韓国の経済危機は日本にも悪影響
韓国はサムスン電子など競争力の強い企業がありますが、こうした一部の巨大企業に経済が大きく依存しているというリスクがあります。韓国経済は日本のように資金需要を国内の資本で賄うことはできず多くを外国からの借金に頼っています。韓国の大手企業の業績が好調なうちは日韓通貨スワップが存在しなくても何の問題ありませんが、一旦韓国経済が傾いてくると、通貨スワップの存在は極めて重要になります。
韓国経済が危機を起こすと日本経済にも大きな影響があります。例えば、多くの日本メーカーは韓国のメーカーの部品を輸入したり、製造を委託しています。これらの韓国メーカーが銀行からの支援を受けられなくなると、予定通り納品できない、あるいは最悪倒産することも考えられます。
もしメンツといった政治的な面で協定延長が実現できていないのだとすると、韓国にとってはもちろん、日本にとってもデメリットの方が大きいでしょう。
(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)
1993年日経BP社に記者として入社。1997年野村系投資ファンド運用会社の日本合同ファイナンス(現ジャフコ)入社。投資調査部、第二投資グループを経て2000年に株式会社ストック・リサーチ設立。2012年に本誌創刊、編集長に就任。主な著書に「ネット企業の評価軸」(NTT出版)、「ITビジネス超進化論」(東洋経済新報社)などがある。
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