(店長)えっ?おい5分後に社長来るぞ!
(店員)えっ社長が!?うそ!また抜き打ち?
(店長)お前これ片づけとけ。
あとお前1ミリもずらすなよ。
トイレチェックして。
分かりました!
(店長)おい早くして!はい!いらっしゃいませ。
お待たせしました。
ごゆっくりどうぞ。
(出入り音)
(店員たち)いらっしゃいませ。
ガシャン!
(トレイをひっくり返す音)
(店員)ああ〜!やっちゃった〜。
何?あれ。
あの…最近入りました新しいバイトでして…。
クビにして。
長谷川さん?ママに伝えてほしいんだけど。
まさかまたですか?うんクビ。
クビ!?何を言うてんねんなあんた。
私昔な法律事務所でバイトしてたこともあんねんで。
法律には詳しいねん。
あんた私をクビにできる権限あると思うてんのかいな!私は社長よ。
あるわよ。
そうクビ。
クビ。
クビかいな。
はぁ…。
えっ…。
ハンバーグ480円か。
えらい安なったもんやなぁ。
えっ?35…。
何?これ。
(村田)いやどういうわけか…。
(松原)申し訳ありません。
(村田)何かの間違いで紛れ込んだみたいで。
あなた〜一体何を考えて応募してきたわけ?うちはね年をごまかすような人間の相手をしてる暇も時間もないの。
ってか何?この35って。
そうかて募集要項のとこに「35以下」って書いてあったしそう書かへんかったら面接もしてもらえへんやないかなぁと思いまして。
けど心と体はいつも35歳ですので。
次の人入ってもらって。
(松原・村田)はい。
(村田)本日はありがとうございました。
はぁ…。
ってかなんなの?そのバッグ。
ちょっとあんたそれは言い過ぎと違うの?そら年ごまかした私は悪かったかも分からへんよ。
けどどんなバッグ持とうが私の勝手やないの。
かまへんやないのこれ気に入ってんねやさかいに。
丈夫やしよう入るし使い勝手はええし。
そらあんたみたいに社長さんやったらやね何十万のバッグポ〜ンと買えるかもしれへんけどね…。
「あんた」?今あなた私のこと「あんた」って言った?私そんなこと言いましたかしら?言いましたよあんた私のこと「あんた」って。
「私のこと『あんた』って」今あんたかて私のこと「あんた」って言うたやないですか。
あんたに「あんた」って言って何が悪いのあんた!「あんた」言うたらいかんいう人が「あんた」言うてあんたが私に「あんたあんた」言うて私が「あんたあんた」…。
(長谷川)社長…社長!おやめください。
こんな女に関わってる暇は…。
それよりもっと大変なことが。
とっとと出てってもらって。
何?
(長谷川)お手伝いさんが帰ってしまいました。
また?金に糸目は付けないから早く次の人探してちょうだい。
これ以上は無理です。
お願いだから私は時間が…。
あの…。
今年これ何人…。
あの〜!何!?私家政婦の免許持ってるんですけど。
家政婦?免許?こないだまで家政婦の派遣会社に登録されてましてまあその…本部社員っちゅうのがもう煮ても焼いても食べられへんいけすかないねえちゃんでね知らん間にコン!クビですわ。
聞いてないからあなたの身の上話。
これまた失礼いたしました。
(村田)早く…。
あっちょっと待ってちょっと言わなあかん。
(村田)何?何?社長さんあんたべっぴんさんなんやさかいに怒ったらあかんてもう。
眉間にシワいってんでここ。
ワニ皮のベルトみたいになってんでここ。
(松原)ちょっとちょっと…。
・縦縦横横…
(松原)余計なこと言わない。
(村田)ちょっと…ちょっとちょっと…。
(松原)ちょっと…。
失礼しました。
(村田)すみません。
ああ〜やっぱり無理やったかぁ。
どないしようかなぁ。
どっか働くとこないかいな?そりゃな35は無理でもあんた前髪垂らしたら40ぐらいに見えんのとちゃうかいな。
はいもしもし。
(長谷川)「ミレニアム・コーポレーション」の長谷川ですが先程の。
あっどうも。
私なんか忘れ物でもしましたでしょうか?真心とか笑顔とか。
いえ忘れ物はしておりません。
社長があなたを採用したいと言っております。
私社員にしてくれはるんですか?ほんまに?
(長谷川)いえ社員ではなく臨時の家政婦として。
伝えましたがよろしいですか?いいわよ。
どうせ10日ともたないんだからその間に次の人探しましょう。
誰もいないよりはまし。
(長谷川)そういうことですので明日今から伝える場所に来ていただけますか?ちょ…ちょっと待ってくださいね。
よっ…よいしょ。
ちょっと待ってください。
はいどうぞ。
はい…。
はい…。
はい…はいはい。
えっ?あっはいはい。
はぁ〜。
いらないってどういうこと?無理ばっかり言ってないでママを困らせんのやめてちょうだい。
ったく次から次に勝手にクビにして。
だからもういい!お手伝いさんなんて。
じゃあ誰が家のことするの?誰がご飯作るの?あなた留守番できるの?一人でなんにもできないくせに文句ばっかり言うのやめてちょうだい。
それにしても遅いわねぇ。
ママはね時間を守らない人間が大嫌いなの。
・ピンポーン
(インターホン)はい。
おかしいな。
これどこ押したらええのんかいな?これ。
すみませ〜ん。
どのボタン押したらよろしいの?701号室ですよね?これ開きませんねやわ。
どこ押したらよろしいねやろね?これ。
これは…。
開きましたわ。
・タラリラッタリッタラッタラッタあっおはようございます。
まあすみません。
今どきのオートロックっちゅうの…。
時間がないの早く来て。
あっはい分かりました。
麻衣麻衣早く来てちょうだい。
・ちょっと麻衣時間がないから。
何やってんのよ。
すみません。
ほら早く来て。
何?それ。
早く。
新しい家政婦さん。
あっお嬢さんですか。
はじめまして。
福田みどりと申します。
よろしくお願いいたします。
はぁ…お母さんに似てべっぴんさんですね。
はいこれがあなたの仕事マニュアル。
じゃあざっと説明するからこっち来て。
あっ…。
え〜っとここが麻衣の部屋。
麻衣ちゃんの部屋。
でここが私の部屋。
プライベートスペースだからここには絶対立ち入らないで。
あっはい。
でそこが和室。
でこっち来て。
ここがリビングとキッチン。
でここがお風呂とトイレと洗面所。
今日は早く来てもらったけど通常の勤務時間は午前11時から夕方6時までの週6日。
基本的な仕事としては掃除洗濯買い物食事などの家事全般と麻衣の帰宅出迎え。
食事は夕食の準備と翌日の麻衣のお弁当の仕込み。
おかずは3品以上。
弁当のおかずも3品以上。
え〜っと買い物の現金はこことこれが出納帳と…あっこれが日報ね。
1日の仕事の内容を事細かく書いておいてちょうだい。
あっ麻衣の様子も事細かく書いといてちょうだい。
夕方6時になったら帰ってもいいけどその前に私に終了のメールを入れること。
遅くなったら時間を延長してもらうこともあります。
あっそうそうそう。
これが携帯と私のメルアド。
連絡が取れないときは専務の長谷川に。
でこれが鍵。
絶対になくさないで。
ほかに何か質問は?質問というかようそんだけスラスラスラスラしゃべらはりますねぇ。
さすが社長さんですわ。
もう日本一!はぁ〜あんな次から次言われたら何がなんや分からんわ。
あぁ〜あ。
はぁ〜。
あかんあかん。
こんなん読んでたら日暮れてしまうわ。
とりあえず掃除しよ。
よいしょ。
