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「富士日興上人詳伝」から 54

 投稿者:メモリ  投稿日:2012年10月11日(木)23時36分17秒
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※本投稿は私の感想です。特に書籍からそのまま引用した部分は本文からとして分けてあり、その他の短い引用句は「」をつけて区別してあります。それ以外の文章は、私個人の感想を含みます。

日仙上人、日満上人等々、それから所属不明分と続いたあと、最後に退転した弟子分で本章は終わる。退転した僧として挙げられているのは、日持、日位、日敬、日弁、日法、日伝、日永、筑前坊であるが、その中の一人に日法がいる。

日法は日興上人の御本尊の弟子分与帳に「武蔵の国の住泉出房は越後房の弟子なり、仍て日興之を与え申す。越後房逆罪同時に背き了んぬ」と記されてあり、この住泉出房が日法のことで、師匠の越後房と共に日興上人に反逆した。本書ではこの師敵背反の僧として最初の数行に日弁とともに日法の名前が挙げられている。ついに改心することはなかったと。

本文から
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師敵背反の僧分

興師の宗義をたもつことすこぶる謹厳で信行学の規範に逸する者は愛弟たりとも寛容する所なく破門の極刑を加えられた。
ゆえに日弁日法の有為の徒を一時赦罪したるもついに長く許すことはなかった。(P699)

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ところでこの日法は彫刻等の技能に秀でた技術を持っており、当時の御影などの重要な彫刻は全て日法によるようだ。
かっての日蓮正宗では、一説によると、大御本尊を彫刻したのもこの日法であると言われてきた。
一説というのは大御本尊の成立に関する唯一とも言える文献、富士大石寺明細誌のことで、そこにこう記述されている。
蓮祖満悦し本門戒壇の大御本尊を書して日法に命じ之を彫褐尅せしむ」(富要5-320)なのだと。
であるなら、よく考えてみると、大御本尊は退転・反逆した僧侶が彫刻したものということになってしまう。

この富士明細誌の内容が確かであるかどうかが問題なのではない。大御本尊が、一説によると日法によるものだということは、過去、学会の中でも普通に言われてきたことである。いつも同じことを述べるが、だからと言って大御本尊を彫刻した僧侶が師敵対していると知りつつ、それについて嫌悪感を持ったり、あるいは悩んだ学会員が果たして何人かでもいただろうか。おそらく誰にも気にも留めなかっただろう。なぜなら大聖人が功徳の源泉であって、そういうものだと実感しているので、誰の手によるものかなどまったく他愛も論理だったのだ。いや、そのような論理さえも十分に当時の実情を説明しているとは言えないかもしれない。自分たちが何をやっているか目の前の現実を見て深い自覚があり、知っていたから、些細な解釈に拘泥しなかったのだ。答えを知っている者に、説明文がどうであろうと問題は無い。
またそれは日興上人と同じである。日法が反逆した後も、日法の製作である御影像を捨てるようなことはなかったのだ。
嫌悪感や差別感は重要な感情ではあるが、退転者を一個の人間と見ずに見下すことは、信仰とは特に関係の無い感情である。

このような論理や自覚が法華講員にはあるのだろうか。
学会では、御本尊の開眼は、結局、自分たちの信心で行うものと戸田第二代会長が説いたが、昨今の法華講員は事情が違う。
もし御本尊の功徳には、書写した人物の信仰心や内証云々が関係するのだとすると、大御本尊はいったいどうなるのだろう。
たとえ退転者の日法が彫刻していても、大聖人がそれを認めたのだからよいのだという論理が、以下に細々と見えることか。大聖人が認めた、あるいは大聖人の御内証や、あるいは魂が云々とかもし想像で思ってみても、物理的には大聖人は大御本尊には息を吹きかけた程度の関わりしかなく、厳然と、退転者の日法がこれを製作したことを思いださざるを得ないだろう。
しかしそれでもその論理にすがりつくしなく、人々に地涌の菩薩の自覚を認めないなら、今後も歴史の史実が分かるたびに汲々とするしかないだろう。それでも日法は退転して反逆した人物で、その手に依る御影が祀られており、大御本尊を拝するたびに退転した人物の作成したものだったとの意義を噛みしめるしかないのだ。
 

 
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