野球と縁深い明治の俳人、かの正岡子規は、本当にサウスポーだったのか。たとえば第5章のそんなテーマは、学術書よりも読み物にふさわしい。
ただし、史料の収集、吟味と解読には、アカデミズムの流儀の精確(せいかく)も求められる。
専門は「スポーツ科学」である著者が、ひとまず科学を離れて、自身の好奇心のまま、ジャーナリストのような態度で事実に接近、なお研究者らしく出典の明らかなデータにあたり検証する。本書の魅力は、そうした態度によって担保されている。
報道が学術の慎重を抱いて、学術が報道の軽快を手にするとしばしば良書となる。その好例の一冊。子規の残した「勝負附(スコア表)」の解明など豊富な図版も楽しい。
★★★★
(スポーツライター 藤島大)
[日本経済新聞夕刊2016年1月7日付]
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
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