・お嬢さ〜ん!麻衣ちゃん?麻衣ちゃん?ん〜麻衣ちゃん!あっ!掃除機はどこにあるんですか?ああ〜これに書いてあるっちゅうことですね。
ふん。
そや。
あっ。
麻衣ちゃん!麻衣ちゃん?麻衣ちゃん。
麻衣…。
はたきってどこにあるんですか?・ちょっと麻衣ちゃん私びっくりしましたよここのトイレ。
・近づいたらパッと開くんですねあれ蓋が。
麻衣ちゃ〜ん!あっあの…お昼ご飯やけどラーメンとうどんやったらどっちがよろしいですか?それともお好み焼き焼いてあげようか?お昼は「万平堂」のエビかつサンドを買ってきてくれればいいです。
それとこれマニュアルに加えてください。
「麻衣に話しかけないこと麻衣の部屋に入らないこと」。
(心の声)≪お手伝いさんランキングワースト1福田みどり絶対に辞めさせること決定≫キュイーン!「勝ち残るための経営法」。
あら社長さんの本や。
えっ…。
なんなの?この数字。
なんのためにコックを廃止して工場一括システムにしたと思ってんのよ?低価格でおいしい料理を提供するためでしょ?はい…いやですから…。
データの分析もしてないの?言ったでしょ?役に立たない人間は置いておかない主義だって。
(松原)はあ…。
次は新しいメニューとイタリアンフェアの内容確認をしましょう。
そして次に抜き打ちで世田谷店へ行きましょう。
専務。
(長谷川)はい。
こっそり連絡するのやめてね意味がないから。
もちろんです。
ははっ…。
今年中にどうしても100店目を達成させたいのよ。
「ミレニアム」を100店舗にすることが私の目標だし夢だったの健ちゃんのためにも。
絶対今年中に100店目を出しましょう。
(一同)はい。
ただいま。
(麻衣)おかえんなさい。
はぁ〜疲れた。
はぁ…。
あっそうだ麻衣こないだの算数のテストどうだった?まだママ見てないけど。
ママに言われる前にちょっと出しなさいよ。
そうだこないだだって塾の先生が…。
あれ?これあの人が置いてったの?いや置いてったっていうか…。
・ガチャ
(ドアの音)あっ社長さんどうもおかえりなさいませ。
遅くまでお仕事ご苦労さんでございました。
あっよかったらですねそれ食べてくださいね。
それからお約束どおりえ〜っとこれやな。
日報と…これや間違いない。
ちょっとちょっと…ちょっと待ちなさいあなた…あなた。
えっ?あなたもしかしてわ…私のじ…自慢のジャグジー風呂に!?すばらしいお風呂ですね。
生まれて初めて入らしていただきました。
泡ボコボコでございますからね私あっどっから出てくんのんかいなって探してるだけでも楽しめました。
どこに風呂入っていいって言ってんの?このマニュアル本はどうしたの?っていうかねあなた金輪際この家に足を…。
私をクビにしたら次の人探さなあかんのと違うんですか?それってめっさ大変なんと違いますの?あっ社長さんのヘアスタイルまねてみました。
分け目こんでよろしい?
(麻衣)≪面白い。
あのおばさん面白すぎる!≫≪ママが口あわあわさせて怒っていたのは快感!≫≪あのママの顔を見て私は決めた≫≪もう少しあのお手伝いさんをここにいさせてママを困らせてやろう≫えっ!
(生徒)おはようございます。
(先生)おはようございます。
おはようございます。
ごきげんよう。
(橘)桐原さんごきげんよう。
ごきげんよう。
(生徒)おはよう。
(生徒)おはよう。
(紗知)おはよう桐原さん。
(美和)おはよう。
家のほこりは心のほこりと。
ねえ。
家を磨いて心も磨きましょ〜う!や。
はい麻衣ちゃ〜んお部屋お掃除しましょうねぇ。
はい…。
こ…。
「ママの悪口ノート」…。
「お手伝いさんノート」?はぁ…。
あっ麻衣ちゃんあんたちょっとあのノートあかんで。
えっ?あんたいくらお母さん嫌いやからいうてやね私が勝手にお母さんのジャグジー入ってそれで困ってるお母さんの顔見てんのがとても楽しかったってそんなことノートに書いたらあかんってあんた。
み…見たの?へっ?私の部屋に勝手に絶対入るなってマニュアルに書いて渡したじゃない。
決め事っていうのは破るためにあんのよ。
せやから私これから気にせんとどんどんどんどんあんたに話しかけますよ。
はい食べましょ。
はい食べなさい食べなさいはよ。
なっ。
な…何?これ。
スポンジみたい。
スポンジってあんた高野豆腐食べたことないの?かわいそうに。
あんたこれ高野豆腐だけちゃうで。
豚汁やろほんでブリの照り焼きやろ・きんぴらごぼうにキュウリの浅漬けに。
・みりんで炊いてあんねんおじゃこ。
おいしいで。
食べなさい。
なっ。
大丈夫やて言わへんって。
今晩ノートに「お料理はものすごくおいしかったけどあのお手伝いさんがうるさくて大嫌いだ〜」って・書いたところで誰にも言わへんし私は恨まない。
さあ食べよう。
はいどうぞ。
ええから食べなさいってはよ素直に。
どない?おいしいやろ?なあおいしいやろ?なあ。
おいしかったらおいしいって素直に言いなさい。
おいしいか?おいしいか?おいしいか?なあ?
(麻衣)あっ長谷川さんどうしたんですか?
(長谷川)こんばんは。
麻衣ちゃん今日ママねお仕事で遅くなるんだって帰りが。
それでちょっと様子を見てきてって言われたから。
(麻衣)あっどうも。
どないしましょ?よかったら一緒に…。
いえいえ私はもう結構です。
ほなすぐお茶いれさせてもらいます。
へえ〜ほな専務さん今独身なんですか。
(長谷川)まあバツが1つっていうことですけどね。
バツ1いうたらこれ正真正銘の専務さん独身やないですか。
(長谷川)そうですけどね。
ほなご飯どないしてはりますの?
(長谷川)いやご飯は自分で作りますよ。
こういうのはなかなかできないんですよ。
このねおじゃこおしょうゆとみりんとほんでこれ時々山椒で炊きましたらものすごいおいしいんですわ。
(長谷川)できないなぁこれは。
どうなんですか?専務さんも独身ででうちの社長さんも独身でで私も独身で三人独身おそろい。
そうですねぇ。
麻衣ちゃんあんたちょっと聞いた?三人独身でみんなおそろいやて。
どない思う?いや…いちいち同意求められても。
あっははっ…。
なんかクールでしょ?おいしいですか?・長い坂道の・落ち葉の岡に・やさしい…それにしてもあんたちょっとこれかわいらしい服やなこれ。
なあこんなちっちゃいうちからなぁこんなぜいたくさせてもうてな。
よいさ…。
これクリーニング出さなあかんかったんとちゃうんかいなこれ。
まあええわもう。
私のあんたアイロンはプロ並みなんやから。
ねえ。
よっ。
・すてきなすてきな・ピンポーンはい。
・ピンポーンピンポーンうるさいなぁもう。
は〜い。
(インターホンからの声)お届け物です。
は〜い。
何着いたん?そやからなんべんもごめんなさいって謝ってるやんか。
なあ?ほいでここんとここうやってワッペン付けたらかわいなったやん。
私昔な手芸屋さんで働いてたこともあんのよ。
かわいいやろ?なあ?一回ちょっと似合うかどうかしてみましょか。
はいう〜って…。
うっ…。
ちょっとなんやねんなこれ。
ええよ新しいの買うたらそんでええねやがな。
これ私が着てやるさかいにな。
ええってこれこうやって着たるわ。
ああ〜!返して!返して!返して!あっ!はぁはぁはぁ…。
あぁ…。
・ガタンガシャガシャ…カラン
(物音)はぁ…。
・ガタンガラガラ!
