ここから本文です

この知恵ノートを「知恵コレクション」に追加しました。

追加した知恵ノートはMy知恵袋の「知恵コレクション」ページで確認できます。

知恵コレクション」に登録済みです。

再登録しました。

追加に失敗しました。

ノートに戻り、もう一度やり直してください。

すでに1,000件のノートが登録されています。

新しく追加したい場合は、My知恵袋の「知恵コレクション」ページで登録されているノートを削除してください。

追加できませんでした。

ノートは削除されました。

【CMBリポート】 米国のVCはなぜ300倍ものリターンを得るのか!?Part1

ライターさん(最終更新日時:2012/9/20)投稿日: アドバイス受付中!

印刷用のページを表示する

【Crackin My Balls Report】

この質問に回答する体裁を取りながら、以下のようなことを検証する。
日本の資金調達環境
米国のVCと日本のVCとの違い
米国と日本の資本政策手法の違い
普通株式と優先株式を使ったバリエーションとは

  米国の成功方程式

注意


  • 普通の知恵ノートに比べて恐ろしく長いです。
    Part1とPart2に別れており、
    早い人でもPart1で読破予想時間は10分~15分
    Part2で約8分ほどかかります。
    内容は、大規模なベンチャーを経営したい起業家向けに現役のベンチャーキャピタルが書いています。

    資本政策の仕方と資金調達の仕方を米国の事例と日本を比較をしながら
    どのように行うかを専門用語は一部入りますが、なるべく平易に書いたつもりです。
    また、なるべく一般論的に描きましたが、興味のない人には最高に眠たくなる内容です。
    第二のザッカーバーグのような大金持ちになりたいような人には、最新のシリコンバレーの資金調達の現状と興味深いテクニックを入れ込みました。
    基本、酒を片手に週末の夜長に読むことをお勧めします。

 

■ 起業=融資で始めるのは先進国で少数派
---------------------

近代的な意味でのVenture Capital (以下「VC」という) は1946 年に米国のボストンで設立されたAmerican Research & Development 社(以下「ARD社」という)が最も早いと記憶する。
その主旨と理念は、「全く新しいアイデアや優れた技術を持っているが、生まれたばかり故に、資金調達に苦しむ企業にも支援する方法を提供することが米国の今後の経済発展においては極めて重要なことである。」
といったことであった。
それから50年以上たった現在での米国のVC投資額は20兆円を優に越える。
ちなみに我が国はというと1兆円にも満たない。
とほほだ(笑)

ベンチャーは、ARD社が高々と謳った理念のように新しいアイデアや技術を開発し、優れた製品やサービスを生みだすが、一方でその製品開発に対する設備投資をおこなう為の資金調達は困難を伴うのが常だ。

私は、20数年以上前の昔、大学を卒業するやいなや、近所の銀行に
「新しい会社を創り、大いに儲けたいので金を貸してほしい。」と言いに行った。
すると銀行の担当者は
「何か担保になる資産はありますか?」
と聞いてきた。なので私はこう言った。
「お前・・・耳があるのか?その担保になる資産を作るためにオレはここへ金を借りに来ているんだ。聞こえなかったのか?」
当たり前のように、融資は断られたが、このやりとりに今日の日本における起業の歪(ゆが)みが縮図として見え隠れする。

