週刊 ニュース深読み 2016.01.09


おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
ことしもよろしくお願いいたします。
けさは8時45分までの放送です。
ことし初めはこちらのニュースからです。
年明け早々、驚きました。
そうですよね。
今週水曜日、北朝鮮は4回目となる核実験を行いました。
しかも初めて水爆の実験を成功させたと発表し、世界に衝撃が広がりました。
このニュース、北朝鮮情勢に詳しい関西学院大学の平岩俊司教授と共にお伝えします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
3日たちましたけれども、改めて平岩さん、今の時点では、どう感じていらっしゃいますか?
そうですね、まだ北朝鮮側も対決姿勢を強めているので、この問題、今後、どういう展開するのか、まだ少し読みにくいかなという、そんな印象ですね。
実験に成功したというニュースを聞いたときはどういうふうにお感じになりました?
去年ぐらいからずっと対話路線できてましたので、このタイミングで核実験を行ったということには、非常に驚きましたですね。
驚かれたと?
平岩さんにはこのあとも詳しくお話を伺ってまいります。
まずはこちらからご覧ください。
今週水曜日の午前11時過ぎ。
その直前、中国東北部に設置された監視カメラの映像では、揺れが。
日本にも緊張が走りました。
そして日本時間の午後0時半。
北朝鮮は特別重大報道を、世界に向けて発信しました。
号外です、号外です。
拉致被害者の家族は。
各国は一斉に北朝鮮を非難しました。
北朝鮮と結び付きの強い中国も。
事前の予告なしに行われた今回の核実験。
朝鮮中央テレビは、キム・ジョンウン第1書記が今月3日に最終命令書に署名したと伝えています。
そこには水爆の実験を承認する。
6日に断行することと書かれていました。
長年、核開発を推し進めてきた北朝鮮。
核実験をこれまでに3回行ってきました。
そして今回、初めて水爆の実験を成功させたと発表しました。
水爆の威力は、原爆の数百倍以上にもなります。
しかし、今回の核実験が水爆だという北朝鮮の発表について。
核実験だったものの、水爆だったかどうかは懐疑的な見方が広がっています。
韓国は、対抗措置として、およそ4か月ぶりに北朝鮮向けの宣伝放送を再開しました。
国連の安全保障理事会では、北朝鮮による核実験を強く非難する声明を発表。
制裁を強化する新たな決議の採択に向け、各国の間で水面下の協議が始まりました。
国際社会からの孤立を深める北朝鮮。
今回の核実験のねらいは、どこにあるんでしょうか。
というように、4回目の核実験を行った北朝鮮なんですが、今回は、これまでの3回と異なるポイントがあります。
こちらにまとめました。
一つずつ見ていきますが、まず1つ目が、国営の朝鮮中央テレビが核実験の発表当日に放送したニュースは、特別重大報道とされました。
これまで特別放送などはあったんですが、ここまでの表現を使ったのは初めて。
そして上から2段目、原爆に比べて、桁違いの威力を持つという水爆の実験に成功したという発表をした、これも今回が初めて。
そして一番下、これまで3回は、事前に人工衛星と称するミサイルの発射をするなど、挑発的な行動などを取って、前兆が見られたんですが、今回はこういった前兆を見せないまま、実験が突然行われたということなんですね。
平岩さん。
そうですね、こういうようなこれまでと違う形で行うことによって、従来以上に強いインパクトを国際社会、とりわけアメリカに対して、向けたということがいえるんだろうと思います。
それから前兆なしのところに付け加えるとすると、今回はこれまでの3回の実験と違って、事前に中国に対して、通告をしていなかったということが、一つ、注目されるんだろうと思います。
昨年の10月に、朝鮮労働党の70周年の大会に合わせて、中国から要人が北朝鮮を訪問して、一応、回復基調に戻ったといわれてるんですけど、それまで例えば3回目の核実験に対して中国が不満を持ったとか、あるいはチャン・ソンテクという、キム・ジョンウン第1書記の義理のおじさんを粛清したことで、中朝関係悪くなったといわれてたんですけども、そういった回復基調の流れの中で、このモランボン楽団を北朝鮮は中国に派遣したわけですけれども、それが直前にキャンセルになったわけですけれども、その一つ、いくつかの理由のうちの中で、直前に、北朝鮮側から水爆実験を示唆するような発言があったことに対して、中国側がクレームをつけたとか、あるいはこの公演の背景に、ミサイル発射の映像が流れることに対して、中国側が懸念を表明したということで、そうであれば、北朝鮮とすれば、その回復基調というのが、必ずしも中国が自分たちの側に立ったわけではない、むしろ今後、より多くのものが要求されるかもしれないという思いもあったでしょうし、むしろ中朝関係を良好に戻すために、ミサイルであるとか核を自制してきたという、そういう思いが恐らくあるはずでしょうから、このモランボンが、一つのきっかけとなって、今回の実験に至った可能性というのは十分あるんですね。
実際、モランボンの楽団が帰った3日後に、キム・ジョンウン第1書記が、水爆実験を指示したというふうに発表してますので、恐らくそういうような関連で考える必要があるんだろうと思いますね。
そうしますと、ある種、防波堤になっていた中国が自分たち寄りではなくなったというような判断をして、その3日後に判をついた、水爆実験をしろという命令を出したっていう?
