欺瞞弾とは、スクリュー音を手がかりに向かってくる敵の魚雷を回避するため、似た音を発生させる囮魚雷のこと。韓国海軍では基本的に徴兵された“未熟な兵”を配置することはなく、ほぼ全員が職業軍人。それでいてこの不祥事は、軍全体のレベルを危ぐさせるとして問題となった。
救命胴衣が不良品
また最新鋭のイージス艦では、2010年から13年にかけ、艦の水中の目となる音波探知機のカバーが計3回、相次いで破損したことも判明した。韓国では複数の造船所がイージス艦を建造しているが、韓国紙の世界日報(電子版)によると壊れたのは全て現代重工業製の艦だった。カバーは艦首の水面下部分にあり、大型の魚や浮遊物とぶつかった程度で破損したなら強度不足の可能性があり、韓国内では「手抜き製造ではないか」との疑惑が持ち上がっている。
別のイージス艦では、配備されている救命胴衣128着のうち94%にあたる103着が浮力検査で不合格になっていたことが判明した。軍では1年間の品質保証を義務づけているが、発覚は納入から1年を過ぎており、納入業者は交換を拒否するという不良品の売り逃げも発生した。
消えていくマネーと不正による浪費のダブルパンチで、膨大な軍事費を掲げても実質的な戦力アップにはつながらず、予算増額も焼け石に水のようだ。