西濃祐太朗
2016年1月11日02時58分
ヒップホップで、高齢者が20代の敏捷(びんしょう)性に若返る――。そんな研究結果を岐阜大学教育学部の春日晃章(こうしょう)准教授(47)らがまとめた。データは高齢者中心の岐阜県多治見市のダンスグループから得た。
2014年10月、多治見市民の一部を対象に体力測定をした催しで、春日准教授は成績が異常に高い高齢者がいることに気づいた。発光を見てから跳躍するまでの時間を測定する「全身反応時間」は、若者に相当する0・3秒台。それがヒップホップのダンスユニット「TGK48」のメンバーだった。
「あまりのレベルの高さに驚き、科学のメスを入れてみようと思った」
TGK48は、59~79歳の女性63人と男性4人から成る。高齢者の健康を維持することで医療費や介護費の削減につなげようと、市が14年5月に結成した。Tajimi(多治見)、Genki(元気)、Koureisya(高齢者)の頭文字とアイドルグループAKB48にちなんだ。
平均年齢は70歳。講師のレッスン料など年間約100万円の運営費を市が支出し、市内の公共施設で週に1回、ヒップホップのダンスを1時間半練習。発表の場もある。
春日准教授らは、メンバーのうち60~70代の女性38人の運動能力を調べた。5秒間、小刻みにステップを踏む「立位ステッピング」の回数は60代が40・1回、70代で37・7回。全身反応時間は60代で0・386秒、70代で0・399秒。この2項目は、20代女性に相当する好成績だった。
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