(物音)ちょっと何?・ガタンガラガラ…びっくりした。
なんなのよ?朝っぱらから。
来るなら来るって連絡してよ。
泥棒かと思ってびっくりしたじゃないの。
すみません起こしてしもたらあかんと思いましたのでそっと忍び込みました。
なんで忍び込むのよ。
はぁ…。
あの…今日麻衣ちゃんの写生会やからお弁当の特別バージョン作ってあげなあかんなぁと思って。
ああ〜。
まさか忘れてはったわけやないですよね?忘れるわけないわよ。
いらんこと言うて申し訳ございませんでした。
あっ私社長さんの本読みましたあの「勝ち残るための経営法」。
あっそう。
ははっ。
私社長さんのことバツ1やと思ってたんですけども旦那さんお亡くなりになったんですね。
そうよ。
ものすごい腕のええコックさんやったって。
まあね。
それで急に思い出したことがあったんですけど。
何?今度にさせていただきます。
ちょっと…なんなのよ朝っぱらから。
(麻衣)もう何してんの?朝っぱらから。
もう泥棒かと思ってびっくりしたじゃない。
麻衣ちゃんワンピースのお詫びにねぇ今日の写生会お弁当の特別バージョン持っていってもらおうと思ってこんなん作りました。
はい。
いらないお弁当なんか。
ははっそんな言わんと…。
いらないからそんな変なお弁当!はぁ…。
麻衣…。
・バタン
(ドアの音)
(橘)皆さんもう葉っぱまで描けてますか?
(一同)は〜い。
(橘)わあ〜もうお空まで描いてるんだ。
ふふっ。
(橘)桐原さんとっても上手に描けてますね。
あっ先生。
ここの所もう少し緑を濃くしたら?はい。
うん。
・
(生徒)橘先生!
(橘)は〜い。
・わあ〜もう完成?・
(生徒)はい。
・
(橘)早〜い。
じゃあ今度は…。
あっ…。
(紗知・美和)あははっ。
やばい。
マジやばい。
(5人)あははっ。
(麻衣)誰がやったの?
(紗知)えっなんのこと?
(紗知)何するの!?
(橘)ちょっと!こらこらちょっと何やってるの!やめなさい!やめなさい!
(麻衣)んっ!
(橘)桐原さん待ちなさい!止まって!桐原さん危ない!プップープーー!
(クラクション)
(マナーモード)ちょっと失礼。
はい桐原でございます。
えっ!麻衣が!?小野寺みどりでございます。
お母さん…。
あんたは幸せの青い鳥や。
さゆみちゃん…僕の子じゃないの?今更お父さんがいてるなんて言えるわけないやないの。
そりゃそうだよね。
この子の母親はこの私なんです。
・
(橘)親御さんと連絡取れました?・ガチャママ?麻衣ちゃんあんた何してんねんな?急に道路飛び出してあんたトラックにひかれたらどないすんねんあんたちょっと!
(橘)お母様。
お母さんと違うでしょ私。
お手伝いの福田みどりと申します。
どうぞ今後ともよろしくや。
(橘)福田さんそこまで怒らなくても…。
怒ってんのと違いますねん。
私この子に叱ってますねん。
これこの子の命に関わることですからねちゃんと言うて聞かせて分からしたらなあかんのんですよ。
あんた分かりますか?一つ間違うたらトラックにひかれて死ぬことかてあんねんで。
分かってんのんかいな?ちょっと麻衣ちゃん。
分かってるそんなこと!
(橘)福田さん…。
分かってないやないの麻衣ちゃん。
話聞きなさい!うぅ…。
そやからどなったりして悪かったってなんべんも謝ってるやんか。
もう泣かんといてぇな。
アメちゃんあげるから。
はいこれ幸せになるアメちゃん。
これ食べたらな涙もポ〜ンとどっか飛んでいくねんで。
けどびっくりしたで専務さんから電話あって麻衣ちゃん飛び出してトラックにひかれそうになったって聞いたとき。
長谷川さんから?ママじゃなくて?お母さんの代わりに電話してきてくれはったんや。
ええか?もう二度とあんた飛び出したりなんかしたらあかんねやで?麻衣ちゃんの命は大事な大事な命なんやさかいにな。
そんなことでだまされないから。
えっ?私が意地悪したから仕返ししたんでしょ?どなって清々したんじゃないの?ええかげんにしぃや自分!あんたどこまでひねくれてんの?一体どんな性格してんの?あんたの性格どないひん曲げてこないなってこないなってこないなったらそんなんなんねんな!言うてみぃ自分!何よ!どなればいいと思って!野蛮人!どうしたの?二人とも。
ママ!社長さん!麻衣ケガがなかったからいいようなもののどうして先生の言うことが聞けないの?どうして集団行動できないのよ?ねえ麻衣!ったく…。
・バタン学校も学校よ。
監督不行き届きもいいところだわ。
病院へは行ってくれた?はい行きました。
脳波の検査もしたんですけどもどこにも異常はございませんでしたんで。
そう…。
じゃあもう今日はいいから帰って私麻衣と話があるから。
そやけど社長さん…。
いいから二人にして!はぁ…。
麻衣・あなたクラスの子の絵破いたってほんと?コンコン麻衣。
・コンコン・麻衣。
麻衣なんとか言って。
なんであんなあんたガキに野蛮人言われなあかんねんな?母親は母親で知ら〜ん顔してるしほんまにもう。
ちょっとにいちゃ〜ん!にいちゃんこれおかわりちょうだい。
はいよ!だいたいあそこの親子わがまますぎんねんてもう。
・うんうん…。
あれ遺伝子やな。
ちっ…。
いけずの遺伝子ってあんのんかいなぁ?・まさにDNAですかねぇ。
あははっ…DNAって上手に言うてくれはるわ。
うん。
ほんまに腹立つ。
こっちの方から辞めてしもうたろかいほんま。
・えっ?っていうとまだあなたクビになってない?ええ〜そうですか。
クビって言わなかったんだ麻衣ちゃんも社長も。
それは珍しい。
奇跡に近い。
おかわりお待ち!
(長谷川)はい。
あははっ!へえ〜ほな大学行ってはらへんのですか社長さん。
(長谷川)そうなんです。
群馬のシイタケ農家の娘さんで高校卒業してすぐに東京へ出てこられたんです。
なるほどね。
私はまた有名な女子大でも出てはんねや思いましたんや。
あの…あれあの…フ国子女?帰国子女。
帰国子女…。
(長谷川)あの人ああ見えてもね結構な苦労人なんです。
私知ってますよ。
コックやった旦那さんに先立たれてたった一人で今の「ミレニアム」あんな立派なチェーンにしはったっちゅうの私あの本読みましたんや。
あの…え〜っと「肩の凝る経営法」や。
「勝ち残るための経営法」です。
(2人)あははっ。
えっ何?あははっ!ちょっと!違うねん空気…空気読んで。
もうウケよう思うて言うたのに。
もう…。
あなたもおかしな人ですね。
私それしか取り柄ありませんもん。
まあ必死だったんですよこの10年。
たった一軒の店から10年そこそこで99店舗まで増やした。
それも麻衣ちゃんを育てながら。
まあ子育ては二の次でしたけどね。
ふ〜ん。
(回想)どうして先生の言うことが聞けないの?どうして集団行動できないのよ?これ幸せになるアメちゃんこれなめたら涙もポ〜ンとどっかへ飛んでいくねんで
(長谷川)みどりさんはず〜っと一人で生きてこられたの?親もいなけりゃ子もいない。
風の向くまま気の向くまま〜でふらふら〜っと生きてたらこんなになっちゃいました!
(2人)あははっ!・あははっ!・
(拓也)先輩!・やばいっすよ。
・おい拓也!お前もちょっと来い。
(拓也)はい。
・
(店内BGM)甘ったれんのもええかげんにしぃや。
お母さんのせいなんだから!あんたは幸せの青い鳥や。
さゆみちゃん…僕の子じゃないの?今更お父さんがいてるなんて言えるわけないやないの。
そりゃそうだよね。
さゆみのことがな…うっとうしいねん!よっしゃ。
・よいしょ。
あら〜麻衣ちゃんどこ行くの?
(麻衣)本屋さん。
あっそう。
気ぃつけて行ってらっしゃい。
(麻衣)ねえねえなんか気が付かないの?えっ何が?
(麻衣)えっ信じられない自分が焦がしたくせに。
いや!ちょっとものすごいかわいいワッペンやないの。
まあなんでもよう似合わはんなおたくかわいいさかいに。
よう言うわこのおばはん!うちがせっかくあんたのこと許してあげよう思うたのに自分〜!「自分」ってあんたそんな言葉誰に教えてもうたん?「自分」なんて…。
いやどないしよ私が教えたんやわ。
忘れてた。
待って!麻衣ちゃん待って!こしょこしょこしょ…。
やめて〜!「やめて」やない。
ちょっと待って。
待って奥さん!待っておくれやす。
奥さん!待っとくれやす〜!
