【コラム】前任者に責任を押し付ける韓国の大統領たち

 李承晩(イ・スンマン)大統領は就任式で「3000万の男女が新しい民を形成することで、新しい国家を建設する」と演説したほか、ユン・ボソン大統領は自分を「第2共和国の初代大統領」と力説した。大韓民国とは違う共和国の最初の大統領という意味なのか。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領は「檀君聖祖が天恵のこの領土に国の基礎を築いてから5000年」とし「連綿と続いてきた歴史と伝統の上に…新たな雄大な共和国が夜明けを迎えた」と訴えた。5000年ぶりに新たな共和国が誕生したという意味なのか。「臨時管理政府」を自称した崔圭夏(チェ・ギュハ)大統領に次いで登壇した全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領も「旧憲法、旧政府などの旧時代的論理に決別した」新しい共和国の発足を悲壮な覚悟で宣布した。金泳三(キム・ヨンサム)大統領の「文民時代」、金大中(キム・デジュン)大統領の「国民の政府」も、前政権との差別化を図った表現だった。

 こうした中、前任者の業績を褒めたたえたケースが1件だけ存在した。盧泰愚(ノ・テウ)大統領が、政権を譲った友人に対し尊敬語までを使用して「平和的政権の委譲という歴史的先例を打ち立てた全斗煥前大統領」と呼んだのが全てだ。反対に「国家的損失をもたらした李承晩前大統領の植民地外交(ユン・ボソン)」と直接的に責め立てたり、「(通貨危機について)限りない痛みと怒りを禁ずることができない。こうした破綻の責任は当然明確にされなければならない(金大中)」と恨み節を並べたりするケースも少なくなかった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は「反則と特権が容認される時代は終息を迎えるべきだ」とし、「正義が敗北し、日和見主義が成功する異常な風土」の清算を宣言した。

宋煕永(ソン・ヒヨン)主筆
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】前任者に責任を押し付ける韓国の大統領たち

right

関連ニュース