四季折々の旬の素材を生かしながらだしのうまみを追求する
こうした繊細な料理の数々が高級料亭ではなく家庭の食卓で味わえたらすてきだと思いませんか?
そんな夢をかなえてくれる料理教室が大阪に開かれました
教えているのは新進気鋭の若き女性料理研究家です
料理初心者の若い女性から定年を迎えた男性プロの料理人まで実にさまざま
東京にも教室を持ち関西のだし文化をしっかりと伝えています
さまざまなメディアで注目される人気の女性料理研究家
そんな彼女の慌ただしい年末年始に密着しました
自国の料理というのがこれだけすばらしいということを自分が勉強してきた中で感じたことなのでご家庭で身近に皆さんに楽しんで頂けるお料理でも少し料理屋さんのようなものもエッセンスも加えつつ
雑誌の取材・連載に引っ張りだこの日本料理研究家がいます
おうちで作るごちそうに勝るものないと思うんですよね
彼女の料理はあくまでも「おうちのごはん」
ふだんの料理にほんの少しの手間と工夫を加えることで「ごちそう」に変えるテクニックを教えています
そんな彼女が目からウロコの新たなレシピを公開!
冬定番の煮物料理「ぶり大根」をフライパンで簡単クッキング!
今回は日本料理の魅力を伝える女性料理研究家の夢のカタチ
寒さが一段と身にしみる師走の大阪
この日ビジネス街の中心地・中之島の高層マンションでお正月に向けての料理教室が開かれました
(田)よろしくお願いしま〜す今日はおせち料理をお稽古していきます
教えているのは料理研究家・田麻子さん
本格的に教室を開いて2年というキャリアながら生徒数は200人を超えキャンセル待ちの人気ぶりです
おせちというのは節句のことを指してたんですよねすべての節句に神さまにお供えするごちそうのことをおせちと言うようになってそれがだんだんお正月のお料理だけをおせちというふうに変わってきたといわれていますでは一番だしのご説明をしていきますまずいつも使ってますけど真昆布ですよね私は大阪なので真昆布を使いますでお水の中に昆布を入れて一晩ぐらい置いといて頂きますね
彼女の教室で必ず最初に教えるのが関西伝統のだしの取り方
一晩水に浸した昆布を入れた鍋を火にかけ沸騰したら昆布を取り出し次にかつお節を加えます
2分ほどして鍋底に沈んだらあとは目の細かいザルでこすだけ
香り高い一番だしができあがりました
(田)日本料理の一番大切な基礎といいますかまずこれで私は教室なので最上の味をご紹介したいと思っていい真昆布を使ってますけどもスーパーで手に入りやすい安い昆布を使ってご家庭では取って頂いたらいいと思いますではお雑煮のお野菜を切っていきますおめでたく細工をしていこうと思うんですけどもまず軸を取ったしいたけは亀甲形といって亀に見立てますね
しいたけは長寿の代表とされる亀の甲羅をイメージして六角形にカット
丸餅や梅型に抜いたにんじん・大根を用意したらあとは関西定番の白みそを先ほどの一番だしでとくだけ
意外と簡単に本格的な雑煮ができました
…という感じでお教室ができたらいいかなと思っています…というところが皆さんにお伝えしたいと思っていますそういう基礎的なことを切り方とかおだしの取り方とか教えて頂けるので毎日の家庭料理に生かしやすいと思います赤ちゃんがいるんですけど離乳食にしっかりおだしを取ると食いつきが全然違うというかすごくよくおだしを取った離乳食は食べてくれますねだからよけいおだしを取るようになりました
「だしを引くことでいつもの料理を見違えるようにおいしく変える」
そんな料理以前の基本の「き」を一から教えてくれるのがこの教室の人気の秘密
続いては生の貝柱をぜいたくに使った炊き込みご飯
ここにも料理をワンランクアップさせる技がありました
今日はちょっとぜいたくに生のお造りのものを使ったんですけど缶詰で代用して頂いてもいいと思うんですよね冬らしく金時にんじんの赤い色とあとはお揚げさん
そこに昆布で引いただしを加え沸騰したところで生の貝柱を入れてさらに5分ほど炊き込みます
おいしそうな香りが漂い始めたところでふたを開けてみると…
ふっくらとおいしそうな炊き上がり!
ここで最後のひと手間取りいだしたのはお酒です
最後に風味をつけるというか蒸らす時にお酒を入れて…
最後の仕上げに日本酒を加えることでいつもの炊き込みご飯がランクアップ!
