──儂を 助けさせてやる──
作画 ★★★★
シャフ度 ★★★★
結論:羽川ちゃんのチチも劇場版仕様に!!
2016年 日本
総監督:新房昭之
※原作「傷物語」のネタバレありです。原作未読の方や、映画の演出面などについてのネタバレがNGな方はご注意ください※
大迫力の映像
のっけから大炎上した暦がアノニェー(*1)みたいだったとかどうでもいい感想は置いといて、序盤から迫力満点に描かれる学習塾中心にそびえ立つ巨木のアップなど、全てがスクリーン仕様のクオリティは大迫力でした!TVアニメの無機質でカラフルで、シルエットに近かった背景は、映画ではほぼ現実の映像を加工したようなCGとなっており、それに伴ってキャラクターデザインも、かなりリアルな感じに変更されていました。(特に暦とキスショットはその傾向が謙虚なので、好き嫌いは分かれそう)
暦の家や学習塾のデザインも変更。暦の家はテレビシリーズとは違い、丘の上ような場所に1軒だけ建っており、室内もフローリングなどがリアルに描写され、現実的な"家"に近い内装に。学習塾もどんだけ人が収容できるんだよ!っていうぐらいに超巨大になっていましたが、これは恐らく、そっちの方がドンパチした時にハデになるからという理由でしょう。
前半は羽川ちゃんパート
羽川ちゃんとの最初の出会い、衝撃のパンチラシーンをまさかTCXのラージスクリーンで拝める日でくるとはなっ・・・!!だからなのか、明らかにテレビシリーズの時よりも、羽川ちゃんのただでさえたわわなお胸が更に実っていました。風にあおられてボインボインするおっぱいがスクリーンで堪能できるとは・・・(でもあまりにも揺れすぎて実は羽川ちゃんノーブラなんじゃねぇか疑惑)ここだけ観ると、「信じられるか?この二人、くっつかないんだぜ・・・?」って言いたくなりますね、凄く。
暦自身の物語の時系列としては、全ての始まりに位置する「傷物語」。この映画中の暦のセリフ、「友達はいらない。人間強度が下がるから」という言葉は、終物語の「おうぎフォーミュラ」を観ていると、暦が単なる厨二病患者ではなく、負け惜しみで強がりで言ったわけでも決してない、ということが解りやすいですね。3年経ったのがある意味功を奏したのかも。
後半はキスショットパート
孤独な少年が、クラスメイトの美人で巨乳な委員長と友達になるという(しかもそのおパンツ様を拝見できるという)、人生最良とも言える日にエロ本を買った帰り道に出くわす、金髪の吸血鬼・・・
物語の肝でもある、キスショットと遭遇する地下鉄駅構内付近のシーンでは
・・・---・・・
というモールス信号が、電光掲示板やシャフト演出でお馴染みの場面転換時に頻繁に現れていました。「TTT222TTT」と振られたこのモールス信号。振られているアルファベットは恐らく「トンツー」を表しているのでしょうが、信号自体はSOSのモールス信号のようです。
このモールス信号は、「T2」、テツ、鉄・・・「血」を求めるキスショットのSOS、とうことでしょうか。
原作がコメディタッチでさらりと描かれていただけに、ここまでシリアスで重厚だと、一度逃げた後、キスショットの泣き声(映画では赤ん坊の泣き声が重なるという演出)を聞いて戻ってくる暦の異質さが際立ちますね。
原作とは違う少女キスショットのデザイン
原作では「白いふわふわのドレスを着た少女」でTV版のデザインに近いような印象でしたが、今回の映画では前髪ぱっつんのベリーショート幼女に。四肢を失い、力を失った吸血鬼なので髪の毛を伸ばす力が無かったということなんだろうか?アニメ版を見慣れているので違和感があるといえばあるのですが、逆にアニメの印象が強いと今後の展開に色々と支障がでそうなので、この思い切ったデザイン変更は良改変なのかもしれません。
やたらアクションするメメ
3人のヴァンパイアハンターに追われ絶体絶命のピンチ!に駆けつける忍野メメのアクションシーンの力の入りよう・・・どうしてあんな高い所から飛び降りてあの距離をわざわざ走る必要があったのメメさん。あのシーンだけ観たらメメさん最強の武闘家みたいにみえるんだが。とてもじゃないがネゴシエーターには見えない。
正直前後編でもよかったんじゃないか?と思うぐらい、「延ばしたなー」と思うシーンも多いので、この辺のムダなアクションの派手さはそれを補っていたのかな、とも思う。鉄血篇はメメが暦たちの交渉役となったところで終わるので、次作はアクションメインになるのでしょうが・・・3部作にしなきゃいけない大人の事情があったのかな?(だからといって全体的に間延びしている、つまらないという意味ではないのだけれど)むしろTV版では決して味わえない劇場版の演出は、シャフトの映像美が好きだという方は観ておいてまず損は無いと思います。
【最後に!】
TOHOシネマズで観てきたのですが、椅子の座り心地といい、スクリーンのデカさといい、「てぃ、TCXってスゲー!!」と感動してました。結構前の方の座席で観たので音は正直デカすぎではあったのですが。最近の映画館は凄いな・・・。
あと、終物語視聴後に傷物語を観る、という流れは思った以上に良かったです。特に「しのぶメイル」視聴後に見ると、なぜ「ハートアンダーブレードと呼べ!」と言ったのか、なぜ「キスショット」と呼ばれると、少し照れているように見えるのか・・・そういったキスショットの感情が見え隠れしているのに気付くことができて、面白かったですね。
熱血篇は今年の夏に公開。この熱が冷めないうちに早く観たいですね!
↓終物語はお好きですか?
*1:「おそ松くん」のとあるお話に登場するチョロ松のセリフ。ネット上では同時に、このセリフを言った時のチョロ松の姿を指して言われることが多い。