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1. |
安全で確実な人工関節置換術を提供すること。
(当院は総合病院でありその利点を生かして、経験豊富な麻酔科医師、循環器科医師などと連携して安全な医療を提供します。) |
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2. |
香川県内ではほとんど行われていない最小侵襲手術(MIS:エム・アイ・エス)やナビゲーションシステムなどの最先端技術を使用することにより、早期の回復が可能になり、正確に人工関節が設置できることにより長期成績についても向上します。 |
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3. |
当院は地域密着性を重視しているため、リハビリを長くしたい方には、亜急性期病棟で長期間リハビリをすることが可能です。(もちろん最小侵襲手術によって術後2〜3週で一般的には退院可能と思われますが、いろいろな事情で長期の入院リハビリを希望される方は術後2〜3ヵ月の入院が可能です。) |
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1.MIS人工関節手術 |
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MIS(エム・アイ・エス)とはMinimally Invasive Surgeryの略です。日本語では最小侵襲手術といいます。皮膚の傷が小さく、体へのダメージが少ない手術という意味です。
一般的な人工関節手術では股・膝関節とも15〜20cmの傷を必要とし、筋肉へのダメージも大きいものでした。そのため手術後の痛みが強くなかなか筋力も回復せず、入院は2〜3ヵ月必要でした。当院ではMISによる手術によって従来の半分ほどの傷で人工関節手術を行っています。MIS人工股関節は8〜10cm、MIS人工膝関節は10〜12cmの傷で行っています。MISは傷が小さいだけではなく、筋肉や腱へのダメージも少ないため術後の回復がとてもはやく、股・膝関節とも早期に杖での歩行が可能になり、入院期間は2〜3週間ほどになります。
MISはどの病院でも行っている手術法ではありません。香川県内でもMISを行っている病院は限れられており、当院は数少ない病院の一つです。また、MISはとてもメリットが多い手術法ですが、特殊な方法のためトレーニングを受けた医師でなければ良い結果になりません。私は岡山大学病院にて国内でも早期の平成15年よりMISを導入し実践してきました1-3)。
(参考文献)
1) 血友病性股関節症に対するMIS (minimally invasive surgery)の経験
横山明人、浅海浩二、三谷 茂、黒田崇之、橋詰博行
中部日本整形外科災害外科学会雑誌 48:499‐500,2005.
2) 仰臥位でX線透視イメージを用いた前側方進入路によるMIS-THAの手術手技
三谷 茂、藤原一夫、浅海浩二、遠藤裕介、松田和実
日本人工関節学会誌 36: 320-321, 2006.
3) 後側方アプローチによるMIS人工骨頭置換術の試み
浅海浩二、東原信七郎、小西池泰三、高田英一、梅原憲史、那須正義
中部日本整形外科災害外科学会雑誌 50: 1067-1068, 2007. |
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※写真は、患者様本人の掲載の許可をとっております。 |
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2.ナビゲーションシステムについて |
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人工股関節置換術では、骨盤側の臼蓋カップと大腿骨側のステムのサイズ、設置位置により術後の人工関節の動きや安定性が決まります。位置が不適切な場合、脱臼や脚長差、部品の磨耗、可動域制限の原因になります。
従来の手術器具を用いた方法では設置位置にばらつきが生じるという問題がありましたが、当院ではこのばらつきを解決するため、ナビゲーション支援のシステムを導入しています。
カーナビで出発前に到達位置を登録しておくとその指示通りに運転すれば目的地に到達できるのと同様に、ナビゲーション支援による人工股関節置換術では、術前に個々の患者様にあった人工関節のサイズと位置を術前骨盤CT画像とコンピューターを用いて設計します。
術中はモニターに手術道具の位置がリアルタイムで表示され、それを見ながら計画した位置に人工関節を設置します。特に変形の強い手術の難しい患者さんもしくはMISで手術を行う際にもより正確に手術を行うことが可能になり、それにともない長期成績も期待できます。私は岡山大学病院にて国内でも早期の平成16年よりナビゲーションシステムを導入し実践してきました4-6)。
当院では平成22年にナビゲーションシステムを香川県内で初導入し、いかなる患者様に対しても安全で確実な人工股関節置換術を提供することが可能となりました。
(参考文献)
4) セメントカップの設置におけるCT-based navigation systemの使用経験
- 臼蓋に骨移植の必要な亜脱臼性股関節症例について -
浅海浩二、三谷 茂、遠藤裕介、黒田崇之、尾封q文
日本人工関節学会誌 36: 310-311, 2006.