もちろん、一つのきっかけだと思いますけれども、やはりことしの5月に北朝鮮では36年ぶりの朝鮮労働大会というのが予定されているわけで、そこでは、キム・ジョンウン第1書記の政権になってからの成果というのが発表する必要があるんですね。
例えば南北関係統一問題であるとか、安全保障の問題であるとか、それから経済の問題なんですけれども、とりわけ、安全保障と南北関係について言うと、去年、中朝関係を回復させるために、ミサイル発射、それから核実験を自制してきたために、もう少し大きなアメリカとの関係で、成果があればよかったんでしょうけども、北朝鮮からすれば、それがなかったために、このまま一方的に自制を続ければ、党大会までなんら成果がないということになってしまう、ですからこのタイミングで、先ほどの中国との関係、中国に対する遠慮する必要がなくなったという状況を受けて、核実験を行うことによって、アメリカに対する強いメッセージを送って、あわよくばアメリカとの交渉を始めたい。
もしそれがだめだとしても、この水爆実験を行ったことによって、アメリカに対する防衛能力、核打撃力というのをつけたということを国内外に鼓舞する、とりわけ北朝鮮国内に対してアピールすることができて、それが党大会での成果ということになるんだろうと思いますね。
アメリカに対してのメッセージは、アメリカとしてはこれは水爆ではないんじゃないかという話もあって、うまく思惑働いているようには思えないんですけれども、一方で、中国は態度を今回、変えているというのがあるんですね?
そうですね。
今回は、もちろんその事前通告がなかったということで、中朝関係の変化、一つ見られるんですけれども、そうしたある種の中国側の驚きと憤りという言い方がいいのかもしれませんが、その北朝鮮に対して、今回の行為に対して、北朝鮮の行為を非難するとともに、従来の、かつての3回について言えば、北朝鮮に対しては自制を求める一方で、その一方で、国際社会も冷静に対応して事態を悪化させないようにしてほしいということがいわれてたんですが、今回は、各国への冷静な対応というのを言及してないんですね。
ですから、今回の北朝鮮の実験に対する中国側の驚きと憤りがまさにここの文言から見て取れるということになるんだろうと思いますね。
今後、その北朝鮮の暴挙を食い止めるためには、この中国はどういうアプローチをしていくべきでしょうか?