(麻衣)きゃあ〜!あははっ!
(麻衣)だからあの人うちに住んでもらうことできないかな?あの人って…あの人?なんで?だってどうせ毎日時間が過ぎても夜遅くまでいるし朝だっていつも時間より早く来るしたぶんこっちにずっといた方が効率的。
空いてる部屋だってあるし。
あなたはそれでいいの?それがいいのちょっとうざいけど。
はあ〜私ですか?まあ私はどっちでもよろしいんですけど。
「どっちでもいい」?煮え切らない女ねぇ。
はっきりしてよ。
まああのお風呂使わせてもらえるんやったら考えてもええかなぁと思ってます。
あははっ。
はあ!?・コンコンはい。
(長谷川)社長ちょっとお話が。
どうしてこんなに売り上げが激減してるの?
(松原)これはうちだけの問題ではないかと。
(村田)今外食産業はどこも厳しい状況です。
コンビニが店内で調理する総菜に力を入れはじめてからガラッと流れは変わっています。
外食チェーンも多様化し価格競争も激しく…。
だから限界ギリギリまで値下げしてるんじゃないの。
従業員の削減もコックを廃止して工場で調理するようにしたのもそれが全部価格に跳ね返ってくるからでしょ?ここまで値下げしてそれでもダメならそれをどうやったらひっくり返せるのかどうしたらうちが特別になれるのかそれを考えるのが企画開発の仕事でしょうが!ねえ?専務。
はい。
ええ〜なんやて?次は「クロワッサンは銀座三越」やて。
ほんまにわがままな社長やわ。
はぁ…。
(店員)お待たせしました。
ああ〜これやこれや。
いただきま〜す。
うん…。
ん?全然できなかったんだけどどうした?そうなの?すごい高いんだけど。
(長谷川)ああ〜どうも。
えっ?社長ですか?いらっしゃいますが。
いやしかしそれはちょっと…。
今あの…会議中ですので。
いやいやそう言われましても。
うるさいなぁ。
誰?
(長谷川)みどりさんです。
今受付に来ていてどうしても社長に会いたい…。
あっ…あっ!あの…すんませんちょっとよろしいでしょうか?「味が違う」?どういうこと?そやから社長さんに頼まれたクロワッサンを買いにデパートへ行った帰りにあの新橋のお店に寄らせてもらったんですよ。
ほな違うんですよ味がねあのハンバーグの味が。
前食べたんと違うんですわ。
ほんでもう慌ててえらいこっちゃと思って…。
ちょっと待って。
それはまずいってこと?はい?うちのハンバーグの味が落ちたって言いたいの?そんなこと言うてませんやないの。
昔あのお店で食べたハンバーグの味が忘れられへんぐらいおいしかった…。
それはまずいって言ってんのとおんなじことでしょうよ。
冗談じゃない。
私がどれだけ苦労して主人の味を守ってきたと思ってんのよ?それは分かってますけれども昔と味が違うっちゅうてますねん。
あなたわざわざ仕事サボってうちのハンバーグにいちゃもん付けに来たの?いちゃもんなんか付けてませんやないの!
(長谷川)まあまあ二人とも冷静に。
そやから私は社長さんのことを思ってこうやって言いに来たんですよ。
社長さんに頼まれたクロワッサンとコーヒーの豆とラベンダーの香りの入浴剤と買い私三越デパート上がったり下がったりどんだけ疲れました?それでおなかがすいたんでほんでハンバーグのランチ…。
おなかがすいたら勝手にランチ食べていいって誰が言ったの?さっきから黙って聞いてりゃいい気になって。
「黙って聞いてりゃ」?「黙って聞いてりゃ」って黙って聞いてりゃが聞いてあきれますよ。
さっきから私に文句ばっかり…。
うるさいわね!ここは私の仕事場よ!偉そうにもう文句ばっかり言うんだったらねとっとと帰って掃除でもしてなさい!何よ!こんなに優遇してあげて…。
あっ!ジャグジーだって使わしてあげてんのに…。
(長谷川)社長やめましょう。
話の趣旨がずれてます。
うるさいわねあなたは黙ってて。
何が許せないって…。
あっ!そう。
あの「みどり」って書いたへちまたわし!部屋に持って帰ってって何回も言ってんのにお風呂場にいっつも置きっぱなしで。
似合わないでしょうちのお風呂にへちまたわしは!今へちまたわしの話なんかしてないやないですか。
ハンバーグの話してるんでしょ!私が言ってんのはへちまたわし!私が言うてんのはハンバーグ!
(出入り音)いらっしゃいませ。
あっ…。
いらっしゃいませ。
ハンバーグ食べさせて。
(店長)かしこまりました。
(店内BGM)いかがですか?お味は。
(店内BGM)あとで少しお時間頂けますか?
(長谷川)少しでも安い値段で料理を提供したいという社長の気持ちは痛いほど分かります。
しかし…売り上げが下がりだしたのは各店舗にいた料理人をクビにして効率化を図ってからです。
みどりさんの言ってたことは案外正しいのかもしれません。
何よ?あなたまであの女の味方?別に味方をしてるわけじゃありません。
ですが…。
何?あの人にはなんていうか味がある。
味?人間味という味です。
何事も人間味をなくしてはいけません。
(長谷川)亡くなった健二さんがいつも言ってたじゃないですか。
お客様を楽しくおいしく幸せにすることが私たちの仕事だと。
(長谷川)健二さんの作るハンバーグは本当においしかった。
私がこの会社に入ったのも「ミレニアム」の最初のお店のハンバーグのファンだったからです。
原点に戻りませんか?料理人を厨房に戻すことはできませんか?今のあのハンバーグが必死に努力して守り抜いてきた健ちゃんの味よ。
いつでもどこのお店でもおいしい健ちゃんのハンバーグが食べられるようにって…。
「味が違う」?冗談じゃない!同じ味よ。
誰がなんと言おうと同じ味よ!そうだよね?健ちゃん。
ママ…。
まだ起きてたの?うん…。
何?用があるなら早く言って。
何?はぁ…。
みどりさんを辞めさせないでね。
ママとケンカしたって…。
麻衣…。
それ言うためにわざわざ起きてきたの?ねえ麻衣。
どうしてそんなにあの人がいいの?分かんない。
でもあの人がいると寂しくない。
大丈夫あの人クビにしないから。
さあもう寝なさい。
ねっ。
何?まだなんかあんの?なんでもない。
おやすみなさい。
おやすみなさい。
おいしいか?あははっ慌てて食べたらやけどするよようかんでゆっくり食べなさいあっあの…すみません。
あとから写真撮ってもらえます?二人でふふっええもちろん
(健二)はい笑って笑って〜
(健二・拓也・みどり)ハンバーグ!ウゥーー!
(パトカーのサイレン)
(藤山)「最高のオヤコ」。
(一同)明日よる9時。
あかんない。
行きなさい。
えっでも37度6分も…。
あんたこんなもんなお湯につけたらねつ造でもなんでもできるやないの。
私昔病院に勤めてたこともあんねんで。
看護師さんだったの?ドクター!うそ!うそやん。
はよ行きなさいもう学校。
熱ない。
もう学校行こほれ。
はい。
忘れ物したらあかんよ〜!は〜い。
ふふふっ。
まあようこんな散らけてくれるわちょっともう。
はあ〜もう出しっぱなしやしこれ…。
なんや?これ。
えっ?融資が下りないってどういうこと?ですから今日になって急に銀行がそんなことを。
聞いてる?いえ私も今初めて…。
(マナーモード)
(長谷川)どういう…。
出ぇへんな。
ちょっともう何をしてはんねやな。
(マナーモード)もしもしどうしたの?ああ〜社長さん?ちょっとお話したいことがありますんやけどもあの…麻衣ちゃんのことでちょっと。
それ今じゃなきゃダメ?いや今やのうても帰ってからでもええんですけど…。
帰ってからでもいいことをなんで電話してくるのよ!私今大事な会議中なの。
私が忙しいの分かんないの?いやもう…結構ですってもう。
あんたそれでも母親か!ブチッ
(電話を切る音)何よもう…。
(長谷川)社長太陽銀行の方に当たってみましょうか前に一度取り引きがありますから。
(麻衣)うっ!痛ぁ〜。
(紗知・美和)あははっ!何するの?
