米ＣＮＮテレビ（電子版）は１１日、昨年１０月に北朝鮮でスパイ容疑で拘束された韓国出身の米国人とされる男性とのインタビューを平壌で行ったと報じた。この男性の拘束が明らかになったのは初めてで、インタビューは北朝鮮側が設定したという。

　北朝鮮の核実験に対する国際社会の非難が高まる中、北朝鮮側には男性の身柄を交渉材料にして米国に揺さぶりをかけようとの思惑があるとみられる。

　インタビューでの説明や北朝鮮側が提示した男性の旅券などによると、男性は北朝鮮国境に近い中国吉林省延吉市在住のキム・ドンチョル氏（６２）。北朝鮮北東部の経済特区、羅先で貿易などの会社を経営し、中朝間を行き来していた。「韓国の保守勢力」の依頼を受け、２０１３年から北朝鮮の体制転覆を目的に軍事機密などの情報を現地住民を通じて収集していたとしている。（共同）