【箱根駅伝】山学大・上田監督、表彰台へスピリット育てる 総合8位に不完全燃焼
第92回箱根駅伝(2、3日)で総合8位となった山梨学院大陸上部の上田誠仁監督(57)が2年連続シード権を獲得した今大会を振り返った。前回の9位を上回るも、目標の表彰台には届かなかった結果を受け、指揮官は鍛えあげた走りを支える強いスピリットを選手に求めた。
不完全燃焼。3日、ゴール直後の大手町で上田監督はこう言い切った。往路は4位と好位置も復路は10位。チームとして勢いをつなぐ走りができなかった。
「走者だけでなく、何人がこの結果に納得できないと思っているかが大事。走り幅跳びなら、レース直後の今が次への(助走の)一歩目。ここが狂うと、最後に踏み切ることができない。足りなかったものを冷静に捉え、次につなげたい」
2区のドミニク・ニャイロ(1年)は7人抜きを見せ区間2位。指揮官の次男・健太(2年)は3区同7位。箱根デビュー組が奮闘したが、2ケタ順位が5区間。全員が1ケタ順位の上位2校(青学大、東洋大)に差をつけられた原因の一つになった。
「健太は序盤、ニャイロは後半の走りに課題を残した。ニャイロの記録は(4年連続2区を走り後半2年は区間新を出した)モグスの1年時よりも速かったが区間2位。トラックでの走りは勝負できるレベルにあるのだから、どう出し切るかが重要」
箱根で勝つために必要なものは何か。上田監督は“スピリット”を育てる重要性を示した。
「走りやメンタルは個人が学ぶことで変えていくことができるが、スピリット、つまり心意気はチームで育てあげるもの。全員が自分の殻を破る努力を重ね、チームの風土を作り上げていきたい。目標だった表彰台を狙う力は育っている。1年間の全てがチームの力になることを忘れずに、目指す場所へと飛び出したい」
13日には引き継ぎ式が行われ、新チームが発足する。3年連続箱根を走った上村純也、今回1区10位と好走した佐藤孝哉(ともに3年)らが中心となって強いスピリットを育て、山梨学院大が再び戦いの場に立つ。
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