かれの音楽、舞台、映画、その他もろもろの表現活動は、誰か他の方が詳細に語ってくれるだろう。
ぼくは70年代後半、デヴィッド・ボウイに出くわしたが、それとほぼ同時期に、少女マンガにも遭遇した。とりわけ大島弓子は、ぼくのその後の人生に、決定的な影響をもたらした。そしてかの女の作品群には、デヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』が、くり返し引用されている。
そのことを記しておくのは、意味があることだと考え、ぼくは大急ぎで帰宅し、書棚の奥にある大島弓子の単行本をひっぱり出し、以下の三葉を撮影した。
説明は割愛する。絵を見て、思いだしてほしい。
⑴『ミモザ館でつかまえて』1973年
⑵『いちご物語』1975年
バラを摘む日向温が歌う「スターマン」(かなり意訳)。
⑶『バナナブレッドのプディング』1977年
新潟健一教授が御茶屋峠に放ったセリフは、「ロックンロールの自殺者」の冒頭である。
他にもデヴィッド・ボウイの影は、『ほうせんか・ぱん』の500円ポスターから飼い猫「サバ」の風貌にいたるまで、各作品に散見するが(『ヒー・ヒズ・ヒム』にマーク・ボランを、『バナナブレッド……』の奥上大地にルー・リードを発見するのも難しくはないだろう)、追悼の夜だ、これだけにしておこう。
註:いっとう上の一コマは、『海にいるのは…』(1974年)のオーガスティン。
(iPhoneより投稿)