韓国、軍事費増額も「焼け石に水」 徴兵費用と“不正”で消えるマネー (2/6ページ)

2016.1.11 17:03

韓国が計画中の次期主力戦闘機KFXのイメージ図(韓国国防省HPより)。2016年の開発費は「研究費」程度に抑えられた。

韓国が計画中の次期主力戦闘機KFXのイメージ図(韓国国防省HPより)。2016年の開発費は「研究費」程度に抑えられた。【拡大】

  • イージス艦を先頭に進む韓国海軍艦艇。欺瞞弾(デコイ)の不良など欠陥が次々と判明している(AP)
  • 北朝鮮との国境地帯で警備訓練を行う韓国軍兵士ら。こうした兵士に対する福利厚生の欠如も韓国内では問題となっている(AP)

 現在は約44万人が訓練や国境警備の補助に従事しており、その人件費は膨大だ。軍事費の約3割は人件費(職業軍人含む)で、韓国軍と韓国経済にとって最大の問題はこの徴兵制なのだ。

 水筒を磨く

 首都のソウル市内でさえ約9000人のホームレスがいるとされる韓国で、徴兵された兵隊にまともな宿舎が完備されているわけもなく、韓国紙「ヘラルド経済」(電子版)などによると、軍施設への上水道普及率は50%未満、くみ取り式便所は1400カ所に及ぶという。

 そんな2等兵たちの給料は1カ月約13万ウォン(1万3千円)、除隊間際に兵長となって約17万ウォン(1万7千円)。日給ではなく、月給だ。韓国の物価は近年、日本と大差ない。衣食住が無料とはいえ、衣類は迷彩服2着に、すぐ底のはがれる軍靴などごくわずかで、新兵がまず手をつける仕事は水筒磨きだという。幾多の先輩兵が使い、白サビの出たアルミ製の水筒を支給された新兵は、そのサビを歯ブラシで磨き落とすのだ。毛布は30~40年使い続ける年代物。食にいたっては夜食のインスタントラーメン(自費)が唯一の楽しみという水準だ。

国境警備の任務につくと、さらに悲惨だ

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