5) ナビゲーションシステムを用いた側臥位セメントレスTHAのカップ設置の検討
遠藤裕介、三谷 茂、藤原一夫、黒田崇之、鉄永智紀、尾 敏文、浅海 浩二
日本整形外科学会雑誌 81(4): S392, 2007.
6) Use of navigation improves precision of cup placement in cemented THA done for severe dysplasia
Koji Asaumi, Shigeru Mitani, Hirosuke Endo, Kazuo Fujiwara, Toshifumi Ozaki, Hiroshi Egawa
AAOS(American Academy of Orthopaedic Surgeons) 75th Annual Meeting, 2008. |
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1. |
初診の方(紹介状をお持ちでない方)は月曜日午前中に、浅海の外来へ受診してください。(遠方の方は休診等の場合がございますので受診前に当ホームページの臨時休診情報を確認してください。紹介状を持参することが可能な方は治療を円滑にすすめるために是非紹介状を持参してください。) |
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2. |
診察し現状についてご説明いたします。セカンドオピニオンなどで意見だけお聞きになりたい方はその旨申し出てください。(当然可能です。)人工関節置換術の適応であり当院で治療を希望される場合は手術日を予約して帰っていただきます。 |
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3. |
予約した手術日の約2〜3週前に受診していただき、術前検査および自己血貯血を行ってもらいます。内科的な合併症などがある場合は別に受診が必要になる場合があります。 |
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4. |
手術前日の午前に入院となります。(ただし月曜日手術の場合は、金曜日入院になります。) |
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5. |
手術を行った後、基本的には手術翌日より離床、歩行を行います。 |
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6. |
約2週後に創部が癒え、歩行および日常生活動作が問題なければ退院を許可します。退院の目安は術後3週としております。ただし当院には長期入院リハビリテーションが可能な亜急性期病棟がありますので、社会的理由などで引き続き入院リハビリテーションが希望の方は可能です。 |
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7. |
退院後は、定期検診を行いますが、ある程度おちついた場合は人工関節の定期検診は1〜2年に一度程度の受診になります。 |
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人工関節置換術は、厚生労働省が各医療機関に手術数の届け出を課している難易度の高い手術の一つに指定されています。平成23年1月の人工関節センターを開設後に厚生労働省に届け出た当院の人工関節置換術を下記に示します。まだ当センター開設後短期ではありますが、香川県内においてはトップクラスの症例数です。
平成23年度 人工関節置換術 158例(膝関節:108例、股関節:50例)
平成24年度 人工関節置換術 175例(膝関節:95例、股関節:80例)
平成25年度 人工関節置換術 200例(膝関節:125例、股関節:75例)
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(人工骨頭置換術は除いています) |
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全国には、私が学会等で情報交換をさせていただいている、人工関節置換術のトレーニングを積み、信頼できる先生方がたくさんいます。私自身も、地元の香川県において、安全で確実な人工関節置換術が提供できる一術者として、この分野での地域医療への貢献に努力してまいりたいと思います。股・膝関節の痛みでお悩みの方はご相談に乗らせていただきたいと思いますので、是非人工関節外来へお越し下さい。 |
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・2010年(平成22年)7月 4日(日曜日) 人工関節置換術1
・2010年(平成22年)7月11日(日曜日) 人工関節置換術2
・2010年(平成22年)7月18日(日曜日) 人工関節置換術3
・2010年(平成22年)7月25日(日曜日) 人工関節置換術4
※上記リンクをクリックすると実際の紙面をご覧頂けます。
(四国新聞社に許可を得て紙面を掲載しております。)
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股・膝関節の痛みで悩んでいる方へ、人工関節を用いた整形外科治療に関する専門情報サイトです。考え方もいろいろありますので、せひご覧下さい。
・人工関節ライフ
・人工関節の広場
・人工関節ドットコム
・関節が痛い.com
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