(美和)やだ何言ってるの?何もしてないよ。
(紗知)天罰。
(美和)そうよ。
あんたなんかあのときひかれちゃえばよかったのにね。
(美和・紗知)あははっ!・ちょっと!あんたら今何したんやねんな?みどりさん…。
今何言うたん?もっぺん言うてごらんここで。
(紗知)やだ。
何?このおばさん。
「おばさん」やあらへんがな。
ちょっと話しよう。
あかん!ちょっと話しよう。
ちょっと話…ちょっと話しよう!ちょっと。
(美和・紗知)橘先生!ちょっと橘先生なんとかしてよあんた。
(紗知)変なおばさんが…。
誰が変なおばさんやねんな!いじめって…あなた何おっしゃるんです?言いがかりはやめてください!私この目でちゃんと見たんですよこの二人が麻衣ちゃん転ばすのを。
まさかそんな…。
ほんとなの?
(美和)足はぶつかっちゃったけどわざとじゃありません。
うそつくのやめなさいよ!私見たんは見たんやからね。
「うそ」ってあなた!そうや。
それからこれちょっと見てよあんた。
(橘)あっこれ…。
こんなひどいことを!ベッドの下にこそ〜っと隠してたんですよ。
こんなもん絶対許されませんよ!「許せない」ってあなたまるでうちの子がやったみたいな言い方されますけど!
(紗知の母)そうですよなんの証拠があってそんなことおっしゃるんです?いじめって。
逆です。
うちの子は以前麻衣さんに絵を破られたんです。
そうよね?問題があるのはそちらの方なんじゃないんですか?だいたいあなた麻衣さんのご家族でもなんでもないんでしょ?ただの家政婦さんだっておっしゃるじゃないの。
先生も先生です!
(橘)申し訳ございません!こちらの方がお母様方がいらっしゃるまで帰られないと言い張られて。
だいたい家政婦さんになんでここまで言われなければならないの?この話は麻衣さんのお母様と直接お話させていただきます。
ちょっと待ってください。
行きましょう。
いや〜!
(橘)お母様!私は見たんや!あんたらの子供が麻衣ちゃん転ばしたんを。
ひどいこと言うてんのも私はちゃんと聞いてんねん!それにこんなん出てきたら誰かて心配なるでしょ。
家政婦であろうと母親であろうとそんなこと関係ないやないの。
やめてみどりさん。
もういいよ。
もういい…。
ええことないよ。
麻衣ちゃんこのままやったらいじめ続けられるんやで。
そんなん嫌やろ?みんなと仲よく一緒に学校通いたいでしょ?あんたらもねケンカするんやったら正面切って正々堂々としなさいよ!陰でネチネチネチネチ陰険な。
ろくな大人にならへんで。
親やったらちゃんとしつけせぇ!
(3人)はい!
(美和の母)うわ〜!血ぃ出たらあかんからな。
今日中に荷物まとめて出てってちょうだい。
ママ!?麻衣あなた部屋行ってなさい私この人と話があるから。
行ってなさい!今まで麻衣がいろいろ言うからず〜っと我慢してきたけど今日という今日は絶対許せない。
あなた何様のつもり?何様って別に私は…。
なんの権利があって私の代わりに学校行ったのよ!しかもあんな騒ぎ起こして。
あの子の母親はねあの学校の役員なの!今日という今日は絶対に許せない。
あなたとはもう一緒にいられない。
麻衣を任せらんない。
クビ!・出てって!何よ?クビになるのはかまいませんよ。
私別にこっち側からこのうちに置いてくれって頼んだ覚え一回もありませんもん。
あんたが勝手にここへ住み込めって言うたんと違うのかいな!?「あんた」…。
あんたまた私のこと「あんた」って言ったわね!言いましたよ。
クビになったら関係ありませんもんね。
もっと言いましょか?あんたあんたあんたあんた…。
あんたね麻衣ちゃんのことまるで分かってないやないの。
母親やったらもっとちゃんと面倒見てあげなさいよ。
年がら年中仕事仕事ってかわいそうに。
・あんた麻衣ちゃんが学校でいじめられてるのなんにも・気ぃ付かへんかったでしょ。
なんであなたにそこまで言われなきゃいけないのよ!麻衣は私が産んだ子よ。
この子のことは私がいちばん分かってるの!
(麻衣)や…やめて!二人ともやめて!あんたはなんにも分かってないって麻衣ちゃんのね悲しさも苦しさもさみしさも。
あんた結局何も分かってへんねん!そやからあんたは母親失格や!よくもそんなこと…。
今すぐ荷物まとめて出ていきなさい!出ていきますよ。
こんなうちね一分一秒いたないんや!
(麻衣)ママ!・ほな失礼いたします。
達者でな。
みどりさん!それから鍵ですけどね・麻衣ちゃんに渡しときますのでね。
ずっと持っててあとでなんやかんや言われたら・気分悪いんでね。
(麻衣)みどりさん!・バタン腹立つ腹立つ腹立つ腹立つ腹立つ腹立つもう!一体なんやねんなあの女!はぁ…。
はぁ〜あ。
うぅ〜!うう〜!麻衣…。
(麻衣)うう〜!ううぅ〜!麻衣。
どうして追い出しちゃったのよ!ママのバカ!みどりさんは麻衣のために学校に来てくれたのよ。
麻衣が学校でお友達に…ひどいことされたの知って飛んできてくれたのよ。
なのに…どうして…。
うっうっ…うう〜!それはママがなんとかするから。
うぅ〜!うっ…。
今日校長先生ともちゃんと話したから。
もう学校なんか行きたくない!ママは知らないけど麻衣だけじゃない。
ママの悪口だって…。
悪口って?うちは成り上がりだって。
安いチェーン店の社長だって。
だから…この学校には似合わないって。
うぅ…。
どうしてもっと早く言ってくれなかったの?何度も言おうとしたよ!言ったこともある…。
でもママいつも話があるなら早く言えって…早く早くって。
全然…全然…。
ううっ…。
ごめん麻衣。
(麻衣)うっうう〜!ママが悪かった…。
(麻衣)今更そんなの遅いよ!あんたはなんにも分かってないって麻衣ちゃんのね悲しさも苦しさもさみしさもあんた結局何も分かってへんねん!そやからあんたは母親失格や!・海行くか。
海!・海行きたい行きたい。
・ガチャ拓也。
待ちなさい。
拓也!おいなんだよおばさん。
おい何しに来たんだよ。
うぜぇんだよ!おら行けや。
はははっ!ほら!はははっ。
おい誰だよ?あれ。
(拓也)いや知らないっすよ。
関係ないっすよ。
おい。
(拓也)あっすみません。
すみません。
コンコン麻衣。
麻衣。
・朝ご飯作っといたから。
先月比マイナス12%。
優良店まで軒並み。
銀行は?私直接行って頼んでくる。
はぁ…。
ただいま。
麻衣。
はぁ…。
(健二)こうやって一つ一つ手で作るだろ?この手のぬくもりがお客さんに伝わるんだよ丁寧に心を込めて作ればその気持ちは絶対に食べる人に伝わる。
料理っていうのはそういうもんだジュー!
(健二)いい焼き色だろ?ふふっ。
う〜ん…おいしいねふふっ私健ちゃんと結婚してよかった
(健二)なんだよそれだってこんなおいしいハンバーグがいつでも食べられるんだもん
(健二)ハンバーグかよふふふっ
(健二)はははっおいしいや。
うぅ…ははっ。
(松原)この秋のイチ押し商品は「和」をテーマにした納豆たっぷりハンバーグ。
売り値は600円から650円を検討しています。
(長谷川)社長!
