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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

「リモートチーム」という新しいワークスタイル

「リモートチーム」という新しいワークスタイル

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「リモートワーク」とは、オフィスに通勤しなくても働くことのできるワークスタイル。クラウドソーシングの台頭により、急速に発展したビジネスモデルです。ただしその多くが、フリーランスを対象としたものだったことも事実。

そこで、会社やチームに所属していても好きな場所に住み、通勤しないで働けるようなワークスタイル「リモートチーム」を提唱しているのが、『リモートチームでうまくいく マネジメントの〝常識〟を変える新しいワークスタイル』(倉貫義人著、日本実業出版社)。

リモートチームを取り入れることで、会社に所属することで得られる安定した仕事と、切磋琢磨しつつ助け合える仲間の存在、そして自分の好きな場所で働ける自由の両立を実現することができます。(「はじめに」より)

ソフトウェア開発を行う株式会社ソニックガーデンの代表である著者がそう断言するのは、実際にリモートチームの有効性を実感しているから。東京のオフィスに通勤して働くメンバーがいる一方で、半数近くのメンバーは全国各地で在宅勤務をしているというのです。しかも仕事内容や働き方、契約形態などもオフィス勤務のメンバーと違いはないのだとか。だとすればたしかに、それはこれからの時代にあるべきワークスタイルであるといえそうです。

第1章「リモートチームという古くて新しい働き方」から、基本的な考え方を確認してみましょう。


リモートワークは特別な働き方ではない


いうまでもなく、リモートワークで働く人たち同士のコミュニケーションは、すべてインターネットを使って行うことになります。ノートパソコンがあってインターネットにつなぐことさえできれば、どこにいても仕事はできるわけです。

メールやチャットのみならず、物理的に会わなくても仕事を進められるツールやサービスは多種多様。特別な機器や設備の必要なく、リモートワークを簡単に実現できるわけです。にもかかわらず、もしリモートワークができないというなら、従来の常識にとらわれた考え方や、企業の制度、カルチャーなどが問題なのだと著者は指摘しています。(14ページより)


リモートワークに適したビジネス


とはいえ、リモートワークが、どんな職種でも実現できるものではないのも事実。現場での物理的な作業が必要な仕事、その場にいることに価値がある受付や接客の仕事では不可能だということです。では、どんな職種に向いているかといえば、たとえばライターやイラストレーターなど、頭とコンピューターを使ってする仕事。成果物はデジタルで表現でき、打ち合わせすらインターネット越しで実現できるからです。いいかえればリモートワークにもっとも向いているのは、移動することが本質的な価値を生み出さない職種だということ。

経営学者のピーター・ドラッカーは、知識労働者(ナレッジワーカー)の台頭に注目していたことで知られていますが、いわばナレッジワーカーの仕事は、リモートワークととても相性がよいということ。高度に専門化された知識を持ち、肉体労働ではなく知識や情報によって貢献する彼らは、リモートワークによってもその価値を発揮することができるということです。(16ページより)


社員のリモートワークへ


冒頭部分でも触れたように、これまでの一般的なリモートワークのイメージは、個人で働く人が、場所に縛られることなく、クライアントから発注された仕事ができるというものであったはず。ノマドも一種のリモートワークといえるものの、そこには会社から独立し、フリーランスになって働くという意味合いも多少は込められていたのではないかと著者は分析しています。

たしかにクラウドソーシングの普及は、地方にいるフリーランスでも、実力さえあれば多くの仕事を得られるという状況を生み出しました。そういう意味でも、フリーランスにとって大きな可能性を秘めているのがクラウドソーシングであるといえるでしょう。ただし、その仕事の形態は、外注先としての請負仕事。どういう仕事をしてもらうかを決めるのは、発注側の仕事になるのです。

しかしクラウドソーシングを利用して発注する側の仕事は、これまではリモートワークできるかどうかの観点からは、あまり注目されてこなかったといいます。会社のなかにいて強調しなければならないような仕事は、「同じ場所にいて一緒に働かなければできない仕事」だと考えられていたから。

でも、一緒に相談しながらつくり上げていくような仕事でも、離れた場所でやっていくことは可能で、それが本当のリモートワーク。アウトソースできないような仕事をリモートワークで実現することこそが、これから求められる新しい働き方だということです。(19ページより)


