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 インドネシアから2002年に独立した東ティモールが注目を集めている。人口120万人の小国だが、国民の半数近くは15歳以下という市場の可能性と天然資源を持つ潜在力に、欧米企業などが商機を探る。一方で、人材不足から産業の多角化は思うように進まず、21世紀最初の独立国は課題にも直面している。

 首都ディリ近郊の山間部にあるヘラ地区。森を切り開いた土地で、昨年12月上旬、この国で初めてのビール工場の建設が始まった。今年末の稼働をめざす、オランダのビール大手ハイネケンの現地事務所長、ビネイ・マソア氏は「政情が安定し、今後の消費の拡大を期待できる」と話す。

 これまで、石油・ガスの採掘にかかわる企業以外では、外資の進出は目立たなかった。ところが、政府が国家予算の約3割をあてて道路や電力などのインフラ整備を進めると、外資が向ける目線が変わり始めた。