(松原)あっ!すぐに全店舗にコックを呼び戻して。
(村田)コックを呼び戻す?経営方針を変更します。
(一同)えっ?工場を一括システムにする前のやり方に戻すのよ。
各店舗コックの腕に任せて料理を作らせる。
もう一度それぞれの店の特徴を取り戻しましょう。
(村田)けどそんなことして…。
(松原)コスト削減目標は…。
そのかわり値段も前に戻します。
うちはうちのやり方でいきます。
もう一度昔の…健ちゃんのハンバーグの味を取り戻すの。
お客様においしいものを食べていただく。
これが「ミレニアム」の原点です。
そうよね専務。
はい。
(拍手)
(長谷川)よく決断してくださいました。
あなたにあそこまで言われたらバカでも考え直すわよ。
(長谷川)いえ。
私ではなくてみどりさんのおかげです。
あの人がきっかけを作ってくれた我が社に乗り込んでまで。
これからが本当の勝負だけどね。
大丈夫。
絶対に我が社は復活します。
不思議な人ねあなたって。
えっ?専務にそう言われたらそんな気になっちゃうから。
あなたのその根拠のない自信に私はず〜っと支えられてきたのかもね。
(2人)ふふっ。
麻衣ちゃんのストライキまだ続いてらっしゃる?ストライキなんてなまやさしいもんじゃないわね。
ほら私の子だし。
いけず遺伝子?あの人が言ってたのよ。
隠れて言ってるつもりだろうけど大きな声だから丸聞こえ。
あの人がね…。
そう。
あの人が…。
はぁ…。
ったく…。
そういえば来週お誕生日だって気付いてました?麻衣ちゃんの。
どうしてそういう顔しかできないの?せっかく長谷川さんが麻衣のために誕生会開いてくれるっていうのに。
あのね10年前の今日私があなたをどれだけ苦労して産んだか。
別に頼んだわけじゃないし。
今日パーティーに行くのは長谷川さんに悪いからだから。
ママのためじゃないから。
私だってあなたのためじゃないから!じゃあ同じでちょうどいいじゃん。
そんなこと言うんだったらねあなた一人で勝手に行ってらっしゃい!
(長谷川)ようこそ。
お待ちしておりました。
どうぞ。
・いらっしゃいませ。
(一同)いらっしゃいませ。
うわ〜!すっごい。
(長谷川)コックの池谷君が戻ってきてくれました。
(池谷)お久しぶりです。
これ…全部あなたが?
(池谷)いえみんなに手伝ってもらって。
試作品もいろいろ考えてみました。
そう。
(長谷川)さあ話はそれくらいにして。
今日の主役は社長ではなく麻衣ちゃんなんですから。
麻衣ちゃんお誕生日おめでとう!
(一同)おめでとう!パチパチパチ…
(拍手)パン!パン!パン!パチパチパチ…ありがとうございます…。
パチパチパチ…パチン
(「HappyBirthdaytoYou」)みどりさん…。
麻衣ちゃんお誕生日おめでとうございます。
(「HappyBirthdaytoYou」)
(麻衣)みどりさん…。
専務さんが会社の方針が変わってみんな戻すようになったさかいにあんたも戻ってきたらどないやっちゅうてくれはったもんですから。
(長谷川)麻衣ちゃんの誕生日に免じてということでいかがでしょう?
(麻衣)ねえママ。
(長谷川)社長。
まああの〜私はどっちでもよろしいんやけども専務さんがどうしてもって。
まあ専務さんの顔を立ててっちゅうことで。
あなたわざと忘れてったでしょ?はっ?お風呂にへちまたわし。
私そんなもん忘れていきましたでしょうか?いきましたよ。
自分の存在感示したいのか知れないけどあんなもん捨てるに捨てらんないしお風呂に入るたんびに思い出すしそんなに帰って来たかったら帰って来ればいいじゃないの。
入りたいんでしょ?うちのジャグジーに。
ママ!はい。
ほら麻衣吹き消して。
(一同)せぇ〜の…。
ふぅ〜!
(一同)おめでとう!
(「恋するフォーチュンクッキー」)・わあ〜!・イエ〜イ!待ってました!わあ〜!麻衣ちゃ〜ん!イエ〜イ!
(「恋するフォーチュンクッキー」)あははっ。
(みどり・長谷川)・あなたのことが好きなのに
(みどり・長谷川)・私にまるで興味ない
(みどり・長谷川)・何度目かの失恋の準備
(長谷川)・Yeah!Yeah!Yeah!
(長谷川)・まわりを見れば大勢の
(麻衣)ママどうしたの?麻衣。
麻衣が生まれてくるときすっごく大変だったんだから。
(麻衣)えっ?でもほんとにうれしかったんだからママもパパも。
麻衣生まれてきてくれてありがとね。
(麻衣)ママ…。
ママねこれからもっと頑張るから麻衣のためにもパパのためにも。
ふふっ。
ふふっ。
(「恋するフォーチュンクッキー」)
(「恋するフォーチュンクッキー」)さゆみおかえり〜!お母さんのせいなんだから!甘ったれんのもええかげんにしぃや。
お母さんはねいっつも注意力が足りないのよ!あんたは幸せの青い鳥や。
さゆみちゃん…僕の子じゃないの?今更お父さんがいてるなんて言えるわけないやないの。
そりゃそうだよね。
ほんとのことを教えてほしいの。
もしかしてさ…元彼?どれだけお母さんのこと大好きか!うっとうしいねん!この子の母親はこの私なんです。
はぁ…。
・ガチャあっ社長さんお風呂お先頂きました。
ありがとうございました。
おやすみなさいませ。
みどりさん。
はい。
どう?一杯。
ははっ。
ほんまはねそない言うてくれはんねやないかな思て私も内心期待してましてん。
さあさあさあ。
ああ〜すんません。
おじゃまいたします。
ふふっ。
かんぱ〜い。
いただきます。
んん〜。
わあ〜。
今日ね私…麻衣とちゃんと久しぶりに話せた。
えっ?あの子のあんな楽しそうな顔久しぶりに見た。
全部みどりさんのおかげ。
いえ…。
ず〜っとここにいてくれない?えっ?いてほしいのよ。
いろいろひどいこと言ったけど悪かったわ。
ごめんなさい。
社長さん…社長さん今なんて言わはったんですか?何も言ってませんけど。
はあ。
あの〜私の方こそほんまにいろいろご迷惑をおかけしてしもて…。
ほんとにあの〜申し訳ございませんでした。
私アホやさかいにね興奮しましたらもう口と手がパ〜ッと先に出てしまいますねやわ。
はぁ…。
けど…そんな私やのにいてほしいって言うてくれはるやなんて…。
ものすごくうれしいです社長さん。
あの〜社長さんほんまにありがとうございます。
もういいいい。
いいいい。
ありがとうございます。
「社長さん」なんてやめて。
もう玲子でいいわよ。
これちょっとなんかポ〜ッとなってきたけど大丈夫やろか私。
ふふふっ。
まあ大丈夫やろな。
ふふふっ。
これ食べはったらどうですか?なんか食べながらお酒飲まんと体に悪いんと違います?まあまあいいから。
つがんといてくださいもう…。
大丈夫だから。
先生たちともちゃんと話したから。
うん。
何かあったらすぐに連絡してきて。
いいの?仕事中でも。
いいわよもちろん。
怒らないって約束してくれる?約束する。
じゃあ一人で行ける?うん。
いってきます。
いってらっしゃい。
(紗知)桐原さん…ごめんなさい!
(美和)ごめんなさい。
あっ…。
ふふっ…。
ふふっ。
行こう。
ふふっ。
行こう。
(紗知)うん。
(麻衣)紗知ちゃんってさぁ…。
(紗知)ふふっ。
・
(3人)あははっ!・
(紗知)私も私も。
甘ったれんのもええかげんにしぃや。
お母さんのせいなんだから!あんたは幸せの青い鳥や。
さゆみちゃん…僕の子じゃないの?グッドラック。
(店員)お待たせしました。
2名様どうぞ。
(店員)いらっしゃいませ。
(店員)お待たせしました。
(店員)いらっしゃいませ。
(池谷)はいハンバーグ上がったよ!