離れていても一緒に働く


著者がいう「リモートチーム」には定義があります。アウトソース先とのリモートワークの関係ではなく、ひとつの会社の仲間として相談しあいながら、価値と成果を一緒につくり出していくチームであるということ。当然のことながら、リモートチームで実現するのは、メンバー各人が離れていたとしても、オフィスで一緒の働くのと同じように仕事をするスタイル。会社で顔を突き合わせ、コミュニケーションをとりながら仕事をするのと変わりのないスタイルだということ。

つまり、オフィスで働くのも離れた場所で働くのも、チームで取り組む仕事の本質は同じ。チームで助け合い、補い合うことにより、個人の足し算で出す以上の成果を生み出すという考え方。だからこそ、信頼関係に基づくチームワークが求められるということです。

なお、リモートワークとチームワークという、相入れない要素に対して取り組んできた結果、著者にはわかったことがあるのだそうです。それは、同じオフィスで働いているからといって、チームワークが自然に醸成されるわけではないということ。チームワークを高めるための特別な努力や工夫が欠かせないというわけです。そこでリモートチームの場合でも、リモートチームに適した手段によって、努力約数を考える必要があるということ。(22ページより)

リモートワークを駆使して住む場所や働く場所に関係なくチームを組んで一緒に働く。その上で、チームワークの本質を変えることなく働けるワークスタイルを実現する。それが私たちの考える「リモートチーム」の姿なのです。(24ページより)


時間の節約による生産性アップ


リモートチームを採用することで得られる効果として、時間の節約による生産性の向上が挙げられるといいます。移動時間や待ち時間など、これまで避けられなかった時間が、リモートワークを採用することでなくなり、その時間を生産的な仕事にまわすことができるようになるということ。

たとえばリモートチームを導入すれば、通勤時間はゼロになります。また、そればかりか満員電車での疲労や電車の遅延、車の渋滞などによるストレスを解消することも可能。それが生産性の向上に繋がることは、想像に難くないでしょう。

また、チームで仕事をするとなると会議やミーティングは必須でしたが、リモートチームでのミーティングは会議不要。各自のパソコンを使って、インターネットを介したオンラインで行われるからです。調整が必要なのは、人の時間だけ。また会議室への移動時間も必要ないため、ミーティングの直前まで他の仕事をすることもできます。

さらには、チームでのリモートワークが当たり前になってくると、出張の概念も変わるといいます。出張に行っても、出先でインターネットにつないで仕事をすれば、普段と同じ条件になるということ。出張だからといって、待ち時間が発生することがないわけです。

そしてリモートワークをはじめると、働く人の意識も変わってくると著者。オフィスに行きさえすれば仕事をしているとみなされる状態ではなくなるため、成果を出さなければ、仕事をしていないのと同じだということ。つまりリモートワークでは、「働いているふり」はできないわけです。しかしそれは成果を意識した働き方をメンバーに促すことになり、チーム全体の生産性を高めることになると著者はいいます。(27ページより)


自分の生活に合わせて働ける


リモートワークは仕事の生産性を高めるだけではなく、通勤や移動をなくして節約できた時間を、家族との時間、あるいは個人的な時間にあてることも可能にします。つまり、自分のライフスタイルに応じた働き方を実現できるわけです。いわば自分で、仕事の「オン」と「オフ」をコントロールできるということ。

そしてリモートチームにおいては、「仕事中」という概念が変わるのだそうです。これまではオフィスにいる間が「オン」で、家にいるときが「オフ」。切り替えは出勤と退勤のタイミングしかありませんでした。しかしリモートワークの場合は、日中の時間でなんどもオンとオフを切り替えることが可能になるのです。

朝から昼まで働き、家族と昼食をとるとしたら、それは家族との時間になります。そして午後からは、また仕事の時間。仕事がたまっていれば、家族と夕食をとってから、また仕事をすることも可能。そのように、生活と仕事が混ざり合った働き方が可能になるわけです。

逆に「もっとバリバリ働きたい」という人のニーズに対しても、リモートワークなら対応が可能。つまり、自分の望むライフスタイルに合わせてワークスタイルを選ぶことができるということです。(30ページより)




本書を読んで実感できるのは、リモートチームで働くということが、時代にフィットした考え方だということ。だからこそ、いま読んでおく価値が本書にはあると思います。


(印南敦史)

  • ,,,, - By 金本太郎LIKE

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