平昌五輪:「祭り」の後、アテネは廃墟に

五輪はわずか2週間、終了後の計画なければ年100億ウォンの赤字

■江陵を「氷上スポーツのメッカ」に

 文化体育観光部(省に相当)が構想している五輪後の競技場活用計画の骨子は、江陵スピードスケート競技場とホッケーセンターを利用して江陵を冬季スポーツの中心地にする、というものだ。今月中旬に結成されるスポーツトト氷上団(スケートチーム)が江陵を本拠地にすることを決めたのも、この計画の一環だ。女子スピードスケート500メートルで五輪2大会連続優勝を成し遂げた李相花(イ・サンファ)、ソチ冬季五輪の女子ショートトラックで2冠を達成した朴勝羲(パク・スンヒ)らがチームの主軸となる。

 しかし「スケートのメッカ・江陵」を実現するためには、現在韓国で唯一の国際スピードスケート競技場である泰陵リンクの問題をまず解決しなければならない。朝鮮王陵の復元を進める文化財庁は、泰陵選手村と周辺スポーツ施設を段階的に撤去しようとしている。スケート界は「江陵にスピードスケート競技場ができることは歓迎するが、既存の泰陵スケートリンクも維持すべき」と反発している。キム・グァンギュ大韓スケート連盟競技理事は「スピードスケートの登録選手約380人のうち6割はソウルまたは京畿道の学校か実業団チームに所属している」として「首都圏の学生選手らが江陵でトレーニングするのは難しい。今後、選手を目指す子どもたちが首都圏地域からいなくなってしまうかもしれない」と懸念を示した。スケート界は、泰陵スケートリンクがなくなるにしても、首都圏には最低でも国際規格(400メートルトラック)を満たす練習リンクが絶対に必要との立場だ。

 文化体育観光部を中心とした専門家グループは、冬季スポーツの大会や各種イベントを誘致するのも「ポスト五輪」の需要創出の一案だとみている。平昌五輪組織委員会委員長の補佐役を務めるユン・ガンロ国際スポーツ外交研究院長は「国際オリンピック委員会(IOC)が支援するシンポジウムなど国際的なイベントを誘致すれば、江陵の格が上がるだろう」と語った。観光、ショッピング、エンターテインメント、スポーツリハビリ教育施設などが互いに連携すべきという意見も出ている。

 スケート以外にプロバスケットボールなど他種目のチームを江陵に誘致するというアイデアも出された。モデルケースとなるのは米国ロサンゼルスのステイプルズ・センターだ。同センターの競技場は可変式に設計されており、冬季にはプロバスケットボール(レイカーズ、クリッパーズ)とアイスホッケー(キングス)が交代で使用するほか、コンサートなどの文化イベントも誘致している。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者
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