
周りの優秀な友達や兄弟と比較して育てられている子どもは、頑張っていい子にしていても、親があてがう物差しは常に最高の子ども像なため、認められることが少なく無視される状態に置かれます。
すると、子どもは反対の手段に出ることがあります。“頑張っても褒めてもらえないのならば大人が困ることをして自分に関心を寄せよう”と思い、わざと大人の手を煩わせることをします。
下の子が生まれて、赤ちゃん返りする上の子の態度も同じ心理ですね。
こんな時はむしろ悪い行動をしても無視をして、“じっと椅子に座っている”“お友達から奪ったりしないで「貸して」と言えた”などのちょとした成長の瞬間を見逃さずに、褒めてあげましょう。これにより問題行動が消失していくことも多いです。
(3)先天的な脳の機能による“発達障害児”である
注意欠如/多動性障害(AD/HD)などの発達障害があった場合、生まれつきの脳の機能障害ですので一定時間、じっと座っていることが出来ません。
この場合は、病院の待合室で長く座っていることを強要するのではなく5分おきに気分転換で外に連れ出したり、周りが気になって勉強に集中できない場合は、周りのお友達が気にならないようについ立をするなどの支援が必要になります。子どもを変えようとしないで、大人の対応を変えるのです。
いかがでしたか。
叱って改善すれば世のママ達は誰も苦労はしませんよね。問題行動がおさまらないからといって、厳しくしても事態は悪化するだけです。タイプによる使い分けがポイントですよ!
【画像】
※ maxximmm / PIXTA