【巨人】岡本“坂本スロー”17年ぶり生え抜き三遊間定着へ大先輩から極意
【米グアム10日=ペン・中村大悟、カメラ・酒井悠一】三塁の定位置を狙う巨人・岡本和真内野手(19)が新・三遊間結成へ、坂本勇人内野手(27)からレーザービームの熱血指導を受けた。自主トレ第2クール初日、送球時の上下左右のブレをなくすため、“坂本コーチ”からリリースポイントを高くするように矯正された。3年目の和田恋内野手(20)もロングティー打撃で31発を放ち、サード争いへ名乗りを上げた。
突き抜ける青空の下、岡本は食い入るように“鬼コーチ”を見つめていた。第2クール初日、坂本とのキャッチボール。大先輩から初めて受ける技術指導のテーマは、スローイングの矯正だった。「“打点”を高く投げろ。最初はぎこちないかも知れないけど、上にいってもふけなく(抜けなく)なるし、下にいっても垂れなくなるぞ」。身ぶり手ぶりを交え、約30分にも及ぶ熱血指導が行われた。
送球時、右肘が下がる悪癖を改善するため、リリースポイントを高くして真下に投げ下ろすようにアドバイスされた。勇人のレーザービームは上下のズレに加え、左右のブレもほとんどない。その極意を伝授した。キャッチボールでは一球一球、投げるたびに「今のはダメ」「グッドボール」と合否を判定され、そのつど腕の振り方を確認した。直後の内野ノックでも、教わったポイントを意識して送球した。
キャプテンとの三遊間タッグ結成へ、さらには08年の坂本以来となる10代開幕スタメンへ、送球は克服しなければならない課題だ。1年目の昨季はプロ3打席目で初アーチを放ち、打撃では強烈なインパクトを残したが、守備では二塁へのスローイングがそれて、ゲッツーが成立しないミスを犯し、一抹の不安を残した。「捕ってから投げるまでがワンプレーですし、しっかりとやっていかないといけないです」と本人も自覚は十分。それだけに特別レッスンの効果は絶大だった。
ノックを終えるとティー打撃でフォーム固め。村田らとの正三塁手争いを制するため、攻守に着々とレベルアップしている。「(投げ方は)まだ慣れないですけど、しっかり練習していきたい」と19歳。巨人のサードは00年以降、江藤、小久保、小笠原、古城、村田と移籍組が君臨してきた。岡本が最多出場を果たせば、生え抜きでは99年の元木以来、実に17年ぶりになる。坂本の教えを胸に刻み、レギュラーへ駆け上がる。