この銀行の融資担当者は正しい。

そもそも論で起業に融資はおかしい。


というのが私の20年来の一貫した考え方である。
「初めて起業をしましたでございまする。」
などとノタマウ海とも山ともわからない組織などリスクの塊以外の何物でもない。
どんなに、お利口さんな振りをして、それらしい事業計画と、目くらましのデータの羅列と、さもありなん的市場予測のシミュレーションを融資担当者のテーブルの前に広げてみても、提案された新規ビジネスが運良く成功する確証など、〝吉本の芸人〟や〝新しくデビューするアーチスト〟を前にして売れますでしょうか?と聞くマネージャーと同じぐらい誰もわからない。
頭の中で考えた予測などリスクヘッジの一つにすらならない。
商業銀行の本質はリスクマネーを扱うことではない。
なので日本の融資担当者は、民間だろうと公的だろうとその辺は心えていて、リスク・・・つまり事業計画の吟味など鼻からしない。
それをして・・・私の読みではこのベンチャーは大成功しそうですので、3000万円を融資しますなどといったら、上司に「おまえは、今から魚釣島に上陸してこい!」と言われかねない。
リスクを排除するのが本質であるから、融資担当者の欲しいのは、夢のある事業計画ではなく着実な返済計画である。
なので、後述するように日本のVC同様、全ての日本の融資の基本姿勢は
「起業とは夢を見るものではない」
という〝寝ないでどれだけ働くかみたいな〟星一徹(ほしいってつ)的労働集約型の根性論に落ち着く。
リスクを全て削ぎ落せば、夢はなく、あるのは借金返済に必要な確実な労働計画と連帯保証人の資産をいかに滞りなく現金化させるかという標準化されたデットファイナンスの更に絞られたサラリーマン金融の隣にあるようなローンファイナンス理論である。
根本的にATMの論理と金融機関が儲ける手法としてなんら変わらない。
そこに知恵やスキルは存在しない。
国禁の融資審査作業など、借りるほうでも、マニュアルさえあればできるのであるから、そのうちクラウドでコンピューター化すればいいことだ(笑)
蛇足だが
現在、自社は数十年間、一度も、一円も銀行から借金をしたことがない。
なので・・・私は銀行批判が平気で言える(笑)
国禁のやつらのやっている融資査定など、渋谷のスクランブル交差点でエステのキャッチをやっている兄ちゃんでもマニュアルさえ渡せばできる。
こんにちの政策金融公庫や保証協会なんぞ
頭が下がる投資銀行のスーパーなファイナンスノウハウやECBのドラギ総裁のような中央銀行の大胆なマクロ経済に対する金融政策とは、同じ金融機関でございますと言うのが恥ずかしいのでは・・・と思うほどスキルはかけ離れている。
いや・・・彼らの持っているスキルは自己保身だけだろう。
リスクの〝り〟の字も読んだことはない。

sihonnseisaku-27.jpg--------------
ベンチャーとは担保できるような資産や見せびらかせるような実績が乏しいから銀行借り入れができないのが基本で、それを事業計画と経営者の資質という可能性担保で投資していくのが本来のVCの姿である。

物的担保をとった融資はできるが、リスクをとった投資はできないのではVCではない。
しかし、日本のVCは証券・銀行出身のバカばかりなので、本来のAラウンドでのベンチャーの資質や可能性について、いち早く見つけて花開かしてやるといった本来の作業ができない。
よってほとんどが、よくてBラウンド、ほとんどが公開直前の当たり確実の宝くじしか買わない。つまり、Zの前のYラウンドだ(笑)
これは、投資の回収時期が早まりVC のIRRは高まるが、リスクとは何かをVC自体が学ぶ機会を失うもろ刃の剣のスキームでもある。
つまり、300倍の投資リターンなど夢の又夢でせいぜい10倍~30倍だろう。
米国流のシーズ型とそれは二桁リターンが違う。
ついでに言っておくが、国禁だか創業融資だか、保証協会だか・・・自己資金3分の1ルールや上限1000万円みたいな公的融資は、投資額を低く抑えて、バーニングを全融資の一定程度に抑えるファイナンス論理は根本で闇金のファイナンス理論となんら変わりない。
世界で通用する素晴らしいアイデアを考え出した起業家がいたとしても国禁は10億円を無担保で融資などしないだろう。
それは、そういう制度ではないと反論するだろう。
ならば、逆に自己資金が1億あったら3億貸してくれるのか創業者融資で・・・(笑)

とにかく何業だろうと、どんなビジネスモデルだろうと最初は500万円とか1000万円とか自己資金の3倍ですとか・・・暗黙の了解のようになっているのはなぜなんだろう?
当たり前だが、ビジネスモデルによって必要な資金など様々だ。
仮に
ほぼ100%当たるというビジネスモデルが融資テーブルに乗り、自己資金は1億ありますと申し込み者が示しても、個人が労働で返せる返済の額を想定し、3億は連帯保証はできないだろうと判断する。
事業計画の範囲・・・つまり夢の範囲は、日本では個人の返済範囲にとどまる。
商業銀行の融資の本質は、ビジネスの実績に対して比較的リスクの低いマネーを利用し、着実なローリターンを稼ぐことにある。
一方で、銀行の担当者は
本当の起業時のリスクとは、有利子負債だとは決して言わない。
創業と同時に財務レバレッジで33%が有利子負債になるBSを勧める事じたい、私から言わせれば〝リスクだろう〟である。

