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『ジャンプ流!』vol.1「まるごと鳥山明」が超面白かった件
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2016年01月12日
『ジャンプ流!』vol01、「まるごと鳥山明」が超スゴイ!
私はおっさんになってもジャンプ大好きっ子です。今でもジャンプといえば『ドラゴンボール』であり鳥山明先生なのです。もうね、現在でもドラゴンボールはバイブルで墓まで持っていきたい漫画なんです。そんな鳥山明先生がまるごととか最高かよ!
『ジャンプ流!』は、伝説のジャンプ作家の秘密を大公開と銘打たれたDVD付きのマンガ講座である。まあ、私は漫画も絵も描きませんし読む専用ですけど、漫画を描くだけでなく読む上でも「へぇ~」って唸るような講座が収録されていますので、漫画家を目指したり描かない人でも十分に楽しめるのではないか、と。何より『ドラゴンボール』で育った世代には鳥山明先生の色々な語りがたまりません。
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DVDには「体感!カラー作画」「伝心!デビュー秘話」「悟空サインのできるまで」「実技!マンガテクニック」が収録。
「体感!カラー作画」は、鳥山明世界展(1995年愛知県名古屋市民ギャラリー)に公開された作画映像を見ながらカラーイラストの作画ポイントを解説。DB三代目担当・武田冬門氏(魔人ブウのモデル)がインタビュアー。映像でどんどん孫悟空が描かれる様は感動的ですらあります。
驚いたのはめちゃくそ描くの早いっすな。当時は『ドラゴンボール』終了したばかりでほぼ週刊連載現役とはいえ、カラーをものの10分ちょいで喋りながら描き上げる様子はスゲェ…と感嘆です。超上手いし。今はデジタルで作画されてますけど、当時のアナログ描きは職人芸ですらある。また鳥山明先生の謙遜っぷりは人の良さが滲み出て、ますます大好きになりました。
「伝心!デビュー秘話」
「伝心!デビュー秘話」では、鳥山明先生がどのようにして漫画家になったかデビュー直前や色んなエピソード満載のインタビュー。
子供の頃、『101匹のわんちゃん』のデッサンに衝撃を受けて真似て描いた事、広告代理店の社会人時代で学んだ「締切厳守」だけは今でも絶対に厳守している事、お金が無くて賞金目当てでジャンプに投稿した事、アシスタントを使うことを知らず親父と妹に手伝って貰ってた…等々、知ってる事も知らなかった事も楽しめました。
当時、新人編集・鳥嶋和彦氏(マシリト、ピッコロ大魔王のモデル)との二人三脚での歩みで、ボツを山のように出されて乗り越えて段々と漫画らしくなっていく感じが面白くもありしんどかったと語るのは、鳥山明先生でもそんな頃があったのかと驚きましたね(当たり前です)。
また鳥山明先生は小学校4年生ぐらいまでしか漫画をよく読まなかったし、漫画を描く上で他の漫画作品を参考にした事も無く、代わりに映画ばっか見て構図や視点の動きに影響させたというのは妙に納得しましたね。『ドラゴンボール』の構図は本当に映画チックというかアングルが流れる様に読めましたし。
他にも社会人時代でチラシをやってたおかげでタンスや靴下やなどの「モノの形」が分かったのは漫画を描く上で役だったそうです。鳥山作品は小道具まで味わい深いのはそういうわけですか。色んな事に興味を持ち、多くの知識を得るというのは漫画を描く上だけでなく、生活する上でも大事だと思いますしね。まあ、しかし、週刊連載は「しんどかった」と本当に嫌だったんだなって苦笑してしまう。
一番笑ったのはジャンプの「努力、友情、勝利」を完全無視してたという事でしょうか。むしろそんなのわざわざ言うなと反対だったとか。「ダサいななんて思ってましたね」とジャンプのテーマをバッサリ切り捨て御免。
悟空に友情ないですよ
孫悟空には友情がなかった。ただ強いやつと戦いたいしかなかったそうな。友情を感じるのは、たまたま友情になってしまっている感じなんだとか。クリリンの爆死でスーパーサイヤ人になったのは友情だと思うんだけどなー。たまたま友情っぽくなってしまう…流石です!
鳥山明先生自身で『ドラゴンボール』で一番好きなキャラはピッコロというのは有名ですけど、鳥山作品で一番好きな漫画作品が『COWA!』というのは驚きましたね。すべての作品の中で1番大好きなんだとか。
COWA! 【kindle】COWA! オバケと人間が一緒に暮らすこうもり岬で、オバケだけがかかる“オバケ風邪”が流行。その薬を手に入れるため、吸血鬼のパイフー、オバケのホセとアーポン、人間の丸山さんの4人が旅に出た!! |
他にも見応えというか聴き応えあるエピソード多数。
鳥山明先生は漫画界の頂点を極めたと思うんですけど、本当に腰が低いというか自分を下に見るとうか謙遜しているといか。人が良すぎですね。面白い人だなー。
冊子の「秘伝ガイド」もDVDを補完する上でも鳥山ワールドを堪能する上でも楽しめました。鳥嶋和彦氏のコメント「初代担当に聞く!」はへぇって唸る。『ドラゴンボール』といえば行き当たりばったりじゃないですか。「来週どうなるか、作者本人にもわかりません。だから毎週どうなるかドキドキしてかいてます。(87年48号巻末コメント)」ですからね!それが「あえて」だったようです。
週刊連載って、読者の声を聴きながら、予想を裏切らなきゃいけない。先生はその裏切り方が抜群。細かなところまで詰めな方がいい結果が出ましたね。『ドラゴンボール』の頃が特にそうで、読者の反響を見ながら展開を考えてました。
なるほどなー。
『ドラゴンボール』は、読者の反響を見ながら展開を考えていたのか。
毎週毎週どーなるんだっていうドキドキワクワクを味わえて夢中になれたのは、読者の反響も見ていたのか。いい意味で裏切りがあり、期待通りの展開にもなったものです。
うむ。すごく良かった。鳥山明ワールドを堪能できました。
改めて『ドラゴンボール』直撃世代で幸せだなって。
『ジャンプ流!』はvol2が岸本斉史先生、vol3が尾田栄一郎先生、vol4が久保帯人先生、vol5が藤巻忠俊先生、vol6が松井優征先生、vol7が堀越耕平先生、vol8が高橋和希先生…と続くので楽しみです。ジャンプ好きにはたまらんね。
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