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マイクロソフト「IE」安全対策 最新版のみに1月12日 4時00分
世界中で広く使われているインターネットの閲覧ソフト「インターネット・エクスプローラー」について、開発したマイクロソフトは、最新版以外のセキュリティー対策を12日で終了します。専門家は、サイバー攻撃が巧妙化するなかで、ソフトウエアメーカーの対策には限界があり、利用する個人や企業などの側でのセキュリティー対策がより重要になっていると指摘しています。
最新版以外のセキュリティー対策が12日で終了するのは、マイクロソフトが開発したインターネットの閲覧ソフト「インターネット・エクスプローラー」です。
マイクロソフトは、「インターネット・エクスプローラー」でサイバー攻撃を受けるおそれがあるプログラム上の弱点が見つかった場合、「パッチ」と呼ばれるばんそうこうのような修正プログラムを作り、無料で配布しています。
しかし、先月までの2年間に見つかり「パッチ」を作成した弱点は合わせて527にも上り、そのうちの85%は情報漏れにつながるおそれがある危険性が高いものとなっています。
このため、マイクロソフトは、これまでの態勢で安全対策を続けるのは難しくなったとして、「パッチ」の作成を最新版だけに絞り、古いバージョンの安全対策は12日で終了することになりました。
日本マイクロソフトの三上智子業務執行役員は、「できるかぎりの対策を行ってきたが、いたちごっこが続いていて、断腸の思いで対策を絞ることにした。利用者の皆さんには、常に最新版に更新してもらうことで、安全を確保してもらいたい」と話しています。
情報セキュリティーに詳しい、「情報処理推進機構」の篠原崇宏さんは、「サイバー攻撃が巧妙化するなかで、ソフトウエアメーカーの対策には限界があり、利用する個人や企業などの側でのセキュリティー対策がより重要になっている」と指摘しています。
マイクロソフトは、「インターネット・エクスプローラー」でサイバー攻撃を受けるおそれがあるプログラム上の弱点が見つかった場合、「パッチ」と呼ばれるばんそうこうのような修正プログラムを作り、無料で配布しています。
しかし、先月までの2年間に見つかり「パッチ」を作成した弱点は合わせて527にも上り、そのうちの85%は情報漏れにつながるおそれがある危険性が高いものとなっています。
このため、マイクロソフトは、これまでの態勢で安全対策を続けるのは難しくなったとして、「パッチ」の作成を最新版だけに絞り、古いバージョンの安全対策は12日で終了することになりました。
日本マイクロソフトの三上智子業務執行役員は、「できるかぎりの対策を行ってきたが、いたちごっこが続いていて、断腸の思いで対策を絞ることにした。利用者の皆さんには、常に最新版に更新してもらうことで、安全を確保してもらいたい」と話しています。
情報セキュリティーに詳しい、「情報処理推進機構」の篠原崇宏さんは、「サイバー攻撃が巧妙化するなかで、ソフトウエアメーカーの対策には限界があり、利用する個人や企業などの側でのセキュリティー対策がより重要になっている」と指摘しています。
対策で新たな負担
「インターネット・エクスプローラー」のセキュリティー対策が、最新版以外、終了することを受けて、古いバージョンで独自のシステムを作っている企業や自治体では、システムの更新に追われるなど、セキュリティー対策の負担が増しています。
このうち神奈川県の藤沢市役所では、およそ2000台のパソコンに、今回、安全対策が終了する古いバージョンの「インターネット・エクスプローラー8」が入っています。しかし、予算の管理や職員の勤務管理などを行う藤沢市独自のシステムは「8」で動くように作られているため、最新版の「11」に入れ替えると、画面が先に進まなかったり画面の表示がずれたりするなど、システムに障害が起きることが課題になっていました。
このため藤沢市では、およそ1年前からシステムを更新する作業を始め、業務に支障がある問題はソフトを修正したうえで正しく動くか検証するとともに、業務に支障のない表示のずれなどはそのまま使うことにして、今月までに対策を終えました。
藤沢市IT推進課の大高利夫課長は、「市独自のシステムなので、最新版に更新すると、どこにどんな影響が出るのか、誰かが教えてくれるわけでもなく、検証作業はとにかく大変でした。これまで私たち自治体にとって、システムの更新は新たな機能を加えたいときに行うものでしたが、これからの時代は、セキュリティー対策のために求められることになり、きちんと対応していくことの難しさを実感しました」と話しています。
マイクロソフトによりますと、全国の企業や自治体では、藤沢市と同じように、「インターネット・エクスプローラー」を使って独自のシステムを作っているところが多く、およそ30%は古いバージョンを使い続けているとみられ、対策が十分ではない可能性があるということです。
このうち神奈川県の藤沢市役所では、およそ2000台のパソコンに、今回、安全対策が終了する古いバージョンの「インターネット・エクスプローラー8」が入っています。しかし、予算の管理や職員の勤務管理などを行う藤沢市独自のシステムは「8」で動くように作られているため、最新版の「11」に入れ替えると、画面が先に進まなかったり画面の表示がずれたりするなど、システムに障害が起きることが課題になっていました。
このため藤沢市では、およそ1年前からシステムを更新する作業を始め、業務に支障がある問題はソフトを修正したうえで正しく動くか検証するとともに、業務に支障のない表示のずれなどはそのまま使うことにして、今月までに対策を終えました。
藤沢市IT推進課の大高利夫課長は、「市独自のシステムなので、最新版に更新すると、どこにどんな影響が出るのか、誰かが教えてくれるわけでもなく、検証作業はとにかく大変でした。これまで私たち自治体にとって、システムの更新は新たな機能を加えたいときに行うものでしたが、これからの時代は、セキュリティー対策のために求められることになり、きちんと対応していくことの難しさを実感しました」と話しています。
マイクロソフトによりますと、全国の企業や自治体では、藤沢市と同じように、「インターネット・エクスプローラー」を使って独自のシステムを作っているところが多く、およそ30%は古いバージョンを使い続けているとみられ、対策が十分ではない可能性があるということです。