事業計画やビジネスモデルなど見ないという意味と個人の生涯平均返済能力の範疇でしか貸さないという論理でしか融資枠を起業時に作らないという二つの意味で
オレから言わせれば、国禁は利率の低い闇金と同類だ(笑)
sihonnseisaku-46.jpg

段階的に企業成長をさせるラウンドという概念
-----------------
基本、米国のVCは段階的に投資する。
この論理はStaged Ivestment といい、一遍にドーンと投資をせずに、ベンチャーが成長していくフェーズによって、必要な額を必要な株価で投資していく。
当たり前だが、起業家が起業を思い立って、適当な事業計画を書いている時点で自身の事業において本当に必要な全資金を割り出せるであろうか?
いつも言っているが、商店街の一角に、たこ焼き屋を開く為とか、Webデザイナーでフリーになりますと言った、出口戦略が全くない開業と独立の話ではない。
投資家と創業者が一緒に成長していくという意味では段階的投資は極めて有効な手段であると思える。
最も重要な点は、株価の低い時期にドカーンと投資を受けると創業者の持ち株比率がドカーンと落ちるからだ。
なので、株価をあげて・・・つまりバリエーションのテクニックで創業者比率を守る為のテクニックが段階的資金調達・・ラウンドの概念だといっても良い。

この考え方は、一方で投資するほうでのリスクヘッジという意味もある。
「幾ら必要なの?」
「何?・・・5億円。わかった明日全額振りこんでおくよ。」
とやると、創業者は翌日に青山通りのコーンズ(日本のフェラーリ販売の代理店)の扉を叩きに行きかねない。
フェラーリはまずいのでベントレーにしときました。
という問題でもない。
まさか、入金の翌日に本気でフェラーリを買いに行くシュールなベンチャー起業家はいまだ見たことはないが、これらベンチャーのモラルハザードは、資金があまり過ぎている場合のベンチャーにありがちな手を広げすぎることや急拡大、無駄な設備投資といった暴走を未然に防ぐ防波堤にもなる。

〝事業〟をローンチステージだとか設備投資ステージだとかマーケティングステージだとかシェア拡大ステージだとかのフェーズに引き直して、それぞれのラウンドの目標値を設定してその目標を達成して追加投資を受けると言うビジネス成長戦略は投資家にとっても起業家にとってもあまり利益の相反は起こらないと思っている。
もちろん、事業が上手く成長すれば、ラウンドごとの株価も上がり、調達額も上がる。同時にストックオプションや創業者の報酬増などのインセンティブは上がる。
逆にベンチマークした目標が達成されなければ、前回の調達した株価よりも低くプレマネーは設定され、普通株と優先株の転換比率の見直しや所有配分は見直され、下手をすれば経営陣の大幅な刷新となる。
インセンティブとペナルティを投資家と起業家の間に発生させ企業価値の成長を客観的に検証していく作業は成功の源であると思う。
逆に適当に必要な資金の全額を提示し、ちょっと減額を考えて多めに事業計画書を書いて、融資係に提出し、融資が実行された後は、全くその金は自由になり、経験不足の創業者のジャッジに全てが委ねられ、一方の国禁も担保を取ったからほっぽらかしの出口なしの事業とはなんなのだろうか?
どんな企業もまじめにやりさえすれば100年ぐらい維持継続できると本気で思っているのであろうか?
だから商店街にシャッターアイランドが続くのだ。


sihonnseisaku-47.jpg

創業者の自由度
-----------------
米国は日本に比べて、自由な経営ができるのであろうか?
よく質問されることだ。
正解は、創業者の自由度で言えば「日本のほうが自由度が高い」と言える。
 米国と日本の起業環境の違い

上の回答でも言っている通り、日本は簡単に言えば織田信長型であり、米国は坂本竜馬型である。
創業者の自由度とワンマンは、圧倒的に日本型なのだ。銀行の融資制度もそれを裏付けている。
その意味で好き勝手なジャッジが行え、「泣かぬなら、殺してしまえホーホケキョ」と原則破産するまで代表取締役の房総半島を株主総会ですら押さえこめない。
暴走族のヘッドとなったヒトリーマン金太郎の日の出暴走は、捕まって刑事罰を受けるか破産して東京地裁の民事20部のパイプ椅子に座るかしない限り止まらない。
織田信長は、失敗すれば腹を切り、原則再起不能となる。