仕上がりはしっとりつややか
まるで料亭で頂くような香り高い炊き込みご飯になりました
次に取りかかったのは寒さが増すごとに肉質がきめ細かくなり甘みが増すかぶらの料理
かぶらは皮をむきすりおろして卵白と合わせてまとめます
これを器に盛りつけた鯛の切り身にたっぷりと載せて蒸し上げます
このシンプルな工程でできあがったのは冬を彩る本格日本料理・かぶら蒸し
一番だしと薄口しょうゆなどを合わせた「銀あん」をかけてわさびをあしらえば完成
こうした「家庭料理以上割烹未満」の料理が彼女の定番
ちょっとした工夫でおもてなしにも使えると評判なんです
そんな麻子さんのレシピを特集する雑誌の連載が新たに始まりました
生活情報を紹介する月刊誌で彼女が担当するのは「和のお料理教室」
今回は3月・4月号の撮影ということで春を彩る定番の和食をいくつか用意しました
まずは紅しょうがを桜の花びらに見立てた華やかなちらし寿司
そして春の食材・たけのことわかめを使った若竹煮です
若竹煮はほんと春を代表するお料理ですよねたけのことわかめは「出合い物」って言って相性がすごくいい相乗効果でおいしくなるっていう日本料理で「出合い物」って言葉があるんですけどほんとにその象徴というか…
続いて登場したのは桜鯛の切り身
刺身でも食べられる新鮮なものですが熱い湯をくぐらせます
鯛とかならそんなにねもちろん臭みってないと思うんですけれどもやっぱりこの下処理が全然味があとで変わってきますので面倒なんですけどね霜降りするってなかなかご家庭で…でも是非やって頂きたい感じですね
「霜降り」というこのひと手間が実は煮魚をおいしくする最大の秘訣
丁寧に下処理を施すだけで生臭さが消え煮つけの味が劇的に変わるんです
緊張して調子狂う…「ガール」って言うなって?ハハハ…
料理教室の合間を縫い麻子さんが向かったのは心斎橋の有名割烹
着物姿で会食する様子は何やら楽しげですが…
皆さん結構されがちなのが手皿を受けられるそれは絶対良くないと思います日本料理は基本…
実はこれも雑誌の撮影
和食のマナーを指南する先生役です
さらにこの日はもう1件取材がありました
いつもそういうわけじゃないんですけどここ最近そういうお話をたくさん頂くので少し忙しいかなっていう感じですね
待ち受けていたのは「家庭での日本料理の継承について」のインタビュー
日本料理が世界無形文化遺産に登録されたことをきっかけにした新聞取材です
幼い頃から母親の手料理が大好きだったという麻子さん
食べることはもちろんお手伝いも何よりの楽しみでした
父のお客さまがすごく家によくいらしてたんですよねその時に母がいろいろごちそうを作っておもてなしをいつもしていたのでそういうのが子ども心にすごく楽しくてお手伝いをいつもしてましたね
そんな麻子さんの見聞をさらに広めたのが美食家だった祖父の存在
幼い頃から祖父に連れられ名店の味に触れてきた麻子さんは大学卒業後日本料理の奥深さを探求するため食の専門学校へ
卒業後はイタリアン・フレンチ・韓国料理と興味の広がるままに学びニューヨークでワインや西洋料理の勉強も行いました
そして30歳を過ぎた頃本格的に料理の仕事をしたいと思い調理師免許取得のため調理師学校へ入学しました
こうして料理研究家としての基盤を築いた麻子さんですが実は本人にとって今の状況は予期せぬ展開でした
それ以外になりたいと思ったことも何もなかったお見合いとかすごいしてたし…
そんな彼女が世に出るきっかけとなったのがこのレシピ本
関西の情報を集めた人気雑誌の出版社
そのスタッフがたまたま麻子さんの料理教室に通う生徒だったんです
写真を見せて頂いていてものすごいきれいな人やなっていうことを思っていて結構圧倒されてしまって「実際に私の作る料理を食べてください」って言われて食べた時に全然浮ついたところのないというかこういうビジュアルの方がそれを作ってるっていうのもおもしろいと思ったのですごく正統な感じの本を作りたいって思いました
そんな麻子さんが楽しみにしているのが専門学校時代の恩師との会食
調理師専門学校の日本料理の先生であり多方面で活躍する畑耕一郎先生は今なお麻子さんにとって心強いアドバイザー
年に数回の会食は貴重な学びの時間です
どうぞありがとうございますきれいなもんですね扇の…
(店員)そうですねちらし扇面の
(畑)よろしいなぁ
(田)ちらし扇面…
(店員)蟹しんじょうですね手前の菜花と
(田)きれいですね
(畑)やっぱりこういうお椀は日本料理の主役…
(店員)そうですねほんとに主役ですねおいしい…うまいなぁ
食後麻子さんが取り出したのは自身が連載する雑誌の料理写真
自身のコーディネートについて畑先生の感想を伺います
器白・白・白っていってるやんこれをちょっと土物を使ってみるとか色目の違うものを置いてみますよってことを変えればもっとよくなると思いますよすいません…「今から学校に行ってこんなこと尋ねてもいいですか?」とかメールや電話で「こんなこと聞きたいあんなこと聞きたい」ってまぁそういう…そういう人ですわ最近特に思うのは当然のことやろうけどもしっかりちょっと自分の足でほんとに歩き始めたなっていうかそんな感じはある
楽しい会食もつかの間
麻子さんはキッチンに戻って料理教室のレシピを試作
1月は旬の魚を使った定番料理
目からウロコの斬新な調理法で家庭料理から割烹の味へ大変身!
