総選挙でアウン・サン・スー・チー氏が率いる野党、国民民主連盟が過半数を獲得したミャンマーの医療事情を研究している関西福祉大(兵庫県赤穂市)社会福祉学部の勝田吉彰教授(54)が、ミャンマーの情報サイトを開設している。論文や学会で発信している学術情報以外に、ミャンマー人が喜ぶお土産、接待のヒントなど「お役立ち情報」が満載。日本ではまだまだ知られていないミャンマーの素顔に触れられる。(藤森恵一郎)
ミャンマーは2011年3月、50年近く続いた軍政から民政に移管。経済開放が進み、新たな市場として、日本企業は熱い視線を送る。外務省の統計では14年10月1日現在、在留邦人は1330人にとどまるが、勝田教授は「経済発展が先行するインドネシア(在留邦人1万7893人)やベトナム(同1万3547人)にかなり速いスピードで追いつくだろう」と予測する。
勝田教授は元外務省医務官で、渡航医学・精神医学が専門。ミャンマーの在留邦人の健康管理などをテーマに研究し、現在年2回ミャンマーに1週間ほど滞在し、調査にあたっている。
サイトでは、話題を医療と福祉、鉄道、観光、グルメなど約40の分野に分けて掲載。仏教の信仰にあついミャンマー人には箱入り線香がお土産に喜ばれることや、蚊対策として欠かせない虫よけスプレーは日本製より現地で売られている商品の方が効果の高いことなど、実用的な細かな情報も多く紹介している。
サイトのアクセス(接続)解析をしたところ、大手の商社から閲覧された記録もあるといい「日本にはまだミャンマーの情報が十分にないので、ビジネスの参考にしてもらっているのでは」と勝田教授。「役立つ情報、軟らかい話など1日1話題ほどのペースでざっくばらんに公開していきたい」と話す。
サイトは「ミャンマーよもやま情報局」で検索できる。
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