米国はチームプレーだ。良くも悪くも原則連帯責任である。良く言えば全員でHAPPYを目指す。
チームのHAPPYの為にはバカなCEOや創業者だろうと荷物を段ボールに詰めさせファイヤーにする。
創業者に求められるのは坂本竜馬の薩長同盟をまとめる利害関係の調整能力と成績如何でいつでも首になるかも知れないスポーツチームの監督の能力である。

この企業環境が下地にあると言うことから、
ジョブスがなぜ、アップルを一度首になったかわかるだろう。カリスマの織田信長は基本米国ビジネス界ではあんまり受け入れられないのがコモンセンスなのだ。


sihonnseisaku-48.jpgハンズオン経営
-----------------
日本のVCは、中堅ベンチャーにドカンと入れて後はほっぽら貸す。織田信長型を尊重してきた。最近はかなり変わってきた方だが・・・いわば融資型の延長に過ぎない。

シーズからVCが入ることは、基本ハンズオン投資(経営参画)である。
日本型のほっぽらかしは、一見自由で良いかもしれないが・・・
本当にそうだろうか?
仮に想定してみてくれ。
私はVCだが、基本ハンズオンで投資するほうだ。
オレがあなたの会社の経営陣の一人に入ったら・・
オレはかなりうるさいからな。
先ずフェラーリに乗ることは許さない。
デカイ身の丈に合わない事務所も許さない。
芸能関連のビジネスに事業を拡大することも許さない。
異業種が不動産ビジネスに出資することも許さない。
金融商品を購入して自社の事業のポートフォリオをよくすることを許さない。


彼女を作るぐらいは許すかもな(笑) 起業家はAKB48ではないので恋愛は許す(笑)
しかし・・・
あなたが売りだしたいタレントだったとしよう。
あなたのプロデュースに秋元康やつんくが付くよといったら・・・どうだ?

オレは秋元康ではないが、以下のことはできる
優秀なエンジニア、Webデザイナ―
弁護士、会計士、弁理士、コンサルタント・・・その他専門家の紹介
経験豊富なシニアエグゼクティブの紹介
プレスの記者の紹介やページの確保
次のラウンドの資金提供者の紹介と資本政策の策定
主幹事証券の紹介と監査法人の紹介
売り先と顧客の紹介
有力な提携先の紹介
NASDAQのネゴと日本の新興市場へのネゴ
IPO以外の出口・・・つまりM&Aのコーディネート
創業者の教育

・・・・・・・等々
オレが入れたら(投資したら)死んでも成功してもらう(笑)
全精力をかけて金持ちの仲間入りをアシストする。
それよりも・・・
あなたは、自分自身だけでジャッジする自由を選ぶか?
私は数多くのIPOとM&Aと成功者と金持ちを作ってきた。
そのような経験値を無料で提供し、且つ金まで投資をする(笑)
ちなみに私は創業者の首を飛ばさない数少ないVCの一人だ(笑)


sihonnseisaku-50.jpg米国ベンチャーの4つのEXIT(出口)
---
さて、あと書けるのが3000文字しかない(笑)
そろそろ、質問の本質であるバリエーションの話しに入ろう。
米国のVCとバリエーションを語る上で極めて重要なのが優先株式と普通株式である。

この説明が一番面倒なのだが・・・字数が少ないから簡単に説明する。

先ずEXIT(出口)の話だ。
基本4つだ。

・IPO 新規株式公開
・M&A
・セカンダリー市場への売却
・創業者への売却又はMBO

セカンダリー市場(Secondary Sale)というのは耳慣れないかもしれないが、結構米国では発展していて、VCが保有する未公開株の買い取りを専門にする二次買い取り専門の業者というか投資家が意外にいる。
ラウンド重ねて、少なくとも右肩上がりなら、ここにうっぱらって利ざやを稼ぐか、リビングデッドになったベンチャーを立てなおす意味で売り払うのは意外に多い。
sihonnseisaku-49.jpg


優先株式

----


上記した出口論を事前に想定して、投資家有利な条件を株式そのものにいろいろ付与したのが優先株と言っていい。
身内以外の外部の投資家には、ほぼこの優先株式を売りつけるのが米国流。
その条件にはいろいろあるが、主だったモノは以下、英語での検索もしやすいように英語表記も書いておく。

Liquidation Preference    残余財産分配優先権
Preferential dividends     配当優先権
Voting Rights          議決権
Right to Elect Directors   取締役選任権
Protective Provisions    防御条項
Dilution Provision       希薄化防止条項
Conversion Rights       普通株式転換権
Automatic Conversion     普通株式強制転換条項
Redemption Rights       償還請求権