そうですね、中国は北朝鮮に対して最も影響力のある国であることは、これ間違いないと思うんですが、これまで必ずしも自分が持っている影響力というのを適切に使ってこなかったという不満が、国際社会にはあるんですね。
とりわけアメリカ、日本にはあるわけで、ですから現在も国連で北朝鮮に対して新たな制裁をということで、調整が続いてるんだろうと思うんですけれども、その中での課題というのは、いかに中国が自分が持っている、その影響力を使わせるかという、そういう意味での国際社会の中国側での働きかけというのが今、重要になってきてるんだろうと思うんですね。
けさは平岩教授と共にお伝えしました。
ありがとうございました。
さあ、こちらも新年早々、新たな危機が持ち上がっています。
混迷の度を深める中東です。
中東のこのサウジアラビアで、年明け2日に、ある発表がありました。
政権への抗議デモを主導したなどとして、こちらの宗教指導者、ニムル師の死刑を執行したという発表が行われました。
ここにも書いてありますが、ニムル師はシーア派というイスラム教の宗派の指導者なんですね。
実はこのサウジアラビアとペルシャ湾を挟んだ対岸にあるイランは、このシーア派の大国なんです。
イランではこのサウジアラビアの行動に抗議の声が上がりまして、さらにこんなことが起きました。
大使館に火が放たれるなど、両国の対立にまで発展しているんです。
2つの国の対立は、中東、そして世界情勢にも影響を与えかねないと懸念されています。
イランの首都テヘランにあるサウジアラビアの大使館。
年明け早々、サウジアラビアへの抗議デモの一部が暴徒化。
火を放ちました。
抗議デモは連日行われました。
これに対しサウジアラビアは、イランとの外交関係を断絶。
この動きに、バーレーンやスーダンなどが追随。
UAE・アラブ首長国連邦やカタールなども、イランに駐在する大使を召還する事態になっています。
なぜ今、サウジアラビアはイランとの断行に踏み切ったのか。
きょうはよろしくお願いします。
40年近くサウジアラビアの政治や経済を研究している、畑中美樹さんは次のように分析しています。
サウジアラビアは、イランに対して焦りを感じているといいます。
これまで核開発問題で経済制裁を受け、国際社会から孤立してきたイラン。
その経済制裁は、今月中にも解除されると見られています。
一方、世界最大の産油国サウジアラビア。
長引く原油価格の低迷で、厳しい財政状態に陥っています。
そこで欧米などから石油に代わる新たな産業を、呼び込もうとしていました。
このような状況で、イランへの経済制裁が解除されると、外国からの産業や投資を奪われると考えているというのです。
高まる両国の緊張。
対立は深まっています。
激しい内戦状態となっている、サウジアラビアの隣国、イエメン。
7日、イエメンにある大使館がサウジアラビアに攻撃されたとイランが主張。
サウジアラビア側は攻撃を全面的に否定し、非難の応酬が続いています。
そしてこの対立は、シリア情勢にも深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。
イランはアサド政権を支援。
一方、サウジアラビアは反政府勢力を支援し、いわば代理戦争の様相を見せています。
そこへ過激派組織ISも加わり、三つどもえの戦いとなっています。
今月下旬には、アサド政権と反政府勢力の和平協議が予定されています。
両国の対立が続けば、内戦終結への足かせになりかねないと、畑中さんは指摘します。
2国間の対立というのが、中東全体、ひいては世界情勢に影響を及ぼしかねない、もう影響しているという状況なんですよね。
そうなんですね。
畑中さんは、もう一つ、日本もひと事ではないという指摘をされていました。
中東というのは、石油の産油国というだけではなくて、インフラ整備などのビジネスチャンスもある地域でもあると。
ですから、不安定ですと、そこに日本企業が進出するのが難しくなって、対立が長引くと、そういうことが積み重なって、世界経済にも影響を及ぼす可能性があると。
実際に進出している企業もありますからね。
さあ、その日本経済も年明けから気になる動きになっています。
日経平均株価がこちら、1万9033円71銭と、年末の終値としては、19年ぶりの高値で取り引きを終えた東京株式市場なんですが、それがずーっと落ちてきまして、年明けから5日連続の値下がりとなったんです。
ことしの株価の見通しは。
4日、証券会社のトップからは、強気な見方が示されました。
しかし、東京株式市場は波乱の幕開けに。
日経平均株価は、一時、600円以上下落しました。
株価は翌日、その翌日も値下がりを続け。
おとといには終値としては、およそ3か月ぶりに、1万8000円を割り込みました。
きのうも値下がりは止まりませんでした。
年明けから5日連続で値下がりしたのは、戦後初めてです。
中東情勢への懸念や、北朝鮮の核実験。
そして株価下落の大きな要因となっているのが、中国経済の先行きへの懸念です。