(店員)ハンバーグセット3つ!
(池谷)はい3つ追加!んん〜おいしい!社長おかげさまで復活ハンバーグすごい人気です!
(店員)ありがとうございました。
(麻衣)みどりさん今日のお弁当何?麻衣ちゃんのな大好きな卵焼きとおからのコロッケとほんでキャベツとニンジンとプチトマトとデザートはオレンジでございます。
それから隠し味にみどりさんの愛情がいっぱい詰まっております。
(2人)ふふふっ。
麻衣ちゃんあんた今日体操服忘れてんのと違うの?あっ…忘れてた!あははっ。
うわ〜おいしそう。
頂いちゃお。
ふふっ。
んん〜!ねえねえみどりさん。
はい。
今日の夕方ちょっと時間ある?はあ。
はい。
さあさあほらみどりさん。
いやあの〜社長さんどこ行かはるんですか?私ねあなたにプレゼントしたいの今までのお礼に。
えっ?何もかもあなたのおかげ。
もういつまでもこんなバッグ持ってちゃダメ。
ほら行きましょ。
桐原様お待ちしておりました。
どうぞ。
ほら遠慮しないで。
(店員)どうぞ。
桐原様いらっしゃいませ。
今日はよろしくね。
いつもありがとうございます。
あっえらいこと忘れてた。
これからスーパーのタイムセールの時間なんです。
失礼いたします。
ちょっとみどりさん…みどりさん!何?彼女にプレゼントしようと思ってたのに。
あっ…桐原様失礼ですがあの方とはどういうご関係ですか?うちの家政婦さん。
(店長)家政婦!?ええ。
逮捕歴?以前あの店で窃盗を働いたらしいんです。
起訴猶予にはなってますが。
窃盗…。
ブランド物の時計を盗んで捕まったようです。
それっていつの話?半年ほど前です。
ねえ人違いじゃないわよね?残念ながらみどりさんに間違いありません。
・拓也次金曜だかんな。
ばっくれんじゃねぇぞ。
・
(拓也)しないっすよそんなこと。
お疲れっす。
おいお前絶対来いよ。
(拓也)行きますよ。
・バイバ〜イ。
(拓也)お疲れっす。
・大丈夫かな?あいつ。
小野寺みどりでございます。
お母さん…。
あんたは幸せの青い鳥や。
さゆみちゃん…僕の子じゃないの?今更お父さんがいてるなんて言えるわけないやないの。
そりゃそうだよね。
この子の母親はこの私なんです。
・
(麻衣)うわ〜すごいピカピカ。
・せやろ。
これな汚れ落としたあとにから拭きせなあかんねん。
水けない方がきれいにピカピカっとほれ光るから。
どない?ほんとだ。
ねえ私にもやらせて。
「やらせて」ってあんた背ぇ届かへんやん。
やるか?はいはいはい。
ちょっと待ってや。
ええか?よいしょ。
あっ社長さんおかえりなさい。
(麻衣)あっママおかえりなさい。
ただいま。
社長さんなんか食べはりますか?いいわ今日は。
そうですか?あの〜ほなすぐお茶いれさせてもらいます。
みどりさんあなた今日はもういいから休んで。
あっ…。
ええか?麻衣ちゃんちょっとごめんな。
よいしょ。
はぁ…。
あの〜社長さん。
何?今週の金曜日お休みもうてもよろしいでしょうか?いいわよ。
そうですか。
ありがとうございます。
(麻衣)ねえみどりさん出来た。
はい。
出来てないやんか。
こっちっ側拭かなあかへんやん。
ほれ。
・拓也拓也次金曜だかんな。
ばっくれんじゃねぇぞ・やばい。
やばいよな。
今もかなりビビってるんだよ。
(拓也)すみません。
遅ぇんだよバカ野郎。
待たせんじゃねぇよ。
お前ビビってんじゃねぇぞ。
(拓也)ビビってないです。
頼むぞお前。
・しっかりやってよ。
ありがとうございました。
いらっしゃいませ。
へえ〜。
それかわいいですね。
(店員)こちら?はい見ていいですか?ああ〜いいっすね。
いいわ〜。
これ女性用ですよね?
(店員)はいそうです。
ふ〜ん。
はあ〜。
彼女にあげようかな?すみませんあの〜ちょっと後ろのやつ着けてみてもいいですか?はいお願いします。
警察だ!どけおら!
(刑事)待て!おい!どけよおら!おら!
(拓也)うわっ!おら!
(刑事)おとなしくしろ!
(拓也)放せ!
(刑事)動くな!窃盗の現行犯で逮捕する。
(拓也)おい!放せおら!放せ!おい!放せおら!おら!下がってください。
すみません。
ちょっとすみません。
拓也!拓也!あんたなんでこんなことばっかり…。
あんたなんでこんなことばっかりすんの?うっせぇな。
なんだよばばあ!
(刑事)乗れ!バタッ
(車ドアを閉める音)ウゥーー!みどりさん…。
あれがうちの息子なんです。
えっ?息子なんです。
ううぅ…。
ううぅ…。
ううぅ…。
(藤山)「最高のオヤコ」。
(一同)明日よる9時。
あなた言ってたじゃない親も家族もいないって。
大昔に一度結婚したことがあったんです。
拓也はそのときに産んだ子供です。
30過ぎてぼう〜っとなって一緒になって私にはもったいないぐらいええ男でした。
この人とは最後まで添い遂げようって本気でそんな思ってました。
ふふっ…けど何なんかなぁ。
私自分で自分の幸せぶち壊してしまうんです。
我慢できへんのんです。
ケンカしてカ〜ッとなって拓也を置いてうち飛び出しました。
社長さんも覚えてはらへんかも分かりませんけども…。
これあの子と一緒に撮った写真です。
亡くならはったご主人に撮ってもうた写真なんです。
思い出のハンバーグ。
あの子と最後に食べたご飯やったんです。
そのあともあの子に会いとうて会いとうて何べんも訪ねてきました。
けど結局会わせてもらえませんでしたんやわ。
そら当たり前ですよねこっち勝手にうち飛び出したんですからね。
去年の春あの子の高校の卒業式こっそり見に行ったんです。
ほんであんなんなってたんです。
あれ私の遺伝子ですね。
しょうもない。
ろくでもない。
あいつはどうしようもないわ!みどりさん半年前あなた警察に捕まったってほんと?時計を盗んだって。
みどりさん?はははっ…。
ははははっ…。
そうですか。
バレてましたか。
はぁ〜。
さすが社長さんすごいなぁ。
ふふっ。
ええ…おっしゃるとおりです。
つい出来心でね時計をちょいと…。
ふざけないで!どうしてあなたが盗みなんかするのよ!警察はだませても私はだまされないわよ。
あなた…かばったんでしょ?あの子。
ジリリリリ…
(警報)
(店長)泥棒!何やってるんですか!その時計…私がやりましたすみませんすみませんそんなことして何になるのよ?それがあの子への罪滅ぼしだと思ってんの?冗談じゃない!バカよあなたは。
ねえ母親だったらちゃんと向き合いなさいよ。
悪いことは悪いって言うのが母親の役目でしょうが。
偉そうに麻衣のことは私にいろいろ言っといて…。
みどりさん頑張ってよ。
私だって頑張ったんだから。
離れてたって…どんなに離れてたって親子は親子じゃない。
分かってますよ…。
あんたに…私の気持ちの何が分かんねんな。
私は子供を捨てたんですよ。
息子があんなふうになったんもみ〜んな私のせいなんですよ。
・ガチャどうしたの?ごめんな麻衣ちゃんおばちゃんまた騒がしてしもうた。
さあ行こか。
社長さん私これで…辞めさせていただきます。
みどりさん…。
私…もともとこのうちにいてられるような人間やないんです。
母親失格です。
いえ…人間失格なんです。
麻衣ちゃんありがとう。
ううっ…ものすごう楽しかったわ。
みどりさん…嫌だ行かないで。
そんな顔したらあかん。
そや忘れてた。
はいこれ幸せになるアメちゃん。
これ持ってて。
これなめたら涙もポ〜ンとどっか飛んでいくから。
いらない…。
ねえいらないよ。
社長さんありがとうございました。
(麻衣)みどりさん!・ガチャ・バタンみどりさん!ねえみどりさんねえ行っちゃやだ!麻衣ちゃんお母さんと仲ようしぃや。
あんたのお母さんはな世界でたった一人大事な大事なお母さんなんやさかいな。
(麻衣)うぅ…ううぅ…。
みどりさん!うぅ…。
ううっ…。
ママ!うっ…ううっ…。
(麻衣)ううぅ…。
ほなさいなら。
さゆみおかえり〜!お母さんのせいなんだから!甘ったれんのもええかげんにしぃや。
お母さんはねいっつも注意力が足りないのよ!あんたは幸せの青い鳥や。
さゆみちゃん…僕の子じゃないの?今更お父さんがいてるなんて言えるわけないやないの。
そりゃそうだよね。
ほんとのことを教えてほしいの。
もしかしてさ…元彼?どれだけお母さんのこと大好きか!うっとうしいねん!この子の母親はこの私なんです。
ああ〜おいしそうだぁ。
麻衣準備出来た?ほら。
おお〜きれいね。
今日ママ大事な仕事なんだから。
えっ?だってお弁当まだ詰めて…。
ほらまったく!パパに似てバカ丁寧なんだから。
もういいのいいのこういうのはポンポンポンと入れちゃえば。
ああ〜!