だいたい日本語読めば内容は分かるだろ(笑)
難しいのだけ説明しとくか・・・
残余財産分配優先権は、出口がM&Aの場合極めて重要となる。
簡単に言うとM&A(買収)された場合は、ベンチャーは清算されたとみなして残余の財産を分配するわけだが、その際普通株式より優先して先に分配を受ける権利だ。発行価額ベースの3倍とかでやる。先に優先株主が取り分をとって更に普通株主と優先株主が同列で分配する。
まぁ・・・バリエーションかかっているから、多額で入れた投資家は普通の比率で分配されたら割に合わんと言うことだろう。

取締役選任権は、通常VCは投資したベンチャーに社外取締役として自らが入る。
だいたいラウンドのA・B・Cごとに各一人づつ出す。
株式比率が低くてもこれを取れば結構経営に口をだせる事になる。重要な条件。

防御条項は、優先株主に重大な影響を与えそうなM&Aとか営業譲渡等の重要事項につき優先株主の過半数の同意を必要とする。といったもので国連の常任理事国の拒否権発動みたいなもんだ(笑)

普通株式強制転換権は、公開する際には全て優先株式は普通株式になるので転換しろと定款に書いておくってこと。
あと・・個別にわからないのでもっと詳しく説明しろと言うなら、質問立ててくれれば答える。
ちなみに私のブログにもよく出てくる全米一会社を創りやすく、かつ会社に最も味方するデラウエア州では、上記した条項を定款に乗せなくても、その都度投資家と取締役会が発行を決めていい Blank Check Preferred (白紙優先株/白地優先株)なんていうずいぶん楽なシステムがある。
 
日本は税制や会社法の関係でこれまではほとんど普通株式の概念でベンチャーも資本政策を適当にまとめてきた。
今後は、この優先株式やConvertible Note(転換社債の一種)が日本でも結構頻出してくるモノと思われる。


sihonnseisaku-51.jpg

米国の資本政策:バリエーション
-------
米国のITベンチャーの典型的な資本政策を私が勝手に想定したモノを書くので、それをもとに資本政策の経緯を検証しよう。
ほんとは、バイオとかIT(サイト)とかソフトとか何社か事例を出してあげようかと思ったが、最初に国禁の悪口を書き過ぎたので文字数が後少ししかない。
いずれ自身のブログで再度詳細に書くよ(笑)

名前は、適当にBeauty Leggs社とでもしよう。
事業は、世界の美脚を自動的に収集し、クラウド上のユーザーのMYページにスクラップ上に整理させるサービスを提供するという画期的なモノ。

以下
Beauty Leggs(以下「BL社」という)の資本制作経緯

◇創業
米国は、最低資本金制度がない。よって最初の株価など幾らでもいい。
だいたい、異様に小さな金額で膨大な数の株を発行する。
Sweat Equity (スウェット・エクイティ)と言われる。
BL社は、2012年3月に設立、一株$0.01(1セント)という低い株価で普通株式(Common Stock)2000万株を発行。
創業者が1000万株で、創業パートナー(友人)が500万株、エンジェル(個人投資家:ファウンダ)が500万株、それぞれ持ち、最初の投下資本は20万ドル(めんどいので1ドル=100円換算)、日本円で2000万円で事業をスタート。
BL社のサービスとサイトはローンチと同時に米国の脚フェチに人気を博し、たちまち人気サイトに。
しかし、人気が裏目に出てサーバーの増設を余儀なくされる。

◇Aラウンド
BL社の人気を聞きつけたVC(1社)のKinkies Partners(以下「KP」という)が普通株式の10倍の10セントで優先株式500万株を購入。50万ドル(5000万円)の調達に成功。
※さて、ここで疑問に思うだろう。なんでVCのKPが10倍もの株価で購入したのか?
これが優先株式の力である。
米国では、通常普通株式と優先株式の差を10対1ぐらいの差を付けるのだ。
これは金融工学的理論や法的規制が別にあるわけではなく、米国では創業者と創業メンバーの権利をある程度守る為に行う〝慣習〟なんだよな。
最大で10倍ぐらいになる。ほとんどのベンチャーがこのぐらいの差を付ける。
何度もいっているだろ、アーリーステージなんて言い値だ。
私が良く言っていた通り、日本なら最初に10倍付けた資本金にしてしまえ。でなければ創業者の比率が不当にゆがめられる。といっていたのはこのこと。
米国では、当たり前のことのように慣習としてある。
このへんが・・・結構日本の起業家は・・・〝?〟なんだろうと思う点だ。
日本には優先株の意識がなかったから、この慣習がないんだな。だから、勝手に起業家が創業時に10倍付けた資本金でやっちゃえと私は言っている(笑)
みなさん疑問が解けたかな?
答えは慣習だ(笑)
これが1年でバリ10倍の正体です。
DCFでバリを付ける日本では理解できない点だろう。