株価の大幅な下落を受けて、上海の株式市場では、すべての取り引きが一時、停止されています。
上海の株式市場は、おととい、基準となる株価指数が7%以上下落。
年明けから2度にわたって、株価の急な変動を抑制するための制度が発動される事態となりました。
上海市場の今後はどうなるのか。
そして東京市場は。
市場関係者は、投資家の間で中国経済の先行きへの懸念は根強いと話しています。
年の初めから世界情勢、目まぐるしく動いていますけれども、希望の持てる1年にしたいですね。
そうですね。
そして、ことし一年のスタートにあたり、こんなニュースもありました。
火曜日。
東京の築地市場で、最後の初競りが行われました。
老朽化が進んだため、ことし11月に移転します。
注目のマグロ。
ことしの最高値は1400万円。
青森県大間港で水揚げされた、重さ200キロのクロマグロでした。
新しい市場の移転先は、2キロ余り離れた江東区豊洲です。
アメリカ社会を二分する銃規制の問題。
オバマ大統領は、議会の承認を必要としない大統領権限を使って、規制の強化に乗り出すことを発表しました。
インターネットなどを通じて、銃を販売する業者にも免許の取得や購入者の審査を義務づけるとしています。
一方でアメリカで有数のロビー団体、NRA・全米ライフル協会は、感情的な説教はいらないなどと反発しています。
東日本大震災から5年となることし。
原発事故の影響で、避難区域となっている、福島県南相馬市小高区で、月曜日、新年のはしご乗り奉納が行われました。
小高区では、住民が帰還に向けた準備を進めています。
こちらは神戸市。
今月17日に阪神・淡路大震災の発生から21年となります。
毎年、犠牲者を追悼する集いで並べられる竹の灯籠。
文字を書き込むボランティア団体は、メンバーが高齢化したため、来年以降は、若い世代へ活動を引き継ぐということです。
気象情報、ことしも南さんとお伝えします。
お願いします。
中條さんは年末、スキー場に行くと言っていましたけれども、どうですかろろ
予定どおり行きました。
北陸・富山にまいりましたけど、やっぱり雪が少なかったですね。
上のほうだけ滑れましたね。
そうですね。
12月は記録的な暖かさになった所多くて、観測史上、第1位の記録だったという所も多かったんですよね。
やはり暖冬なんですか?
暖冬、やっぱり続いていますよね。
でもここへきて、けさはちょっと寒いかなと感じたんですけれども。
ただそれは、体感的に寒かったというだけで、データから見ると全然寒くないんですよね。
この11月の1日からの気温の、東京の最高気温の様子ですけれども、これ平年の値に比べて、ことしの気温の状態なんですが、高かったり、低かったりしてますが、お正月といいますか、年が明けてからかなり気温高い状態続いて、平年と比べて5度くらい気温、高かったんですね。
ちょっと冷え込んだので、寒く感じたとは思いますが、それでもね、ほぼ平年並みなんですよね。
えっ?いや、寒い気がするけど。
それは体感的に感じているだけ。
もうこの暖かさに体が慣れてしまった?
そういうことですね。
それにしても南さん、乱高下過ぎませんか。
そうですよね。
あまりにも気温高い状態になるので、ちょっと下がっただけで、かなり寒く感じるんですよね。
向こう1週間どうなるかといいますと、向こう1週間、ほぼ平年並みの寒さ、平年より相当寒いというわけじゃないんですね。
そのあとはというと、東日本から沖縄は、まだ暖冬の傾向続きますんで、ことしはやっぱり気温高い状態続いて、ちょっとやっぱり、雪は少ないかもしれないですよね。
ただ体調管理は油断しちゃいけないですね。
そうですね。
かなり上がったり、下がったり、大きいですんで、体調管理だけは十分注意をしていただきたいと思います。
そしてこの3連休の天気ですが、この3連休、日本海側はちょっと雪や雨が続いて、まだ太平洋側は晴れの天気が続くと。
成人の日は雪の所が日本海側、多くなりますので、晴れ着を注意してほしいと思います。
2016/01/09(土) 08:15〜08:45
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み[字]

北朝鮮核実験の波紋・ねらいは?今後は?専門家とともに深読み▽緊張は中東でも・対立深まるサウジアラビアとイラン▽年明けから株価下落・どうなる日本経済▽週末の天気は

詳細情報
出演者
【ゲスト】関西学院大学…平岩俊司,【キャスター】中條誠子,高井正智,【気象キャスター】南利幸

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ニュース/報道 – 定時・総合
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スポーツ – スポーツニュース

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