読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

隣のマキちゃん

自由奔放なマキちゃんと彼女に翻弄される悟くんの日常コメディー

第13話『伯方の塩DRY(ドライ)』

本編

の名は真喜(まき)。今日だけは、しがないOLだ。なぜなら、の部屋に「さしすせそ」の「し」がないから。「し」とは、「詩」でも、「師」でもない。もちろん、「死」なわけがない。不死身か!は不死身か!の言う「さしすせそ」とは料理の「さしすせそ」だ。料理で調味料を入れる時、砂糖、塩、酢、醤油、味噌の順番で入れるというアレだ。

 

はあまり料理をしないので、調味料をストックしていなかった。

 

この前、悟(さとる)が漬物好きと分かった。ここは家庭的な一面をアピールしようと思い、生まれて始めて漬物を作ることにしたのだ。夜中の10時に…。冷蔵庫に残っていた適当な野菜で…。ビール片手に…。


漬物を作るのに大量の塩が必要だと思い、残っていた塩を全部使ってしまった。大きめのタッパにぶちこんで、小さいタッパの蓋を乗せ、最近使っていないダイエット用に買ったけど使っていなかった封印されし鉄アレイに袋を被せ重しがわりにして。


結局、あのときのアレは、燃えるゴミになってしまった。野菜さん。ゴミんなさい。いや、ごめんなさい。反省しています。今度からは塩の量を考えます。しょっぱい思い出として、マキちゃんヒストリーに刻んでおきます。『マキちゃん、生まれて初めて漬物をつける。あまりにおいしくできたため、すぐになくなってしまう。おわり。』と刻んでおこう。今となってはいい思い出です!

 

その漬物もどきを仕込んだ次の日の仕事帰りに、塩をスーパーで買う予定だったのだが、珍しいお酒に心を奪われ、買い忘れてしまった。いや~、もう、絶対アレのせい。だって、『黙って飲め!俺のふんどし!(お酒)』っていう名前のカクテルなんだよ?何これ!めっちゃ気になる!絶対、買う!ってなるじゃん?後で調べたら、『黙って飲めシリーズ』という変な味のカクテルらしいんだけど、他にも『黙って飲め!俺のミルクセーキ!(お酒)』、『黙って飲め!俺のキノコ汁!(お酒)』があるらしんだけど、そのスーパーには売っていなかったんだよね。売っていたら、絶対買っていたね。何だ、この大人の女心をくすぐるネーミングは!百戦錬磨の女しか手を出せないようなネーミング!こんなの買う奴はいるのか?は買ったけどな!てへぺろ(・ω<)

 

それにしても、なんではスーパーに入ると真っ先にお酒コーナーに行ってしまうのか?全くもって不思議だ。たぶん世界七不思議の一つだと思う。

 

そして、今、もう一つの七不思議が生まれつつある。いや、もう生まれている。朝、目が覚めたら、の部屋の食卓に大量のゆで卵があるのだ!その量、少なく見ても30個。それも、全て、皮が剥かれている!なんじゃこりゃあ~!誰の仕業だ!と思いながら、とりあえず、牛乳をコップに注いで、パンをトースターで焼きマヌカハニーを塗り、レタスだけのサラダを食卓に並べた。なぜだか大量にあるゆで卵を手に取り塩をかけて食べようとしたら、塩がないことに気づいたというわけだ。

 

ああ、もう、なんだ?の部屋には塩がないのに、なんでこんなに大量のゆで卵がある?普通、逆だろ?塩はあってもゆで卵はないだろ?

 

そういえば、昨日の記憶もない。やべぇなぁ…。、昨日、なにやったんだ?

 

とりあえず、塩が必要だったので、にメールを送ることにした。今日は日曜だし、もまだ寝ているだろう。電話するのもあれなんで、とりあえずメールにしておこう。マキちゃん、気が利いている!

 

、助けて。マキちゃん、困ったことになっちゃった。』

 

よし、メールはこれでいいと。起きたら、すぐに来てくれるだろう。その時、塩を借りて、この大量のゆで卵についても相談しよう。とりあえず、ゆで卵は戻して、トーストを食べよう。

 

ピーンポーン!

 

の部屋のチャイムがなった。

 

誰だ?こんな朝早くに。まだ、朝7時だぞ?スーパーヒーロータイムの時間すら来ていないぞ?こんな朝早くにチャイムを鳴らすとは、がまだ寝ていたら相当迷惑だぞ?

 

マキちゃん「ハイハイ、今出ますよ~。」

 

ドアを開けると血相を変えたが立っていた。

 

マキちゃん、大丈夫?何があったの。落ち着いて説明して!」

 

いやいや、落ち着くのはの方だから。

 

マキちゃん「どうしたの?そんなに慌てて?」

 悟マキちゃんから、こんなメールが来たから…」

 

、助けて。マキちゃん、困ったことになっちゃった。』

 

ああ、さっきのね。確かに送ったわ。寝ぼけながらメールしたから、忘れていた。

 

マキちゃん「ああ、それね。とりあえず、、食卓塩でいいんで、塩持ってきて。」

「塩?塩でいいんだね?分かった、すぐ持ってくる!」

 

ガチャン。ドタドタ!隣の部屋から走っている音が聞こえる。朝から下の階の人に迷惑だな。困ったもんだ。たかが塩を取りに行くのに、なんでそんなに慌てるのかね?

 

マキちゃん、塩持ってきたよ!」 

伯方の塩 DRY

 

マキちゃん「何これ?」

「だから、塩。」

マキちゃん「これが?」

「うん、伯方の塩、知っているでしょ?あれの食卓塩版なの。」

マキちゃん「へぇ~。初めて見た。の部屋にこんなのあったけ?」

「台所に置いてあったでしょ?」

マキちゃん「そうだっけ?あっ!思い出した。あった。あった。今まで重曹かなんかだと思っていたわ。」

「そんなのどうでもいいよ!それより何があったの?困ったことって?この塩、何に使うの?」

マキちゃん「ゆで卵にかける。」

ゆでたまご?」

マキちゃん「うん、ゆで卵。」

キン肉マンの?」

 

マキちゃん「ぷっ、はははっ!ひひひっ!ウケる!やばい、お腹苦しい!ははは!何で?何で、キン肉マンの作者に塩かける?意味分かんない!」

 

やばい、おもしろすぎて腹が痛い。朝から、、超面白い!

 

「何、笑ってんの?意味分からんないよ!ちゃんと説明してよ!」

 

マキちゃん「だから、ゆで…、はははっ、ひひひっ、ダメ、お腹苦しい!笑い死にする!不死身のマキちゃんも死んじゃう!」

「もう、だから、何がおかしいの?」

 

日曜の朝から玄関で笑い転げると心配してオロオロする。今日も平和だ。LOVE&PEACEだね!

 

伯方の塩 DRY

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(ラブコメ)へ
にほんブログ村 

  

 

「いやいや、何、勝手に終わろうとしているの?」

マキちゃん「尺の都合で。」

「尺って何?何のこと?」

マキちゃん「次回、ゆで卵事件・解答編!」

「尺って何?意味わかんねー!」 

 

 

(この作品に登場したお酒は架空のものです。実在しません。たぶん。)

  

伯方の塩 DRY

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(ラブコメ)へ
にほんブログ村