◇Bラウンド
BL社の業績はすこぶる良く、いよいよ資金調達もBラウンドに入る。
ロシア系VCで米国ベンチャーに幾度となく投資をしてきたTotemo Asisuky 社とFetchi Capital 社の2社が優先株式2ドルでそれぞれ200万株購入と100万株を購入し、合計600万ドル(日本円で6億円)の調達に成功。

◇Cラウンド
BL社もいよいよIPOがささやかれるようになり、Cラウンドで最後になりそうだ。
faecbookにも投資をした経験がある大物VCのMadness Group社が3ドルで500万株、1500万ドル(15億円)の調達に成功。


sihonnseisaku-52.jpg

以上を資本政策表にまとめるとこんな感じ


年月   種類    株価    株数    調達額      投資家     シェア

12/03  普通    $0.01  2000万   $20万  創業者・エンジェル   48%
12/12  A優先   $0.10   500万   $50万  VC(1社)  KP社   12%
13/09  B優先   $2.00  300万    $600万  VC(2社)TA/FC   7%
  ワラント           100万             提携企業        2.4%
  ストックオプション     600万             従業員         14%

14/05  C優先   $3.00  600万    $1500万  VC(1社) MG    14%

合計               4100万   $2170万                100%
-------------------------------------------------------------------
◇IPO

世界6億人の脚フェチのユーザーを獲得した
BL社はめでたくIPOを果たす。公開価格$20に対し初値は$40
この時点で普通株式の調達額 20万ドル 優先株式 2150万ドル(日本円で21億5000万円)
で・・・
儲けはこうなる。
----------------------------------------------------
               出資時       IPO後
普通株式 シェア48% 株価$0.01→  $40:4000倍 初値ベースで $8億
AラウンドVC   12% 株価 $0.1→  $40:400倍     $2億(200億円)
BラウンドVC   7%     $2 →   20倍         $1億2000万
CラウンドVC   14%     $3 →  13倍          $2億4000万

-------
バカみたいに儲かる図式が理解できたであろうか?

 Part2へと続く


sihonnseisaku-39.jpg


--------
写真元
スタバのコーヒー及びポートレート風のかっこ良い写真全部







アドバイス(このノートのライターへのメッセージ)を送る

このノートはどうでしたか?  いいと思ったことや、こうしたらもっとよくなるといったメッセージを送りましょう! ノートの内容やライターについて質問がある場合は、Q&Aから質問してみましょう

アドバイスを送るには、
Yahoo! JAPAN IDでのログインおよび
Yahoo!知恵袋の利用登録が必要です。

利用登録ナビへ

感想アドバイス履歴

もっと見る

このノートに関するQ&A

このノートに関するQ&Aは、まだありません。

このノートについて質問する

このノートについてライターの方に質問できます。

※ライターの方から必ず回答をいただけるとは限りません

※別ウィンドウで開きます

JCBギフトカードなどがあたる!

ピックアップ

冬でも蒔きたい~ペットボトル...
 管理が面倒な種子を蒔く冬に温かく蒔きたいとか、一旦冷やし...
簡単!ラメ入り「キラキラ」ク...
 はじめにもうすぐクリスマス!ラメ入りグルーガンを使ってク...
大学生のバイト、稼ぎすぎると...
大学生のみなさんも、学費や生活費、さらには旅行費用などに...
知恵ノートを書いてみませんか?知恵ノートの書き方はこちら

知恵ノートとは?

役立つ知恵情報は、Yahoo!知恵袋公式Twitter@yahoochiebukuroをフォロー
本文はここまでです このページの先頭へ

[PR]お得情報

(PR)クリスタルヴェール/チョコラBB
1700円相当の商品が864円で試せる♪
先着順のため、お早めに!(モラタメ)
Tポイントをためるなら、この1枚!
Yahoo! JAPANカード≪年会費永年無料≫
最大7,000円相当のTポイントもらえる

その他のキャンペーン