小倉キャスター、生番組で竹田圭吾さんの死を悼む「最後までジャーナリスト魂を見た」

2016年1月11日8時42分  スポーツ報知
  • 死去した竹田圭吾さん
  • 小倉智昭キャスター

 10日に膵臓がんのため51歳で亡くなったジャーナリストの竹田圭吾さんがコメンテーターとして出演していたフジテレビ系情報番組「とくダネ!」(前8時・月~金曜)は11日、小倉智昭キャスターが「このニュースだけはお伝えしたくなかった」と竹田さんの死去に触れ、2004年1月の初出演時の映像を流すなど20分以上にわたってしてその死を伝えた。

 昨年11月の出演では、妻に愛してると言うか?との内容についてコメントした流れで、テレビカメラ向かって「愛してるよ!」と愛妻に呼び掛ける場面も。このシーンについて小倉キャスターは「(亡くなるという)覚悟が決まってるんだなって思いました」。

 最後の出演となった12月22日は、楽屋で自分の荷物をバッグに詰められないほど体調は良くなかったという。そんな中でも「ご本人がどうしても番組に出たいと。それが生き様ですとおしゃっていました」と続けた小倉キャスター。「最後まで、竹田さんのジャーナリスト魂を見てましたから、ある意味幸せでした。ありがとうございました」と沈痛な表情で語り、その早い死を悼んだ。

 また、菊川怜は、最後の出演となった竹田さんの様子を、嗚咽しながら振り返り、共演の女優・中江有里から聞いた話として「楽屋まで帰る時に、ずっと中江さんの手を握り締めて、つらそうだったと…でも最後までコメントされていて…」と言葉をつまらせた。

 竹田さんは2013年11月、病気療養を理由にすべての出演番組を一時降板。翌14年2月には早期復帰を果たすが、変わり果てた外見にインターネットなどでは心配の声が相次いで寄せられた。

 昨年9月の「Mr.サンデー」出演中に、がんを突然告白。抗がん剤治療の副作用で頭髪が抜けるため、かつらを着用して出演していることも明かした。直後のツイッターでは「がんが見つかったら生き方の中で何を優先しようかな、と検診の段階から思い浮かべていくのが大事ではないかと、自分の体験からは思います」と気丈につづりながらも「どれだけ治療が順調で、家族に寄り添われて、友人や仕事仲間から励まされても、孤独からは絶対に逃れられない」とも記していた。

 その後もやせ細った姿で出演を続け、鋭い舌鋒で時事問題を斬り、最後までジャーナリストとして使命を貫いていた。

 ◆竹田 圭吾(たけだ・けいご)1964年12月30日、東京都中央区生まれ。88年に慶大文学部卒業後、アメリカンフットボールの専門誌を経て、93年に出版社「TBSブリタニカ」入社。「ニューズウィーク日本版」の編集部に入り、2001年1月には編集長に就任すると、硬質な報道だけでなく、ライフスタイル情報を充実させる誌面刷新を行い、部数の下落傾向に歯止めを掛けた。10年の退社後はジャーナリストとして活動。テレビ、ラジオなどに精力的に出演した。

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