2016-01-12

ごく小さな会社をつぶした話

http://anond.hatelabo.jp/20160111151845

ブクマ見たらあまりにも他人事ばかりでかわいそうなので書く。

 

大なり小なり会社をやっていれば、資金繰りに困ることはある。

そして、ほとんどの会社は、いずれつぶれる

本当かどうか知らんが、5年で半分の会社が、10年で9割の会社がつぶれるという。

そして、私は12年目で会社をつぶした。

 

ごく小さな社員5人の会社だが、多いときは売り上げ5千万程度。

しかし、業界全体に縮小し始め売り上げは縮小、4千万程度になった9年目くらいから資金繰りに困り始める。

面白いもので、9年会社をやっていると信用があり、借金はできる。

というか、信用金庫なんかは向こうから借りてほしいとお願いしてくる。

そこでいったん持ち直したが、11年目には得意先が倒産し、売り上げ3千万まで減少。

自転車をこぎ出し、精神的に一切余裕がなくなる。

電話の半分くらいは借金売掛金の取り立ててで、電話が鳴ること自体が恐怖になる。

しかし、電話に出なければ仕事にならない。

そして、食欲も性欲も、好きだったことをやる気力も一切なくなる。

 

14年目には包丁を前にして、5時間死ぬか悩んだ。

しかしまあ、今死ぬとあまりにも多くの人に迷惑をかけるなと、そこでようやく会社をつぶす決断ができた。

 

社員に素直に話し頭を下げ、未払賃金立替払制度について説明した。

これで給料の8割は保証される。

得意先には安心できる別会社を紹介した。

買掛金保証されないので、弁護士相談するまでになんとか払い終えた。

(ここは若干違法性を問われるところではある)

 

金融機関以外には迷惑がかからない体制を作って、弁護士相談した。

弁護費用東京なら大体60万、そして少額管財で裁判所20万。

そこは借金を返さなければすぐにできるはずだ。

当時、返済額は月に80万。

売り上げは月に250万くらいで、金を返さないとこんなに楽なのかと、びっくりしたのを覚えている。

 

その後、いろいろあったけど、そこはまあいいや。

結果的に失ったのはクレジットカードと当時つきあっていた彼女くらいなもので、いまはのんびり暮らせている。

なんか申し訳なくて彼女は作れないけど、そこはまあしょうがない。

 

たぶん、頭の中には死ぬことばかりだと思う。

でも、最悪会社つぶしちゃってもなんとかなるから、全体に死んじゃだめだよ。

死なずに逃げることを考えて。それがいいたくて、妻なる文章を書いてみました。

 

あと、ひとつ、どうでもいいことを。

クレジットカード会社をつぶす決断をするまで使える。

接待して資金提供のお願いをしたといえば、最後に豪遊できるよ。

そして、それがだめなのであきらめて弁護士に頼ったというシナリオ作ればいいので。

はいえ5万くらいしか使えなくて、ずいぶん小さな人間なんだなと思ったことを、ぼんやり思い出した。

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20160112012728
  • せいしんがおかしくなってきた

    ヤバイ 何がヤバイって、毎月毎月資金繰りで身を削っていると、頭の中が金のことと支払いまで後何日という秒読みと、倒産したらどうやって夜逃げしようかとか、そんなことばかりに...

    • ごく小さな会社をつぶした話

      http://anond.hatelabo.jp/20160111151845 ブクマ見たらあまりにも他人事ばかりでかわいそうなので書く。   大なり小なり会社をやっていれば、資金繰りに困ることはある。 そして、ほとんどの会...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160111151845

      お兄さん、ここに白い粉がありますよ。 この粉を鼻から吸い込むと、集中力が増して、すべてが上手く回るようになりますよ。 フフフ(=^・^=)

    • http://anond.hatelabo.jp/20160111151845

      時間あるなら、瞑想がオススメ。2時間くらい続けると、チカラが抜けてダルマになれる!

    • http://anond.hatelabo.jp/20160111151845

      分かる。ただ、社員の身で。 ただ、じゃぁ資金繰りで駆けずり回って隙がないのかといえばそうではなく、暇は結構ある。 その暇を利用して、営業の一つでも行けばいいんだけど、...

記事への反応(ブックマークコメント)