大阪のとある高層マンションで開かれる日本料理に特化した少人数の料理教室
主宰しているのは料理研究家の田麻子さん
「家庭料理以上割烹未満」のレシピが人気を集めています
そんな麻子さんの教室は大阪だけでなく東京にも
昆布だしに慣れていない関東在住の生徒さんにも関西風のだしのおいしさを伝えます
(田)おいしいですよね意外と東京の方は大阪においしい日本料理があるって知らない方もいらっしゃるので大阪を代表して東京の方に知って頂けたらいいかなという気持ちでやっていますあとお写真が載ってたんですけどすごいきれいな先生だったので…
(女性)初めてですおいしいすごく
季節の移ろいを大切にする日本料理
麻子さんは毎月旬の食材を取り入れた5つの新たな献立を作ります
この日考えていたのは新感覚のメニュー
果たして「焼きぶり大根」とは?
ずっと同じものばっかりやってるっておもしろくないので久々に定番中の定番だからこそ
冬の定番メニュー・ぶり大根を手軽に焼いて作ってみようという新発想の料理
まずはぶりと大根を一口大に切りしょうゆ・みりん・お酒で下味をつけフライパンで照り焼きにします
続いてなんと白みそとだしを小鍋に合わせ片栗粉でとろみをつけたところに意外な隠し味!
たっぷりのバターを投入します
すごいバターの香りが…してる
この特製ソースを先ほどのぶりと大根にかければ試作品の完成!
果たしてイメージどおりの味になっているのでしょうか?
あとお野菜・お魚の切り方を少し変えようと思います
一体どんな仕上がりになるのでしょうか?
そして生徒たちの反応は?
1月料理教室の日がやってきました
(田)今日は全部で5品お稽古していきたいと思いますその中で「焼きぶり大根」というお料理をこれは今年初めての新しいお料理を一度作って召し上がってみてください
この日のために麻子さんが考案したのは「焼きぶり大根」
冬の定番メニューであるぶり大根を煮込みではなく手軽に焼いて調理しようという新感覚のメニューです
ではいよいよ田辺大根を切っていこうと思います
なにわの伝統野菜・田辺大根は肉質が緻密でやわらかく甘いのが特徴
試作の時とは違う切り方で大根をカットします
最初私もっと筒状に切っていたんです試作の段階でそれやとねどうしてもゆでないで焼くだけなのでそんなに大根のおいしさが出なかったので切り方を薄くして大根ステーキみたいな感じでちょっと変えたんです切り方を…そうするとねグッとおいしくなったと思います
この田辺大根とぶりに酒を加えながら焼き上げます
(田)ゆがかずに焼くだけですご家庭で時間がない時でも楽じゃないですか…おせちでお雑煮作られて残られてる方白みそ…それも使ってもらえるかなと思ったんですよお正月…お雑煮終わったら使わなかったりする時ありますでしょそれでいいかなと思って…
そこにさっぱりさを加えるためにしょうが汁を入れます
じゃあバター入れますね冷たいバターを入れます
前回バターの味が少しくどかったこともあり少し量を減らします
(田)白みそとしょうがとバターなのでおいしくないはずがないと思うんですけど…
木の芽だけでなく白髪ネギを加えることで繊細さを演出します
冬の定番メニューが全く新しい発想のもと生まれ変わりました
さてお味のほうは?
(女性)なんかぶり大根じゃないみたいおしゃれな…うん新鮮大根がすごいシャキシャキしててすごく香ばしくておいしいです…でソースでまろやかになってすごく食べやすいし見た目全然違うんですけどすごくクリーミィーでホワイトソースがかかってる感じがするんですけどその中に和の味がします
生徒さんの反応に麻子さんも安堵の表情
定番の日本料理に新たな可能性を見いだした麻子さんの夢のツヅキは?
今後は大阪の食材をもっと取り入れまして私らしいレシピをあくまでも家庭料理という形でもっとたくさんの方に知って頂けたらいいなと思っていますそれは料理教室やそれ以外でもレシピ本などほかの形でもたくさん広く皆さまにお伝えしていければいいなと思っています2016/01/09(土) 11:00〜11:30
ABCテレビ1
LIFE〜夢のカタチ〜[再][字]
人生はいろんな夢でできている…夢追う人の輝く瞬間を佐々木蔵之介の語りで描きます。
今回は、関西の日本料理の魅力を伝える女性料理研究家の“夢のカタチ”!
詳細情報
◇番組内容
様々なメディアで注目を浴びる人気の料理研究家、吉田麻子さん!
吉田さんの“家庭料理以上 割烹未満”のレシピやテクニックを紹介!
冬定番の煮物料理「ブリ大根」をフライパンで簡単クッキング!?目からウロコの新発想レシピを公開する!
◇ナレーション
佐々木蔵之介
◇おしらせ
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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