(長谷川)わおっ!すばらしい!これ社長が?そうよ。
ほら。
(麻衣)二人で作ったの。
ねえ。
(長谷川)ほんと?おいしそう。
じゃあ頂きま〜す。
(麻衣)はいママ。
あっありがとう。
(長谷川)んっうまっ!おいしい。
ほんと?
(長谷川)ほんと。
はははっ。
と今日の予定ですけど…。
(麻衣)あっねえママ富士山だ。
(長谷川)えっ?うわ〜!きれいだ。
(長谷川)きれいだねぇ。
こんなとこにお店出して大丈夫なの?これからバスでまだ行くんでしょ?
(長谷川)大丈夫ですよ。
ここは観光客も多いですしその店のオーナー夫妻というのがなかなか人柄がよくて。
腕も味もいいし記念すべき101店舗目になると思いますよ。
幸せのアメちゃん。
(客)ありがとうございます。
はいおおきに。
いらっしゃいいらっしゃ〜い!・はいはいはい…はいどうぞ。
ママ長谷川さん。
・はい幸せのアメちゃん。
・
(客)ありがとう。
うれしい!・おおきに。
はいいらっしゃいいらっしゃ〜い!・富士山名物大だこで〜す。
はいいらっしゃい。
ひと舟500円です。
はいおおきに。
1000円でおつりが500万円。
みどりさん?みどりさん!はい500円です。
みどりさん!いらっしゃいいらっしゃ〜い!麻衣ちゃん。
社長さん専務さん。
うわ〜お元気でしたか?
(長谷川)みどりさんもお元気そうで。
おかげさんで。
私今このたこ焼き屋の社長やってますねん。
(長谷川・玲子)えっ?よかったらひと口食べてもらえませんか?
(3人)はははっ。
いやもうよろしいですやんひと口食べてってくださいって。
ねえ青のりいっぱい掛けましてね。
ちょっと待ってや。
おいしいで。
さあどうぞどうぞ。
これが富士山名物の大だこです。
(長谷川)いただきま〜す。
どうぞどうぞ。
おいしそう。
ほら麻衣もいっぱい食べて。
よいしょ。
うまっ!おいしい。
ふふっ。
どう?
(麻衣)んん〜!おいしい!
(長谷川・みどり)ふふふっ。
・
(拓也)お母さん。
ああ拓也。
(拓也)ネギここ置くよ。
はいおおきに。
みどりさん?社長さん専務さんその節はお世話になりましてほんまにありがとうございました。
お母ちゃんなものすごいお世話になったんや。
あんたからもお礼言うといて。
早う。
どうも。
母が大変お世話になりました。
みどりさん…。
また会えてよかった。
(拓也)近いよ。
あっせや忘れてた。
麻衣ちゃん。
はい麻衣ちゃんはい幸せになるアメちゃん。
(麻衣)ありがとう。
はい。
はい。
あっ落ちちゃった。
(2人)あははっ。
(客)おばちゃ〜んたこ焼き1つ。
また1つかいな。
じゃあ2つ。
分かった。
ほな拓也焦げてカチカチのから渡してやりぃ。
またそんなのばっかり。
それよりおばちゃんさ俺今日初めて富士山登ろうと思ってさ。
登らんといてって。
なんで?世界遺産や。
汚すな。
だから登るんじゃん。
登らんでええって。
(林家)おばさんおばさん私の奥さん見なかった?えっ奥さん?どないしはったん?
(林家)あのね実家帰ったきり帰って来ないんだ。
うそやん。
(林家)いや困っちゃってさ。
あんた夫婦ゲンカでもしたん違うの。
(林家)ケンカってほどじゃないんだけど大したことないんだけど。
電話したんかいな?
(林家)電話まだしてない。
はよ電話しなさいよ。
謝りなはれとにかくとにかく。
帰って来たら「どうもすみません」。
はははっ。
(林家)「どうもすみません勘弁してください」って。
ええけどあんたカメラは?
(林家)カメラ?持ってる。
ええからこっちおいでってあんたはよ。
はい写して。
はいお願いします。
なんで…。
(林家)いいね。
さゆみおかえり〜!お母さんのせいなんだから!甘ったれんのもええかげんにしぃやあんた。
お母さんはねいっつも注意力が足りないのよ!最高に幸せなんです。
お母さん聞いてんの!?あんた私の青い鳥や。
青い鳥は大き〜く羽ばたかなあかんねん。
フランチャイズ?うちのおにぎり屋をですか?力を貸していただくわけにはいかないでしょうか?なんか運が回ってきたのかなぁ。
さゆみちゃん…僕の子じゃないの?今更お父さんがいてるなんて言えるわけないやないの。
そりゃそうだよね。
そういうことにさゆみを巻き込みたくないねん。
ほんとのことを教えてほしいの。
もしかしてさ…元彼?元彼?会うたらええ。
会うていろいろ話したらええねや。
私どもの養女にさせていただくわけにはいかないでしょうか?どれだけお母さんのこと大好きか!さゆみのことがな…うっとうしいねん!この子の母親はこの私なんです。
(藤山)「最高のオヤコ」。
(一同)明日よる9時。
(ナレーション)「住人十色」。
今日の家は…。
2016/01/09(土) 14:54〜17:00
MBS毎日放送
ドラマ「最強のオンナ」[再][多][字]【あす夜9時★藤山直美×仲里依紗「最高のオヤコ」】
藤山直美&寺島しのぶ二大女優が夢の初競演!笑って泣いて…最強のオンナの友情物語!★藤山直美主演最新作「最高のオヤコ」は、明日1月10日(日)よる9時OA!
詳細情報
お知らせ
【解説放送あり】
この番組は2014年10月5日に放送されたものです。
番組内容
女風来坊みどり(藤山直美)はひょんなことから洋食チェーンの女社長玲子(寺島しのぶ)宅の家政婦になる。玲子は一人娘麻衣(鈴木梨央)の子育てに手を焼いていたがみどりの突拍子もない言動が麻衣の心を開いていく。何かとぶつかるみどりと玲子だが、玲子の右腕・長谷川(岸部一徳)の支えもありやがて友情にも似た関係を育んでいく。そんな折、青年・拓也(千葉雄大)が起こした事件を機にみどりの秘められた過去が明らかになる
出演者
藤山直美
寺島しのぶ
岸部一徳
鈴木梨央 千葉雄大
山村紅葉 西尾まり 森岡豊
ほか
スタッフ
【演出】
竹園元
【脚本】
吉田紀子
【プロデューサー】
志村彰 関川友理 竹園元
音楽
【メインテーマ】
森恵「星に願いを」(cutting edge)
公式HP
【番組ホームページ】
http://www.mbs.jp/saikyo−o/
制作
【制作】The icon
【製作著作】MBS
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 音声解説
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
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