傷物語はいいぞ……。
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ネタバレあり。
尾石達也、再び。
というわけではないけれども、いい意味でまどマギのあの不気味さ(女の子いじめではない)を思い出す。
シャフト臭い。そもそも怪異全開の異能伝記バトルが傷物語なのだ。
それでいて太陽に身を焦がす所で日の丸(太陽)を出して匂わせたり、キスショットが死にかけで泣きわめく所で赤子の鳴き声を出したりという暗喩も上手い。
ギャグ演出で昭和っぽいギャグ漫画パロを出す所とかも、アニメ化物語のあの軽快さを思い出す。
たった1時間だけれども、いい意味で息がつまる。
そもそも物語シリーズのアニメを劇場で1時間30分以上拘束されるのも辛そうなんでちょこちょこ見ていくといい。
それ以上に上手いと思うのはマーケティングと今までのキャラの積み上げ型だよなー・
元々は2012年に公開する予定が大分引っ張ったわけだけれども、終物語の上・中で1クール終わった直後の公開が上手い。
あの偽善者は何故、友達を作りたがらなかったのか。
あの化け物は何故、眷属を400年も作らなかったのか。
その理由を後付けで補強して来て人間性を深めてきた上での今回の映画化なのだから。
ちゃんとキャラ補強を続けて来たのが今になって生きて来てますよね。
キスショットの赤子のような「ごめんなさい」も、しのぶメイルでの補強を踏まえると更に強度を増す。
しかし阿良々木とキスショットの出会いは良かった!
死にかけの化け物を助けてしまった偽善者と
彼を愛してしまった化け物
手足が切断されてしまってもなお生きているキスショットの化け物性も然り。
命を大事にしながら逃げつつも、赤子のように「死にたくないごめんなさい」と泣き喚く彼女を見て命をささげてしまう偽善。
全ての始まりでもあるし重要なシーンなのでやりきってくれたのは感謝である。傷物語はいいぞ……。
傷とは違うけど、化再放送と傷で三つ編み羽川や忍野メメの存在を久々に思い出させてくれてからのこよみストーン配信も良かった
こっちは軽いノリながらまぁそんなもんだよね。OPは歴代OPを引っ張ってくる構成になるんだろうか。
3話では死なないよ阿良々木くん。12話で死ぬんだよこよみん。戯れ言だけどね。
ともあれ今年は物語シリーズが再びマーケティングを始めて熱を帯びる年になりそうです。楽しみにしていきましょう。