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株式会社ユーコーに対する排除命令について

平成20年2月20日
公正取引委員会

公正取引委員会は,株式会社ユーコー(以下「ユーコー」という。)が販売する寝具及び衣料品の表示について調査してきたところ,景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)及び同項第2号(有利誤認)の規定に違反する事実がそれぞれ認められたので,本日,同法第6条第1項の規定に基づき,同社に対して,排除命令(別添排除命令書参照)を行った。

1 関係人の概要

事業者名 所在地 代表者
株式会社ユーコー 東京都豊島区南大塚二丁目26番15号南大塚ビル8F 代表取締役 石田重廣

2 排除命令の概要

(1) 違反事実の概要

ア ユーコーは,別表1記載の商品を一般消費者に販売するに当たり,一般日刊紙等の新聞紙に掲載した広告において,別表1のとおり記載することにより,あたかも,当該商品の原材料として絹が100パーセント用いられているかのように示す表示をしているが,実際には,それぞれの原材料として用いられた絹の割合は100パーセントを大きく下回るものであった。

イ ユーコーは,別表2記載の商品を一般消費者に販売するに当たり,一般日刊紙等の新聞紙に掲載した広告において,別表2のとおり記載することにより,実際の販売価格に比し著しく高い価格を比較対照価格として併記しているが,当該比較対照価格で販売した実績はないものであり, 実際の販売価格が著しく安いかのように表示していたものであった。

(2) 排除措置の概要

ア 前記(1)アの表示は,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であると示すものであり, また,同イの表示は,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく有利であると示すものである旨を公示すること。

イ 再発防止策を講じて,これを役員及び従業員に周知徹底すること。

ウ 今後,同様の表示を行わないこと。

別表1

商品名 表示期間 表示内容 実 際
シルク(わた)100%掛け布団 平成19年6月ころから同年9月ころまで 「これがシルク100%の中わた。高品質のシルクはとろけそうなやわらかさ。」
「シルク SILK 100%」
「シルク(わた)100%掛け布団」
「素材/中わた:シルク100%,側生地:綿100%」
と記載
それぞれの原材料として用いられた絹の割合は,100パーセントを大きく下回るものであった。
シルク(わた)100%敷き布団 「シルクわた SILK 100%」
「シルク(わた)100%敷き布団」
「素材/中わた:シルク100%、側生地:綿100%」
と記載
シルク100%ワッフル織り肌掛け 「繊維の宝石「シルク100%肌掛け」
「素肌にしっとり、お肌に優しい 洗えるシルク100%の肌掛け」
「羽毛部分だけ」シルクを使う肌掛けとはちがい、グランドに至るまでシルク100%の本当に贅沢なシルク肌掛けです。」
「シルク SILK 100%」
「シルク100%ワッフル織り肌掛け」
「素材/シルク100%」
と記載

別表2

商品名 表示期間 表示内容 実 際
シルクわた掛け布団 平成18年1月ころ以降 例えば,
ア 高級シルクパジャマについて
 「本日から5日間だけの 愛用者70万人突破 感謝価格」
 「高級シルクメンズパジャマ 2,800円 締切日以降は 8,400円になります」
等と記載
イ シルク(わた)100%掛け布団について
 「シルク掛け布団が (期間限定感謝価格) 本日より5日間  5,980円 締切以降は 42,000円となります」
等と記載
締切日以降の価格で販売した実績はなかった。
シルクわた敷き布団
シルク(わた)100%掛け布団
シルク(わた)100%敷き布団
シルク100%ジャガード柄毛布
シルク100%ワッフル織り肌掛け
シルクブルゾン
高級シルクパジャマ
高級シルクトランクス
シルクタートルセーター

(参考)

不当景品類及び不当表示防止法(抜粋)

(昭和三十七年法律第百三十四号)

(目的)

第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の特例を定めることにより、公正な競争を確保し、もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。

(不当な表示の禁止)

第四条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲げる表示をしてはならない。

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示

二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示

三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの

2 (省略)

(排除命令)

第六条 公正取引委員会は、第三条〔景品類の制限及び禁止〕の規定による制限若しくは禁止又は第四条第一項〔不当な表示の禁止〕の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令(以下「排除命令」という。)は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、することができる。

2及び3(省略)

附属資料

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