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 ウクライナのメディアによると、米コカ・コーラ社は、ソーシャルメディア上の新年を祝うメッセージの図案でウクライナ南部クリミア半島をロシア領として描いたとして、ウクライナの在米大使館に謝罪した。メッセージでは当初、クリミア半島がないロシア領が描かれていたが、ロシア国内から反発が寄せられたため、同半島を含む修正した図案を再掲載。今度はウクライナで激しい反発が起きていた。

 同社は図案の再掲載について、外部の委託会社が無断で行ったとし、「我々の使命は品質の高い製品で世界をリフレッシュすることであって、事業を展開する国、地域のそれぞれの問題に関与する考えは全くない」と釈明。在米ウクライナ大使館は6日、同日付の同社副社長名の謝罪文をホームページに掲載した。

 メッセージは当初、フェイスブックと類似のロシアのソーシャルメディア「フ・コンタクチェ」に12月30日に掲載された。その後、ロシア国内の批判を受けて5日に新たな図案が再掲載された。

 クリミア半島は、2014年3月にロシアが一方的に併合を宣言した。同半島をロシア領に含む図案が再掲載されると、ウクライナでは瞬く間にソーシャルメディアでコカ・コーラ社への不買運動の呼びかけが広がり、一部の国会議員らも同調する事態に発展した。図案はその後削除された。

 ウクライナのメディアに転載された新旧の図案によると、再掲載の際、当初なかった極東の千島列島も描かれた。ただ、日本の北方領土が描かれているかどうかははっきりわからない図案となっている。(ウィーン=喜田尚)