富山立山曼荼羅 6日から公開 科学の目で「修正」探る
立山町芦峅寺の県立山博物館は、描き直された形跡がある立山曼荼羅(まんだら)を六日から特別公開する。同館が二〇〇七年に元興寺文化財研究所(奈良市)に委託した調査で、修正の跡が確認された。担当者は「なぜ描き直されたのか分からない。来館者にも一緒に考えてもらえたら」と曼荼羅の謎に誘う。 この立山曼荼羅は、立山の宿坊が江戸時代以降、愛知県尾張地方で布教活動する際に使ったものとみられ、名古屋市の民家で保管されてきた。十カ所に訂正された形跡が確認でき、背面に一八三〇年に修復されたことが記されていた。 同博物館は今回、デジタル近赤外線で撮影して修正部分を示した作品と、実物を並べて展示した。修正部分では、参詣者が塗りつぶされて消されていたり、岩から噴き出る火炎が滝を上描きすることで消されていたりしている。 布橋灌頂会(かんじょうえ)を描いた部分は、多くの参詣者が描き足されている。この部分について、担当者は「布橋灌頂会が江戸後期に盛んになったことで、それを強調する描き方に修正したと推測できる」と説明している。 特別公開は六日から二月二十八日まで。祝日を除く月曜と祝日の翌日は休館。観覧料は一般三百円。 (豊田直也) PR情報
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