小学生の陸上競技で功績があった指導者を、都道府県ごとに毎年1人表彰する「安藤百福記念章」に、兵庫県洲本市立洲本第二小学校の西野嘉一教諭(44)が選ばれた。始業前と放課後に16年間、児童が自由に参加できる陸上教室を続けてきたことが評価された。
(上杉順子)
受章は同市で2人目、淡路島内で3人目。西野教諭はこのほど、市役所を訪れ、竹内通弘市長に報告した。
同章は日本陸上競技連盟と、チキンラーメン、カップヌードルの生みの親として有名な日清食品創業者・安藤百福氏の遺志を継ぐ安藤スポーツ・食文化振興財団が制定し、1988年から全国の指導者を表彰している。
西野教諭は洲本第三小に赴任した99年度から「子どもの基礎体力を向上させたい」と、自主的に指導を始めた。競技経験はなかったが「走ることはスポーツの原点」として、短距離を中心に障害物を置いたり、距離を変えたりして子どもが飽きない工夫を凝らした。
これまでに近畿大会のリレー優勝チームや短距離の県大会2位を輩出。しかし、実績には重きを置かず、1日だけ参加したい子も受け入れる。「全体の底上げが大切。運動の苦手な子でも参加しやすい雰囲気づくりを心がけてきた」という。
受章に「章に恥じることなく、指導する喜びを感じながら、洲本の子たちを心豊かな人に育むことに今後も貢献したい」と話した。
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